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ブレグジット、トランプ躍進が私達に与える衝撃の正体

マネーポストWEB 10/11(火) 17:02配信

 イギリスのEU離脱決定に続き、11月には米大統領選も控えている。現在の世界情勢の大きな流れは、はたして日本にどのような影響を与えるのだろうか。かつて米証券会社ソロモン・ブラザーズの高収益部門の一員として活躍した赤城盾氏が分析する。

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 6月23日のブレグジット(イギリスのEU離脱)の是非を問う国民投票は、直前まで世論調査は大接戦、ブックメーカーや世界の株式市場は概ね残留派の勝利を予想していた。

 イギリス経済にとっては、残留した方が明らかに有利と思われた。投資家たちは、賢明なイギリス国民は最後には経済的に正しい判断を下すであろうと期待していた。

 しかし、イギリス国民の選択は、経済よりも国家の誇りと独立であった。離脱派の勝利は、EU分裂やユーロ解体の悪夢を想起させ、世界中でパニック的な暴落を引き起こすことになった。

 実際は、離脱が実現するまで当分の間は、イギリスはEUの一員に留まる。アメリカに匹敵する規模を誇る巨大なEU圏内の経済活動が直ちに混乱に陥るわけではない。

 イギリス国内の経済は、不透明感から投資が萎縮して中期的に停滞する可能性が高い。しかし、先に来たのはポンド安の恩恵で、イギリスの株式市場はいち早く上昇に転じた。

 さらに、勝利した離脱派の内紛もあって、新首相は残留派のメイ元内相に決まった。EUの盟主であるドイツのメルケル首相は、「いいとこ取りは許さない」と釘を刺しつつも、離脱の通告を急かして対立を煽ることは避けた。世界の株式市場を襲ったブレグジットの嵐は思いのほかに早く収束し、ヨーロッパの平和は保たれたのであった。

 しかし、この平和が見せかけに過ぎないことはいうまでもなかろう。1939年9月にイギリスがドイツに宣戦布告してから、翌年5月に戦火を交えるまで続いた「奇妙な戦争」のような状態かもしれない。

 いずれ、新たな貿易協定を巡って、イギリス─EU間の熾烈を極める交渉が始まる。各国の有力政治家から過激な発言が飛び交い、市場を動揺させるさまは想像に難くない。

 加えて、EU圏内では、向こう1年ほどの間に、フランス大統領選、ドイツ連邦議会選など重要な政治イベントが目白押しである。そのたびに反EU派の伸張に神経をすり減らさなければならない。

 ただ、ブレグジットの一件は、反EU派が選挙に勝っても、一夜にしてEUが破壊されるわけではないことも教えてくれた。金融不安に火がつかない限り、世界の株式市場は、案外冷静に対応するかもしれない。ただし、我らが日本株に関しては、強烈な円高の直撃を覚悟しなければならないが。

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最終更新:10/11(火) 17:02

マネーポストWEB

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