ここから本文です

“カープ坊主”たちがCS突破祈願!「カープ愛は煩悩? 野球観戦も修行?」

週プレNEWS 10/11(火) 11:00配信

CSが開幕して広島の街はカープ一色ーー会員数130名を誇る日本最大(推定)の“野球坊主組織”は、現状をどう見ているのか? 

そこで、発売中の『週刊プレイボーイ』43号では含蓄(がんちく)とカープ愛に満ちた、ありがたすぎる座談会を開催!

広島東洋カープが25年ぶりのリーグ優勝を決めた、ある秋の日。広島の戦後復興の象徴・平和記念公園から程近い浄土真宗本願寺派・善福寺の本堂に“カープ坊主”を名乗る6人(廣瀬氏、藤氏、龍永氏、登世岡氏、和田氏、鈴木氏)の僧侶が集結、静寂の中、奇妙な会合が厳(おごそ)かに始まった…。

■「カープ応援」を仏教的に解釈すると?

藤 お集まりいただき、誠にありがとうございます。25年ぶりの優勝もあり、昨年発足した「カープ坊主の会」も遠くは北海道からハワイまで、130名の会員さまを数えるまでになりました。

登世岡 フェイスブックで会の立ち上げを告知した際、すぐに50~60人の僧侶が集まり、その後も口コミだけでこんなに反響をいただくとは本当に驚きでした。

龍永 多くのカープファンの僧侶が次々と宗派を超え、県境を越え、入会してくださっています。流行の“神ってる”ではないですが……やはり“仏(ぶつ)って”ますね。

鈴木 私は広島ではシェアの少ない曹洞(そうとう)宗ですが、カープ坊主と聞いて入らない選択はありませんでした。今年の優勝は黒田博樹投手と新井貴浩選手という、背中で語る“悟ってる”ベテランふたりのおかげです。

廣瀬 私も宗派は違えど、(1957年に)市民球場ができる前の県営球場の頃からカープを見てきよったけぇ、どうしても入らせてもらおうと。うちの寺はもともと、今の平和記念公園の資料館の辺りにあって、敷地内に広島商業高校があった。今じゃカープの応援歌として有名な『宮島さん』も、元は広商の応援歌。寺の敷地内の大きな池に宮島さんを祀(まつ)っていたからだそうですよ。昔は神仏どちらも祀っとったからね。

和田 ……すごいですね。私は一番ファン歴が浅く、20年前に寺を継ぐために広島に来た当初はカープファンではありませんでした。でも、檀家(だんか)さんはみんなカープファンで、カープのことを知らないと話にならない。だから最初は“ビジネスカープファン”だったんですが、そこから市民球場に通ううちにのめり込んでしまいました。年に数回、檀家さん約50人と合同観戦会をやっています。

龍永 私らも僧侶であるがゆえに、カープが負けても心の平穏を保っていると思われがちですが…。

登世岡 そこらのもんを投げたり、ぶっ壊したりして、平穏を保っております。

藤 「何しとるんじゃ」と、罵詈雑言(ばりぞうごん)も吐きます。

登世岡 仏様の教えからすれば、本当は癇癪(かんしゃく)を起こして怒ることはいけん。そもそもカープを応援することも、ほかのチームの負けを願うことで、大きな過ちです。しかし、われわれは煩悩まみれの人間です。それを消すために修行するという発想もありますが、真宗では煩悩は「どうしても消えない、生涯付き合っていかねばならない」もの。煩悩がなくならない私だからこそ、仏様の救いの対象であるという発想なんです。

藤 都合のいいように解釈すれば、カープが負けて腹も立つし、悪口も言う。そういうことを包み隠さず、全部脱ぎ捨てて裸になったときに、人間は「こりゃ、煩悩とはどうしてもとれんもんじゃ」と感じるわけです。煩悩は煩悩のままに。特に本願寺派はそういうことを大事にしておりますね。

