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新型NSXは赤字覚悟!? GT-Rのフルモデルチェンジはもうない!? 和製スーパーカーがうまくいかない理由

週刊SPA! 10/9(日) 9:10配信

 自動車趣味人の間で注目の新型NSXが、ようやく本邦自動車メディアやジャーナリスト向け試乗会を開催(SPA!は呼ばれず)。話題になっております。個人参加したMJブロンディも実際に乗る前は否定的でしたが、いざ乗ったら驚愕! ハンドリングがいいようです。そんな新型NSX、なぜ開発に25年もかかったのか? スーパーカーの開発は、あれこれ大変らしいのです。

⇒【写真】新型NSX&日産GT-R

MJブロンディ=文 Text by Shimizu Souichi

◆新型NSXの開発にホンダが25年もかかったのはなぜなのか?

 先日、吉野家が数量限定で松茸牛丼を復活させた。値段は730円! うおおおお! 早く食わなきゃ!! そう目を血走らせている読者諸君も、新型NSXについてはあんまり興味ないだろう。なんせ2370万円もすんだから。なら松茸牛丼を3万回食ったほうがいいに決まってるべ!?

 ところで、吉野家の松茸牛丼は、採算が取れてると思いますか?

 たぶん取れていないだろう。おそらく出血大サービスだ。

 実は新型NSXも出血大サービスで、あの値段でも赤字は必至である。

 赤字なのになぜ作るのか? 世界の頂点に挑戦することで技術者の士気を高め、ブランド力を高めるためだ。エライ! これぞホンダスピリット!! この高邁な精神にボンクラ諸君も涙を流して感激するだろう。

 その新型NSX、実際に乗ってみてどうだったか?

 すごかった。開発に際してベンチマークにしたというフェラーリ458イタリアのように、つまりUFOのように曲がって加速はそれ以上。3モーター+V6ターボの超複雑なハイブリッドシステムをよくぞここまでまとめ上げた! スゴイ! さすがホンダスピリット!! ただしデザインは落第です。

 ところで、新型NSXが目指した世界の頂点ことフェラーリやポルシェは、やはり赤字なのか?

 いいえ、大黒字です。利益率は10%を軽く超えておりまして、トヨタ以上なのです!

 なぜホンダのNSX事業は赤字で、フェラーリやポルシェは大黒字なのか? フェラーリやポルシェなんてゼータク三昧に作ってるっぽいのに! 日本の自動車メーカーはコストダウンのノウハウにかけちゃ世界一のはずなのに!! そう思った諸君は、ボンクラながら鋭い。

 それはですね、慣れてないからです。ホンダのような巨大な自動車メーカーは、大量生産によって利益を出すノウハウは豊富だが、少量生産で利益を出すノウハウはない。ホンダだけじゃなく、トヨタもメルセデスもGMも、大自動車メーカーはそんなノウハウを持ってない。

 だから大メーカーは滅多にスーパーカーを作らない。作る場合はスーパーカーメーカーを買収したりする。アウディがランボルギーニを買収したように。

 ホンダがNSXを25年間もモデルチェンジできなかったのも、採算が取れなかったからだ。モデルチェンジできないからノウハウも蓄積できないという循環なのである。新型NSXは、日本市場に割り当てられた最初の100台はとっくに売り切れ、現在すでに3年待ちと言われるが、それで黒字になるわけではない。

 ということで総合すると、「赤字覚悟で新型NSXを開発したホンダはエライ!」と、手放しで称賛するわけにもいかない。なぜなら次のモデルチェンジはない、つまり事業の継続性がない可能性が高く、結果的に技術者の士気やブランド力向上の維持が難しいからだ。

 一方、日産GT-R。こちらは登場から丸9年になるが、このほど’17年の年次改良モデルが発表された。見た目は若干変わったが、中身の変化は微細なもので、乗っても違いがよくわかりませんでした。

 と言っても、GT-Rの速さは相変わらずだ。世界にほぼ敵はいない。おそらく新型NSXよりも速い。それでたったの1000万円くらい! なんというお買い得感!!

 そんなGT-Rも、9年間モデルチェンジできていないし、次のモデルチェンジはないかもしれない。やっぱり採算が取れてないから!

 GT-Rは’07年の発表時、いずれは世界で年間1万台以上売る計画だった。フェラーリ車の約2倍だ。しかし近年はフェラーリ車の半分も売れておらず、採算は厳しい。だからモデルチェンジができない。

 このように、巨大自動車メーカーが少量生産のスーパーカーを作るのは、大変に難しいことなんだ、というお話でした。

【結論】

フェラーリもポルシェもだいたい6年おきにモデルチェンジしている。それは事業として黒字だから!NSXは赤字なので25年もかかった。GT-Rに次はないかもしれない。涙が出ます。。。採算って大事だネ!

日刊SPA!

最終更新:10/9(日) 9:17

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