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妊活中の夫がやってはいけない「3つのNG行動」

週刊SPA! 10/9(日) 16:20配信

 筆者は3年の不妊治療を経験しました。当時妻は、体と心、その両方に大きくのしかかる治療を受けていたので、それはそれは妻の気持ちに寄り添って生活をしていました。にもかかわらず、不用意に妻を傷つけてしまったことがありました。そしてそれは、あまりにも“意外すぎるシチュエーション”でした。

 いまあなたの奥様が不妊治療中、もしくは不妊治療を考えているという方がいれば、ぜひ筆者の「やっちまった過去」を反面教師にしていただきたい。では一体、不妊夫がやってはいけない、意外すぎる“3つのNG行動”とは!?

◆TSUTAYA

 TSUTAYAには魔物が棲んでいる、と言っても過言ではありません。

 というのも不妊治療中の女性は、簡単に外出を楽しめません。そのため筆者夫婦は、週末のDVD鑑賞が唯一の趣味でした。ですから金曜の夜に一緒にTSUTAYAに出掛け「これを観よう」「いや、見逃してたあれを借りよう」と、週末に観るDVDをふたりで楽しく選んでいたのです。

 悲劇は土曜日に起きました。ある洋画を観ていると、主人公女性の親友というのが現れ、

「きょうクリニックに行ってきたんだけど、またダメだったの。赤ちゃん……できてなかったの」

 と泣き崩れたのです。

 え……えっ!? ええっ……!!

 横にいる妻の顔をふと覗きこむと、もんのすごい暗い顔に変化していました。

 おいっ! TSUTAYAのポップ書いた店員さんよお!『今年度コメディーナンバーワン!』って書いてあったじゃんかよお! こちとら嫌な現実を忘れたくてビデオ借りてんだから、それが台無しじゃんかよおおお!!!!

 このように映画のなかには、本筋とは関係ないところでも不妊治療を匂わすシーンが出てきます。これは不妊治療カップルには危険すぎます。いきなりそのシーンがやってくるわけですから、女性が受けるダメージは計り知れません。

 以来、DVD選びは僕の仕事となりました。事前にネットで調べ「あらすじ」だけでなく「ネタばれ」も熟読。これらの“ひとり検閲”を行い、パスした映画だけを週末の上映会にかけました。物語に「不妊治療」が出てこなくても、『6歳の瑞々しい少女が主演!』という映画も「こんなかわいらしい女のコが産まれてきてくれたら……」と、妻が想起しないともかぎりません。よってNG。

 結果、『パシフィック・リム』や『カーズ』といったハリウッド超大作か子供向け作品ばかり選ぶようになり、しかもあらすじは全部知っている、という鑑賞になってしまいましたが……。

◆アカチャン本舗

 筆者が治療を始めたのが39歳のとき。同級生たちにポコポコと子どもが産まれる時期でもあり、そのお祝いを買いに夫婦でよくアカチャン本舗に行きました。子ナシ夫婦にとってのアカチャン本舗、それは異世界でした。走り回るガキども、それを止めもしない親、財布代わりと化したジジババ……子がいないひがみです。当時の僕には、そう映っていました。

「なぜ、こいつらに赤ちゃんができて、ウチには……」

 しかしそんな気持ちはおくびにも出さず、“友人のお祝いを買ういい人”を演じていました。ここまでひがみ根性丸出しではないにせよ、妻も面白い気持ちはなかったでしょう。当時、なぜあんな“いい人プレイ”を演じに夫婦でアカチャン本舗に足を運んでいたか、我がことながら謎です。たぶん「子どもがたくさんいるところに出向いても全然、平気っすから」というのをアピールしたかったのかもしれません。しかし、いま同じ立場にいる人には、こう言いたいですね。

「ネットでポチれよ」

 同様に豊洲のららぽーと的なところにうっかり立ち寄るのも、子ナシ夫婦は気を付けたいところです。

◆公園

 あれは妻が何度目かの体外受精が失敗に終わった、その週末でした。よく晴れた日だったので、家に籠っていても嫌なことを思い出すだろうと、妻を公園に誘いました。これが土曜。次の日の日曜は、また別の、大きな池がある公園でボートを漕いで遊ぼう、と妻に提案したのです。

 妻は「うん……」と言ったきり、布団から出ようとしません。筆者が着替えを済ませても、まだ布団のなか。そのため、「早く起きてよ!」と少し声を荒げてしまいました。すると、

「公園なんか行きたくない! ボートなんか乗りたくない! 子どものいるとこなんか行きたくない!」

 布団からがばっと顔を出し、そう叫んだ妻。目は真っ赤に泣き腫らしていました。気晴らしに、と提案したことでしたが、すべては裏目に。思えば、土曜に行った公園で妻は、端の木々のほうに行き、上ばかり見ていたような気がします。それほどまでに彼女にとって親子連れの姿は、自らが手に入れることのできない眩しいものに映っていたのでしょう。

 ここまで読んで「妊活夫は大変だあ!そこまで気を遣うの?」と思われた方もいるでしょう。しかしそれは違います。本当に大変なのは、身も心も治療で削っている女性です。奥様の心に寄り添い、笑顔にさせ、あすもクリニックに通う勇気を与える。最低限にして最大、これが妊活夫にできることなのかもしれません。

【村橋ゴロー】

1972年生まれ。ほとんどの家事とまあまあの育児をこなす、自宅防衛系ライター・コラムニスト。千原ジュニアや田村淳など芸人連載の構成を手掛ける。近著に『俺たち妊活部「パパになりたい!」男たち101人の本音』(主婦の友社刊)

日刊SPA!

最終更新:10/9(日) 16:20

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