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スゴいことになっていた!憧れの「リムジン」今昔物語

@DIME 10/10(月) 12:30配信

 王室関係者やムービースターなど、セレブが安全で快適に移動するための手段、それがリムジン。

 でも、日本ではバブルの影響か、あまり良いイメージではないかもしれない。

 しかし! 昨今のバブル再評価の波を受け、今こそリムジンに乗ってみようじゃないか!!

■天皇陛下・アメリカ大統領はどんなリムジンに乗ってるの?

 リムジンと親しいアメリカ人は、リムジンに愛情を込めて“リモ”と呼ぶ。何せ、アメリカ人のトップといってもいい、大統領が愛用するクルマであるから。

 そして、日本では宮内庁の御料車としてリムジンが利用されている。まずは、その2台から見てみよう。

 今からちょうど10年前の2006年のこと、宮内庁は当時御料車として40年近く利用されてきたニッサン『プリンスロイヤル』に換えて、新御料車トヨタ『センチュリーロイヤル』を導入した。

 御料車は、天皇・皇后両陛下が利用するほか、国賓接遇に活用されるもの。『センチュリーロイヤル』は4台導入されていて、1台は寝台車として架装されている。

 この『センチュリーロイヤル』は、ご存知の通り国産市販乗用車の最上位にある『センチュリー』をベースにするが、8人乗りであること以外は基本的に機密事項とされている。一般的に全長は6mを超え、車重は3tほど。ベースとなった『センチュリー』のV型12気筒5Lエンジンを搭載しているとされる、大柄の車両である。

 一方、アメリカ大統領専用車は2009年から、ゼネレルモーターズ製の車両を使用する。“ビースト”、“ファーストカー”などのニックネームを持つこのリムジン、外観は同車のキャディラック『 CTS』などに似るが、中身は全くの別モノである。

 アメリカ大統領を守るため、詳細はトップシークレットであるが、同社系列のGMCトップキックと呼ぶ中型トラックのシャシーを利用しているという。防弾ガラスは5インチ(12.7cm)もの厚みがあり、ロケット弾に負けない装甲を持ち、重量も8tになるというから、ものすごい。

 大統領専用車がここまで強固になったのは、同国の歴史が絡んでいる。たとえば、1963年11月23日早朝に行われた、初の日米宇宙中継で映し出され、日本人にも衝撃となったケネディ大統領暗殺事件。こういった悲劇の歴史が現代の最強大統領専用車を形作っている。

 下の写真はケネディ大統領暗殺時に大統領が乗車していた車両で、現在はデトロイトにあるヘンリーフォード博物館に保存されている、1961年フォード社製のコードネーム“X-100”である。

 暗殺当時は取り外し可能なプラスチックの屋根を用いていたが、その後屋根が恒久的に閉められ、装甲を強化し、重量増に備えてエンジンが大出力化されるなどの改良をしたという。

■バブルで花開いた日本のリムジン

 王室、皇族や大統領だけがリムジンを使うわけじゃない。一般人だって“リモ”に乗りたいのである。

 そんな夢を叶えるべく、日本でもバブル期にリムジン文化が花開いたのだった。その先導役となったのは、日産自動車のカスタムカー、特装車、福祉車両などを製造する「オーテック」が1987年から販売をした『セドリック/グロリア ロイヤルリムジン』だろう。

 ニッサンの高級セダン、セドリック/グロリア(現在のフーガ)のセダンモデルの全長をストレッチし、後席空間を拡大したもの。新車価格は1500万円ほどもしたという。ちなみに現在は中古があれば200万円ほどで購入できる。また、このクルマはY31型と呼ばれる7代目のセドリックであり、2014年までセダンはタクシー用として、30年近く生産され続けていた。

 その動きに負けじと今度は、天下のトヨタがセンチュリーで対抗する。平成が始まった1989年11月にEタイプのホイールベースを650mm延長し、全長5770mmの威風堂々たる姿で登場したのが『センチュリー リムジン』である。

 これにはセンチュリーの対抗馬であったニッサン「プレジデント」も負けてはいられない(こういう意地の張り合いがバブルっぽい)。1993年にオーテックから『プレジデント ロイヤルリムジン』が発売されたのだ。

 ベース車両に対して500mm全長を伸ばし、これまた5700mmを超すビッグサイズとなる。ウォールナットの本木目をあしらった後席キャビネットには専用の9インチTVやVHSビデオデッキ(!)を配し、冷蔵庫、電気ポットなどを装備した。

 ちなみにこの、『プレジデント ロイヤルリムジン』が発表された1993年の第30回東京国際モーターショーには、プレジデントのオープンカーが出展されていた。日本の最高級車、しかも4ドアセダンのオープンとは…。これも時代のあだ花であろうか。

 ニッサン、トヨタがリムジンを出すなら、三菱だって出したい。というわけで、三菱もディーラー車(愛知三菱自動車製作)ではあるが『デボネアV リムジン』を世に生み出した。

 これで話しは終わらない。国産リムジンの真骨頂(筆者個人の勝手な思い込みだが)は、1990年に発売されたトヨタ「コロナ」のリムジン、『コロナ スーパールーミー』だ!!

 高級車のリムジンならまだわかるが、コロナはファミリーセダンである。しかもこのスーパールーミー、ベースとなったコロナのホイールベースを210mm延長したが、全長は4690mmと小型自動車枠に収まっているのだ。そう、5ナンバーなのだ!

