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世界が注目する“忍者”ZENが語る、パルクールに賭ける人生が超クール!【インタビュー】

女子SPA! 10/9(日) 16:20配信

 いま話題のスポーツ・パルクール。第一人者であるZENさんは、世界大会でも上位入賞するなど、世界を股にかけて活躍中です。

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 そんなZENさん初の著書『FLY』(小学館集英社プロダクション)には、哲学とも言える熱い思いが込められています。

 前回の記事「ZENさんにパルクールを教わった」に続き、今回は著書を元に、ZENさんにいま伝えたいことを伺いました。

◆パルクールはフランス発祥のストリートカルチャー

――パルクールの定義を改めて教えていただけますでしょうか。

ZEN:フランス発祥のストリートカルチャーです。周囲にある環境を使って移動を繰り返す中で、精神と肉体をコントロールできるようにトレーニングしていくカルチャーでして、移動術とも呼ばれています。

――アクロバティックな要素も大きいですが、あくまで“移動”ですか?

ZEN:そうですね、その場での動きはパルクールではないんです。腕立て伏せはパルクールではないし、その場でバク宙するのもパルクールではない。体を移動させながら行うというのが、一つの定義です。元々のルーツの目的としては、A地点からB地点にいかに素早く、無駄なく移動するかということなんです。その結果として、トレーニングがついてくるんですよ。

◆パルクールに出会う前は、目標もなく漠然と生きていた

――ZENさんがパルクールを始めたのは、中学3年生のとき。そこからのパッションがもの凄いですよね。高校生でLAのチームに自らアポを取って、アメリカに乗り込んだり。

ZEN:パルクールに出会う前の自分は、目標を見つけられずに、自分に合っていることも分からずに、漠然と生きていました。でもパルクールを見た瞬間に、「これをやってみたい」と思ったんです。人間はこんなことが出来るんだっていう驚きがあって。自分が思っていた範囲のことじゃなかったんですよ。こんな動きを生身の人間が出来るんだと思ったときに、自分も同じ人間なら、自分にも出来るんじゃないかなと思いました。

――2011年に世界5位という快挙を成し遂げたものの、その後、ギリシャ大会で予選落ちしてからトレーニングをすべてやり直したんですね。

ZEN:自分の中で、ある種、固まった考えができていたというか。もっと難しい技をやらないととか、誰よりも早くこれが出来るようになるんだとか、自分の中のパルクールに対する動機がちょっと違ったものになっていたんです。昔は、探究心や憧れで自分に足りないものを純粋に追いかけていたのが、いつの間にか技をやるためにパルクールをやっていたんですよね。

 そうなってくると、練習の仕方も変わってきて、競技志向になっていったんです。でも今は勝つためではなく、総合的に自分のパルクールを突き詰めて、自分のレベルが上がっていく中で、結果として世界一位を獲れるくらいのプレイヤーになれればいいなと思っています。決して一位になるためのトレーニングではなくて、自分の理想に向かっていくことを、いますごく大事にしています。

◆障害物を超えて進むパルクールは、人生と同じ

――ご自分のことを「飽き性」と分析されていますが、8年も情熱を持って続けていられるので意外でした。

ZEN:同じことをずっと出来ない性格なんですよ。パルクールってたくさんの要素があって、毎日同じ場所で同じトレーニングをするのは、むしろ意味がないというか。常に自分に足りないものを探して、いまの自分に一番必要な場所でトレーニングをする、ということをしているので、日々変化が求められる。変化がなければ鍛えられる部分が変わらないんです。そういう意味で、パルクールは自分の性格に合っているのかなと思います。

――著書の中で「障害物」という言葉を使われています。

ZEN:パルクールというのは障害物を越えていくスポーツなので、現実にある障害物という意味もそうですし、僕はそれって、人生においても同じだなと思っているんです。障害物は目に見えるものだけではなく、逆にポジティブなチャンスも障害物だと思うんですよ。そういう物事一つ一つを、一つの経験として得て、そこからいろんなことを学んで生かすというのがパルクールと一緒だなと思います。

◆やりたいことに向かって一直線に生きる

――パルクールを世に広めたいという強い思いをお持ちですよね。

ZEN:自分がパルクールにいろんなことを教えてもらった立場だからなんです。こうやって普及活動をする中で、僕みたいに「なにか違う」と思っている方にチャンスを増やせるといいなと。それが必ずしもパルクールじゃなくてもいいと思うんですよ。自分の夢に向かって踏み出せていないかたや、その勇気がないかたに、この本を読んでいただきたいです。

――わたしも仕事で行き詰っていたときにこの本を読んで、吹っ切れたというか、もう一度頑張ろうと思えました。

ZEN:それは本当に嬉しいです! パルクールをやってみたいという形だけじゃなくて、自分のやりたいことに向かって一直線に生きた少年の話として、感じてもらえるものがあったなら、今回本を出させてもらった意味がすごくあると思います。

――おばちゃんの意見なんですけど、若いのに本当にエラいなと思います。わたしが23歳のときなんて、ちゃらんぽらんでした(笑)。

ZEN:全然エラくないですよ。どうしようもない奴だと、いつも思っています。ただ、自分の気持ちにウソはつけないんです。自分がこれだと思ったことには全力で進んで、その先でそれが間違っていたりとか、挫折があっても、そこからまた学べばいいと思うので。それが障害物だと思うんです。障害物がないのが一番つまらないです。舗装された平の道が一番つまらないんですよ。歩くための道が用意されているのに、外壁とか縁石とかを歩きたくなっちゃう子供と同じなんです(笑)。

――パルクールを「魂のパートナー」とまで言い切って、すごいなと思います。

ZEN:半分つながっているんですよ。仮に自分の中で新しく何かをやりたいと思うことがあっても、それはパルクールの中でやると思います。僕のやりたいことは、人生をかけてパルクールを発展させることです。仮にプレイヤーを引退して、なにか違うことをやることになっても、パルクールの人間としていろんなことをやることで、それがまたパルクールのシーンになにか還元できることになればいいなと思っています。

<取材・文/尾崎ムギ子 撮影/安井信介>

女子SPA!

最終更新:10/9(日) 16:20

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