廣瀬 浄土宗も似たような考え方はあるよ。

和田 大谷派も兄弟みたいなものですからね。ただ、うちは法衣に関しては厳しいので、カープ坊主のロゴが入った輪袈裟(わげさ・首にかける袈裟)を作ったらこっぴどく怒られました。

鈴木 曹洞宗は日常のあらゆることが修行と考えます。寝ることも修行。風呂に入るのも修行。カープの負け試合、スポーツニュースを見ることも修行です。伝聞に惑わされず、日々、カープに関するありとあらゆることを修行しております。もちろん、スクワット応援も。

登世岡 それでも、またすぐに優勝するだろうと思っとったのに、いつの間にやら25年。カープファンに会えば、球場が悪い、オーナーが悪い、選手が悪い…と愚痴ばかりでした。僧侶というものは因果の道理をわきまえ、正しい道へ行かねばならぬものですが、私は92年に結婚してから優勝していない。

もしかしてこれか、と毎年のように妻と膝を合わせ、「今年は離婚してみようか」などと、縁もゆかりもないことにまで原因を求めようとする心の弱さ。この25年の間につくづく思い知らされました。

龍永 離婚しないで本当によかったですね。

◆この続きは『週刊プレイボーイ』43号(10月8日発売)「掟破りのカープ坊主座談会」にてお読みいただけます!

●浄土宗西山深草派 誓願寺住職 廣瀬隆慶(ひろせ・りゅうけい)
今回最年長の昭和22年生まれ。県営球場時代からカープを見守る。東京の大学に通う頃は近所が巨人ファンだらけで辟易。広島商業も熱烈に応援

●浄土真宗本願寺派 善福寺住職 藤哲哉(ふじ・てつや)
カープ坊主の会代表。2014年のオフ、黒田・新井の復帰を機にカープ坊主の会を立ち上げた。好きな選手は“炎のストッパー”こと故・津田恒実

●浄土真宗本願寺派 永照寺住職 龍永和成(たつなが・かずなり)
カープ坊主の会事務局。大学の2学年後輩に梵英心の兄・大英氏がいる。野球ひと筋だった英心が最近、SNSで「合掌」と書くのがうれしい

●浄土真宗本願寺派 安楽寺住職 登世岡浩雄(とよおか・ひろお)
カープ坊主のデザイン担当でセイバーメトリクスも駆使。祖父の遺言でカープを助けたマツダ車に乗る。親鸞聖人の次に尊敬するのが山本浩二

●真宗大谷派 超覚寺住職 和田隆恩(わだ・りゅうおん)
寺を継ぐため県外から広島に。球場好きで、グッズにもこだわりカープ坊主の輪袈裟を作る。身長・体重が同じ新井貴浩が好き。乃木坂46も好き

●曹洞宗 傳福寺副住職 鈴木弘道(すずき・こうどう)
山口県出身も兄の影響で幼少期から熱烈なカープファン。結婚して本場・広島に。母校・駒澤大学のOBである梵、新井貴浩が好き

(取材・文/村瀬秀信 撮影/西田泰輔)

最終更新:10/11(火) 11:00

週プレNEWS

記事提供社からのご案内(外部サイト)

週刊プレイボーイ

集英社

No.51
12月5日(月)発売

特別定価470円(税込)

トランプが仕掛ける新条約が鬼すぎ!/アス
トンマーティンCEOを独占直撃!/スマホ
3大キャリアを卒業しよう【グラビア】馬場
ふみか/鈴木ふみ奈/松本愛/三城千咲 他

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

北朝鮮からの脱出
北朝鮮での幼少時代、『ここは地球上最高の国』と信じていたイ・ヒョンソだったが、90年代の大飢饉に接してその考えに疑問を抱き始める。14歳で脱北、その後中国で素性を隠しながらの生活が始まる。 これは、必死で毎日を生き延びてきた彼女の悲惨な日々とその先に見えた希望の物語。そして、北朝鮮から遠く離れても、なお常に危険に脅かされ続ける同朋達への力強いメッセージが込められている。