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【MLB】力勝負もコントロールミスに泣いたダルビッシュ。手術後、球威アップの代償

ベースボールチャンネル 10/10(月) 11:00配信

まさかの5回5失点

 力勝負に屈した。レンジャーズ・ダルビッシュ有が7日、ブルージェイズとの地区シリーズ第2戦に先発。日米プロ13年目で初となる1試合4本塁打を浴び、5回5失点で負け投手となった。

「カウントを悪くしてしまい、そこで相手は真っすぐを狙ってきていた。真っすぐ主体でいきすぎてしまった」

 メジャーリーグ公式HPによると、試合後のダルビッシュはこう振り返った。2回にトロイ・トロウィツキーに2ランを許し、5回はケビン・ピラー、エゼケル・カレラ、エドウィン・エンカーナシオンと3本のソロを浴びた。打たれたのはいずれも92マイル(約148km)を超す直球だった。

 右肘のトミー・ジョン手術から復活した今季のダルビッシュを象徴する球こそ「直球」だった。データサイト大手『fangraphs』は手術前の14年と、復帰後の16年の数字を比較した。

 球種割合
 14年 速球65.3%、スライダー25.5%、カーブ7.4%、チェンジアップ4.6%

 16年 速球69.3%、スライダー20.8%、カーブ6.0%、チェンジアップ2.5%

 ここでいう「速球」は直球、ツーシーム、カットボール含む。同サイトは「彼は速球を多く投げるようになった。そして速球の平均球速は92.4マイル(約148.7km)から、93.3マイル(約150.1km)へとアップした」とまず指摘した。

 さらにその速球の内訳にもフォーカス。
 14年 直球38.5%、ツーシーム12.7%、カットボール14.1%
 16年 直球40.4%、ツーシーム18.6%、カットボール10.3%

「カットボールを投げる割合は明らかに減少した。直球とツーシームを多投するスタイルに変化を遂げた」と分析した。

4つのホームランはどれも失投

 当然、ブルージェイズ打線もこのあたりは分析済み。「彼が素晴らしい投手なのはよく分かっている。ただ2ボール0ストライクから、直球が来たからね。いいスイングで捉えられた」というトロウィツキーのコメントからも対策が感じ取れる。

 トミー・ジョン手術を受けた一部の投手にも見られるが、ダルビッシュも明らかに手術前より球威が増した。その直球が軸となり、奪三振率11.84は、キャリア通算の11.32を上回った。だが力勝負は、ささいなコントロールミスでも命取りとなる危険を伴う。

 普段から速球系にはめっぽう強く、ポストシーズンでギアも一段階上げているブルージェイズ打線などはその典型だった。

 ジェフ・バニスター監督は「4つのホームランは、4つとも失投だった。トロウィツキーにはもっと低くいかなければ。他の3人はコースが逆だった。それ以外は、ユウは素晴らしい投球だった」と述懐した。言葉通り5失点は全て本塁打によるもの。それ以外に打たれた安打はわずか1本だった。

 ダルビッシュの冒頭の言葉通り、相手が狙っているのを分かった上で、その狙っている直球を投げ込んだ。そこを打ち砕かれた。エース左腕のコール・ハメルズに続き2枚看板での手痛い連敗。頂上決戦での力勝負の代償はあまりにも大きかった。

ベースボールチャンネル編集部

最終更新:10/10(月) 11:00

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