 実に不思議なクルマだが、室内は足元が広々としており快適だ。リムジンながら威張った感じがしないので好感がもてる。しかも、新車価格は当時205万円。“ファミリーリムジン”は、その後のミニバンブームの到来を予感していたのだろうか?

 このコロナ スーパールーミーはごくたまに中古車市場へ登場する。500台限定車なので貴重ではあるが、ほとんどプレミア価格はつかず、30万円を切る価格の中古車を筆者は見かけたことがある。興味のある人は一度、試乗させてもらったらどうだろうか? もちろん、公共の駐車場に停車する際、大きさで悩まされることは、ほぼないだろう。

■新車でリムジンに乗るなら?

 ここまで、セレブ専用車、国産リムジンを紹介してきたが、どれも現在、新車で購入することはできない。そこで、今でも新車で手に入るリムジンをご紹介しよう。

 まずは、「買えるもんなら買ってみな!」とばかりのリムジンをドイツから。皇帝メルセデス・ベンツの超高級サルーン『マイバッハ S600プルマン』だ。

マイバッハには先に量販型の『マイバッハ S』が登場しており、その最上級は『マイバッハ S600』となり、価格は2626万円(税込)である。こちらをベースに全長を6.5mまで拡大。530psの6L・V12気筒ツインターボエンジンを搭載するスペシャルモデルは価格8800万円~。先日、防弾仕様で1億5000万円以上のモデルもリリースされており、世界でも有数の超高級リムジンを、お金があれば手に入れることができるだろう。

 もう少し現実的なリムジンをお望みならば、ミツオカ自動車(正確には光岡自動車特販課)の「ガリュー4リムジン」がある。

 日産自動車の「ティアナ」をベースとする「ガリュー」の全長を5680mmまで拡大したモデル。エンジンは2.5LでFFとなる。装備は比較的シンプルなので、意外とカジュアルに利用できるだろう。

 ベースのガリューが400万円~500万円なので、1000万円を切る価格で購入できるかもしれない(ご希望の方は要確認)。輸入車で大型車の購入を検討しているなら、高額とはいえない価格だろう。

■「何コレ?」 世界の個性派リムジン

 中古車のリムジンなら十分購入できる価格だと理解していただけただろう。もちろん、新車で買えるモデルもかなりの数になる。すっかりリムジンの魅力にはまったアナタのため、最後に、世界の個性派リムジンを紹介していこう。

 まずは「世界最長のリムジン」だ。ギネス記録に登録されている最長リムジンは、全長100フィート(30m超)の「アメリカン・ドリーム」だ。

こちらはハリウッドで映画やテレビなどに出演する自動車製作で著名なジェイ・オロバーグ氏が製作したもの。氏は映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のデロリアンや、『バットマン』のバットモービル、『ゴーストバスターズ』のキャディラック・ハースなど、数多の撮影車を製作した、伝説的人物。

 このアメリカン・ドリームは1990年代中頃に製作され、26輪と、ジャグジー、ダイビングボードにウォーターベッド、ヘリコプターの発着基地を備えるリムジン。

 さすがに公道を許可無しでは走れないが、1970年代のキャディラック「エルドラド」をベースにとんでもない車両に仕立てたものだ。

 現在は残念ながら廃車状態だが、ニューヨークの「オートモーティブ・ティーチング・ミュージアム=オートジウム」に所蔵され、復活の時を待っているという。

 続いては電気自動車のリムジン。正確には高速バスという扱いになるものだが、オランダの名門、デルフト工科大学の研究チームが開発する「スーパーバス」だ。

 高速道路に専用のレーンを増設して250km/hもの速度で都市間を結ぼうという研究で、400kwのモーターで駆動し、23名の乗員が快適かつ快速で移動できるようにしている。

 全長は15m、車幅は2.55mあるのに対して、全高は1.65mと低めの設計。総重量10.5tと比較的軽いのはカーボンファイバーを多用したため。ガルウィングドアにバケットシートがスポーティなリムジン? バス? に一度、乗ってみたい。

 最後は世界一高額? なリムジンを紹介して〆としたい。

 アメリカ・ボストンにほど近いマサチューセッツ州のナティックという街にある「ヌーボヤージュ」社が開発したリムジン、「テンダー33」は、値段2億円とも5億円ともいわれる。

 もちろん豪華な装備の数々ではあるのだが、いちばんの特徴は水陸両用車だということ。

 全長10m、幅2.7m、全高2.4m、車重6.1t。12人の乗客と2人のクルーが乗車? 乗船? できて、ヤンマーの530psディーゼルエンジンが陸上では約140km/h、水上では28ノット(約52km/h! 本当だったらスゴイ)まで加速する。

 もちろん、室内は豪華そのもの。屋根も開閉し快適なクルージングを楽しめる。

ここまで、さまざまなリムジンをご紹介してきた。中古車なら意外にも安価で手に入れることが可能なことはご理解いただけただろう。もちろん、夢の車にいつか乗ってみたい! と思うのも悪くない。

 世のお父さんたち! 家族のために運転するだけじゃなく、たまにはリアシートで優雅に過ごすってのも、楽しいもんですよ。

文/中馬幹弘

@DIME編集部

最終更新:10/10(月) 12:30

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