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『ブレードランナー2』監督ドゥニ・ヴィルヌーヴが教えてくれた「オリジナルなSF」のつくり方

WIRED.jp 10/11(火) 12:04配信

ドゥニ・ヴィルヌーヴの名は映画『ボーダーライン』(原題:Sicario)によって知られている。そしてこの1年のうちにも、さらに多くの人が彼を知ることになるだろう。なぜなら彼こそが『ブレードランナー』の続編映画を劇場へともたらす人物だからだ。

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その彼は、いまのところは『メッセージ』(原題:Arrival)の制作を終えたばかりだ。この作品は彼が最初に手がけたSF映画で、ヴェネツィア映画祭に出品された。

このフランス系カナダ人映画監督は、いわゆるアート系映画の出身だ。カンヌ映画祭で見出され、その後ハリウッドに捕えられた(彼はむしろ進んでハリウッドの手に落ちたようだ)。まずはインディペンデント映画『複製された男』(原題:Enemy)を手がけ、そののち、よく構成された非常に美しいスリラー『プリズナーズ』で頭角を現した。いま、『メッセージ』は彼の最初の“ビッグチャンス”となっている。少なくとも、『ブレードランナー2』の公開までは。

これは、12機の異星人の宇宙船が地球に着陸したときに軍隊に徴集された、女性言語学者の物語だ。宇宙船のうち1機は米国の領土に降り立っていて、彼女にはその中に入り彼らとコミュニケーションをとる方法を解明するよう命じられる。彼らは何をしに来たのか。それを、喧嘩っ早い軍人が攻撃の決断をする前に、あるいは彼らが地球人を攻撃する前に解明しなければならないのだ。

『メッセージ』は壮大な構想のサスペンスSFだ。愛好家向けの作品で、脚本は可能な限りもっともらしい出来事を準備している。

──どのようにして、異星人たちが話す(そして書く)言語を生み出したのですか?

非常に長い研究を続けました。当初目指したのは、円形の文字をつくることでした。つまり、その言語の基本形は「円」にあります。当然のことながら完全にオリジナルで、同時にその構造は合理的なものでなくてはなりませんでした。映画の出発点となったショートストーリー(編注:テッド・チャン『あなたの人生の物語』)のように、図像的で非音標的な言語でなくてはならないと、わたしは自信をもって確信していました。

モントリオール出身の専門家、マーティン・バートランドは決定的なアイデアを携えてやってきました(わたしたちは、文字通り何千ものアイデアをふるいにかけたのです!)。彼のコンセプトは、日本の禅の円相のような、寄せ集めたインクの染みに見えるものでした。わたしたちはここから出発しました。それから、脚本家がこれに関する論理的構造をすべてつくり上げました。

わたしたちは、行き当たりばったりだったわけではありません。わたしたちは、この言語がこのようになっている意味、動機をすべてもった、ある種の“聖書”を書いたのです。劇中で言及されることはないのですが、わたしたちは処理不可能な〈言語A〉と、解明できる〈言語B〉とを考案しました。

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最終更新:10/11(火) 12:04

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