ここから本文です

海外で見る日本の若者 --- 岡本 裕明

アゴラ 10/11(火) 16:30配信

カナダでレンタカーのビジネスをやっているといろいろな客に接することになります。国籍、レンタカーの目的などそれこそ人間模様の縮図を垣間見ることも可能です。ホテル業や航空業界も同様のことがいえるかと思います。例えば、飛行機を降りるとき、周りの席を見ることは多いと思いますが、意外と汚いものです。ゴミ、新聞に毛布まで散らかっていると、その人の家での生活が飛行機に座った後だけでも大体想像がついてしまいます。

では私のレンタカービジネスを通じた最近の日本人の様子です。

正直申し上げると私の知る限りでは一番厄介なのが日本人のお客様です。ゴミを残し、食べ物の袋は散乱し、ドライブしながら食べたであろうお菓子のカスは座席や足元に散らかっています。何故だろうと思うのですが、運転しながらモノを食べ、飲む人は日本人に多い傾向があるように思えます。多分、ローカルの人は車を移動の手段と捉えているのに対して、日本の方は車の空間を食べ物、飲み物を媒介にして楽しんでいる、ということなのかもしれません。もちろん、車を掃除するのは我々の仕事。ですので喜んできれいにするのですが、ほかの国の方々は割ときれいな状態で返却されるのが私の実感です。

本当の問題点は若い日本人のお客様の無謀振りであります。

タイヤをバーストさせて予備のタイヤを付けて戻してきたあるお客様の車からは異音が。出入り業者に持っていくともう一つのタイヤも空気が入っているのが不思議なほど傷だらけでタイヤは使用不能。そして車の底をみると明白に何かにぶつけています。しかしながら借りた人からは何ら申告なく、知らんぷり。

別のケースです。このお客様は車を返却された際に「突然、車から異音がするようになった」と自己申告。業者に見せるとこれも車の底を強打し部品が脱落しかかっています。その修理をしてしばらくしてからハッと気が付いたのは後輪の二つのタイヤが新品の中国製にすり替わっています。バックでなにかに乗り上げ、両方バーストさせたのでシラッと直して知らないふりをしたのでしょう。

スピード違反で車を7日間取り上げれらたケースもあります。46キロオーバーした彼が初めに発した言葉は「この車、166キロも出るのでしょうか?」。没収されたのはバンクーバーから300キロも離れた小さな街。車の回収は車の所有者しかできないので私がグレーハウンドの長距離バスに乗りクルマ回収させられました。その間、詫びの言葉は一切なし。

「あっ、おばさん、車ある?」ある若者が車を借りに来た際の言葉です。「前、おっさんから借りたんだよな。」というその相手は私です。言葉遣いの低レベルさは天下一品であります。

こういう話が延々と続くので正直、萎えてしまうこともしばしばです。

では韓国人や中国人はどうか、といえばローカルカナダ人並みにまともです。近辺に韓国人コミュニティもあるので若い人たちが借りに来ますが、まず、車の運転がきちんとできます。徴兵の良さでしょうか?態度もしっかりしているしルールはきちんと守ります。では中国人。当地に居住している人は金持ちが多いこともあり、お金のことを問わず、一番良いクルマを3日、5日と借りていき、走行距離もわずかなものが多いです。

走行距離といえば当社は距離無制限なので若い日本人がバンクーバーからカナディアンロッキーまで土日で行くケースもたまに見かけます。二日で2000キロ近く走られるとゲッと思います。そんな中、「1週間借りたいのですが」という問い合わせに「どこまで行くのですか」と聞けば、オーロラで有名なイエローナイフ。道中寝袋車中泊で行く計画だったようです。往復6000キロあると思いますが、丁重にお断りさせていただきました。クルマも痛みますが、それより事故リスクが高すぎます。

日本人は中韓に比べて優秀である、という自負はわかります。私もそう信じていますが、いざ、ビジネスを通じて直接比較すると思わず、うーんと唸ってしまいます。

なぜこうなったのか、ですが、最近の日本の若者のレベルの低さにかつて私がアメリカで感じたことと同じ現象が起きてやしないか、という気がします。私の知るアメリカは一部の優秀な人材とまともそうに見える中流層とその子供たちであります。その子弟達があほらしいことをやりつくすのは私が通算半年ぐらい東海岸でホームスティした際、様々な付き合いを通じて思ったアメリカの若者の印象。そのDNAを日本の若者が今、引き継いではないでしょうか?

これは親に原因があると思います。当時のアメリカは世界の中心であり、親に自負がありました。経済的にも恵まれ、無限の可能性がありました。しかしながら家庭不和も多く、子供は勝手に大きくなっていったケースも多かったのではないでしょうか?

時代をスライドさせて日本の若者に合わせると大体これは一致します。つまり、日本が経済躍進を謳歌した時代の子供たちは家庭内教育が十分ではなく、結果として子供が世の中の常識を学んでおらず、学校にその責任を押し付け、モンスター化し、クレーマーの親を見てきた子供たちは何を学んだのでしょうか?

私が杞憂するのはこれでは海外における日本のレピュテーションが下がりやしないか、ということであります。ホームレスと仲良く会話して事件に巻き込まれるという話を聞いてカナダ人はどう思うでしょうか?事件としては悲しいですが、一方で情けない気がします。

ルーザーという言葉があります。人生の敗北者という意味です。私が25年、カナダにいる間に数多くの日本人の国際結婚や恋愛を見てきました。しかし、その中にカナダ人のルーザーを相手にするケースをしばしば見かけます。そしてその多くは割とすぐに関係が破たんしています。当たり前です。

日本人はもっとレベルが高かったのではないでしょうか?学力もあり、世界からもリスペクトされているはずではなかったでしょうか?私が長年の経験とビジネスを通じてみている限り、今のままではこれを維持できないかもしれないと不安感がよぎります。

では今日はこのぐらいで。

岡本裕明 ブログ 外から見る日本、見られる日本人(http://blog.livedoor.jp/fromvancouver/) 10月10日付より

岡本 裕明

最終更新:10/11(火) 16:30

アゴラ

記事提供社からのご案内(外部サイト)

アゴラ-言論プラットフォーム

アゴラ研究所

毎日更新

無料

経済、ビジネス、情報通信、メディアなどをテーマに、専門家が実名で発言することで政策担当者、ジャーナリスト、一般市民との交流をはかる言論プラットフォーム