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「うつ」は薬では治らない!? 都会でサバイバルするなら…「都市型うつ」7つの予防法とは?

ダ・ヴィンチニュース 10/10(月) 9:00配信

 朝、「会社休みたいな~」と、つい思ってしまうことありませんか? このストレス社会で闘い続けているが、心も身体もなんだか疲れ切っているような。でも、特に健康診断では異常なしで…。

『うつの常識、じつは非常識(ディスカヴァー携書)』(井原裕/ディスカヴァー・トゥエンティワン)では、これまでの「うつ」の常識を覆し、予防をはじめ、向き合い方などを紹介している。

 著者は、自らを最も処方量の少ない精神科医とも紹介しており、タテ社会の医学界をあえてヨコへと渡り歩き、順天堂越谷病院、本郷の順天堂医院など、様々な病院を経て、現在は、獨協医科大学越谷病院こころの診療科教授として、薬に頼らない治療を実施している。

 その診療内容はというと、患者と1日のスケジュール、1週間のスケジュールを話し合い、週合計50時間ほどの睡眠を確保する。それを実現できれば、患者の側で自然と治っていく場合が多いそうだ。

 最近の「うつ病」は、かつての「鬱病」とはまったく違うと前置きし、都市生活がもたらしたうつを便宜的に「都市型うつ」と呼ぶ。

 患者は口々にうつ、不眠、不安を訴えるが、彼らに共通するのは心身の疲弊。そしてその背景には生活習慣の問題があるという。

 都会で働く人に共通するのは“うつの芽”。本人の自覚としては、心身の疲労、客観的には、生活習慣の乱れ、具体的には、睡眠が質・量とともに不足している。

「睡眠は、量の不足を質で補うことなどけっしてできない」と著者は断言する。

 ヒト本来の回復力・治癒力は、身体のなかにあり、睡眠中にそれを発揮させる。本来の回復力が、睡眠不足によって損なわれれば、どんな薬を飲んでも意味がない。

 都市社会でサバイバルするには十分な睡眠が不可欠。それをどう実現するかが、都会人の課題となる。体調管理はビジネススキル。ストレス応答系をメンテナンスする時間(=睡眠時間)を十分確保できなければ、当然の報いとして「都市型うつ」に…。

 そこで著者は、「都市型うつ」予防に7つの方法を提案する。

「(1)週50時間睡眠」、「(2)3日に1度、睡眠負債を返す」、「(3)定時起床、就床は早めに」休日の朝寝坊はプラス2時間程度ならOK。日中の仮眠をとる「(4)15~30分のハーフタイム」、「(5)アルコールのコントロール」、「(6)万歩計で歩数チェック」、自分の睡眠状況を把握するための「(7)“睡眠日誌”によるセルフ・マネージメント」。

 7時間の良好な睡眠とは、17時間の活動がもたらす「ご褒美」のようなもので、精神疲労ではなく、適度な肉体疲労が睡眠の質を高める。

 毎日、一定の時間、地球の引力に逆らう生活を送らないと、筋力はあっという間に衰える。「昼間からゴロゴロして、地上にいながら無重力のような不活発な生活に陥ると、メンタルにもフィジカルにも衰える」と、定年退職等で生活が一変した高齢者にも著者は注意喚起する。

 実際に「うつ」は難敵で、いわゆる「癒し」だけでは足りなく、頑張ることもしなければならない。心と体の健康を維持するためには、適度のストレスは必要で、強い気持ちがなくては、「うつ」とは闘えない。

 最もいけないことは、薬の効果を過信すること。抗うつ薬をただ飲むだけでは強敵な「うつ」に負けてしまうそうだ。

 これまで日本の精神科医界で信じられてきた、何の根拠もない「うつ病患者に激励は禁忌である」に対して、著者は異論を唱え、「『うつ病』患者だけが励ましてはならない理由などなく、『うつ病』で苦しむ人を温かく励ますことは、治療上必要」と意見する。

「人は温かい励ましなしでは生きていけない。自信を失ったとき、大きな壁に直面したとき、この苦労がけっして報われないのではという不安にさいなまれるとき、自分を支えてくれる人が欲しい、強く激励してほしい、と内心願うもの」と。

 また、驚くことに「精神科医に名医はいない」「患者を治せる精神科医はいない」と著者は言い切っている。それは、患者のなかにある“治ろうとするちから”“治ろうとする意欲”を引き出すということであり、“治療の主役はその人自身”であること、その事実を知ってほしいと真摯に訴えているのだ。

 そのほか、精神科医界の現状をはじめ、様々な問題についても論じているので、ぜひ本書もチェックをしていただきたい。

※薬剤を用いた治療を変更・中止・開始しようとするときは、医師の指導を受けてください。

文=Sachiko

最終更新:10/10(月) 9:00

ダ・ヴィンチニュース

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