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四国の外国人宿泊3割増 上半期、外国クルーズ船効果

NIKKEI STYLE 10/10(月) 7:47配信

 四国4県でインバウンド(訪日外国人)の拡大が続いている。観光庁の宿泊旅行統計調査を基に集計した今年1~6月の外国人延べ宿泊者数(速報値)は4県合計で26万7230人泊と前年同期に比べて32.7%増えた。伸び率は7割強だった2015年1~6月には及ばないが、全国の16.5%を上回る。人口減で国内旅行市場が縮小する中、四国でも外国人観光客の存在感が増している。
 香川県は39.9%増の13万6630人泊。4県で唯一、半期で10万人を超えた。瀬戸内国際芸術祭に合わせて高松―台北便が3月から週6便に増えたことなどで、アジアを中心に海外から旅行者を呼び込んだ。
 JR高松駅そばのJRホテルクレメント高松(高松市)は最近では外国人が宿泊客の2割近い。高松空港との直行便がある台湾、中国、韓国からが中心という。同ホテルでは中国語を話せるスタッフを増員し、夏前には外国人客に配慮してフロントにタブレット(多機能携帯端末)を備えた。
 土産品販売の中野屋(香川県琴平町)が経営する「中野うどん学校」は、琴平町と高松市の2校で1日200人ほどの外国人がうどん打ちを体験する。9割近くが台湾からで「今年は2割増しで推移し、通年で6万人弱を見込む」(中野吉貫社長)。
 伸び率が最も大きかったのは愛媛県で、41.2%増の6万7930人泊だった。道後温泉を抱える松山市でも「台湾からの旅行客が特に増えている」(観光・国際交流課)。関西や広島などと結んだ広域観光ルートとしても「知名度が上がっている」とみる。
 松山以外にも「瀬戸内しまなみ海道や明治期の古い街並みなどが人気の今治市、大洲市、内子町で外国人客が増えている」(県国際交流課)という。
 徳島県は19.2%増の2万8480人泊。徳島市では阿波おどりや人形浄瑠璃といった観光資源を積極的に海外に紹介するため、観光情報サイトを自動翻訳により103の言語で表示できるように刷新。8月には外国人の要望が多い公衆無線LAN拠点を市内2カ所に設けた。
 高知県は15年に9割近く増えた反動もあり、7.9%増の3万4190人泊だった。宿泊者数には含まれないが、4~6月だけで高知新港に7隻の外国クルーズ船が寄港し、約1万人の外国人客が訪れた。「欧米客を中心に室戸ジオパークを見学してキンメダイの丼を食べるといったコースも人気」(県観光コンベンション協会)という。
 四国を訪れる外国人客のうち、台湾、香港、中国で全体の5~6割を占める。
 1~6月の国内を合わせた延べ宿泊者数全体のうち外国人比率は4.6%と前年同期を1.1ポイント上回った。ただ、全国に占める四国の外国人宿泊者数は0.7%となお低い。
 瀬戸内海に面する7県の官民組織、せとうち観光推進機構(広島市)は8月、英語圏の富裕層に強い英国の旅行会社、トラファルガー社が世界各地で開く営業戦略会議を誘致し、香川・愛媛・徳島各県を含む視察ツアーを実施した。インバウンドをつかむには、広域連携の強化などさらなる工夫が求められる。

最終更新:10/10(月) 7:47

NIKKEI STYLE

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