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母から「ゲルマン魂」を受け継いだアルミレーナは、小さな筋肉娘

webスポルティーバ 10/11(火) 11:58配信

厳選!2歳馬情報局(2016年版)

■第20回:アルミレーナ

 ヨーロッパの競馬主要国と言えば、歴史があり、世界的なビッグレースが開催されるイギリスやフランスだろう。それらに比べると、やや影が薄いイメージではあるが、近年注目を集めているのは、ドイツ競馬だ。同国の調教馬がヨーロッパで大いに活躍している。

【写真】父は名馬ディープインパクト、母はドイツ競馬で名を馳せたナイトマジック

 最近では、2011年の凱旋門賞など、GI5勝を挙げたデインドリームや、GI4勝馬のノヴェリスト(※生産国はアイルランド)といった馬が、ヨーロッパの競馬界を賑わせた。ノヴェリストは引退後、日本で種牡馬になるなど、世界的にその血統的な価値も高まっている。

 そんなドイツ競馬で活躍した名牝を母に持つ2歳馬が、まもなく日本でデビューを迎える。アルミレーナ(牝2歳/父ディープインパクト)である。

 母ナイトマジックは、GIバーデン大賞(ドイツ・2400m)と、GIドイツ・オークス(ドイツ・芝2200m)を制している。特にバーデン大賞は、ドイツの最強馬を競う位置づけのレース。まさにドイツ競馬を彩って、その頂点に立った”ヒロイン”だ。

 そのナイトマジックの2番目の子となるアルミレーナ。見栄えは牝馬特有の線の細さを感じるものの、引き締まった馬体で、幼少期の頃から光るものがあったという。育成を担当したノーザンファーム空港牧場の伊藤賢氏は、今春の取材でこんなことを語っていた。

「体は華奢(きゃしゃ)ですけど、いいモノを持っていますよね。動きはディープインパクト産駒の典型で、父特有の乗り味のよさを感じます。バネがありますし、芯が入ればさらによくなるのではないでしょうか」

 それから半年ほどが経って、すでにアルミレーナは美浦トレセン(茨城県)の国枝栄厩舎に入厩している。デビュー戦は、10月22日の2歳新馬(東京・芝1600m)になる見込みで、鞍上は蛯名正義騎手が務める予定だ。

 入厩してからも、体の細さはまだ課題としてあるようだが、スタッフに話を聞くと、この馬に対する期待の高さがうかがえるという。関東競馬専門紙のトラックマンが仔細を伝える。

「国枝調教師は、『体重が430kgほどと小さく、もうちょっと体が増えてくれれば……』と話していますが、別のスタッフは『小さいけど、ハリのある馬体。いい筋肉をしている』と評価しています。そして、これから調教を強めるうちに、さらに動きがよくなってくると見込んでいます」

 スタッフが好評価を与えるのは、馬体は小さくても「調教で体重が減ることが少なく、安定している」ということも大きいようだ。また、前述のトラックマンは「あるスタッフからは、『気性も悪くないし、なかなかいい馬。これなら、デビュー戦からいい勝負ができるのでは』という声が聞かれました」と、明かしてくれた。

 本格的な調教をする前の段階だからこそ、国枝師のアルミレーナに対するジャッジは渋かったかもしれない。だが、スタッフの言葉からは、将来に期待膨らむ素質馬であることが十分に伝わってくる。ドイツで活躍した母の子が、日本の舞台で輝かしい軌跡を刻むことができるのか、注目したい。

河合力●文 text by Kawai Chikara

最終更新:10/11(火) 13:23

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