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「音声認識家電」は日本でもブレイクできるか

東洋経済オンライン 10/11(火) 6:00配信

 「シャッター閉めて」「テレビをつけて」「飛べ、鬼奴! (笑)」。SMAPの木村拓哉さんがスマートフォンに声をかけて家電を操作し、お笑い芸人の椿鬼奴さんと笑い合う。そんなテレビCM(タマホーム)が放映されたのは2013年のことだった。

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 あれから3年以上が経過したが、まだ、日本で音声による機器の操作が普及したとは言いがたい。しかし、ここにきて国内メーカー各社は相次いで音声で操作する家電を発表している。

■国内メーカーがそろい踏み

 ソニーは11月18日、耳に装着する音声操作デバイス「Xperia Ear」(市場推定価格2万円前後)を発売する。受信したSMSやLINEメッセージの読み上げや音声による返信、電話発信やウィキペディアの検索が可能だ。

 シャープも据え置き型音声操作デバイス「ホームアシスタント」(価格は2~5万円程度)を開発中であることを発表した。これによって、エアコンやテレビ、照明など家庭内の機器を音声で操作できるようになるといい、2017年前半の発売を目指している。

 パナソニックもハードウェアベンチャー・Cerevo(セレボ)と組み、音声から赤ちゃんの感情を認識するデバイス「リスナー」(税抜1万6900円)を共同開発した(発売元はCerevo、2016年1月に発売済み)。

国内3社はアマゾンを追う

 ただ、狙うユーザーは三者三様だ。ソニーのターゲットは新しいものを進んで取り入れる「アーリーアダプター」だ。流行に敏感でITリテラシーが高く、ガジェット好きな人々を想定し、小さくシンプルな“ソニーらしい”商品に仕上げている。

 一方、シャープのホームアシスタントはその真逆を行く。「ITリテラシーのない人でも家電のように使える製品を目指した」(開発を担当したシャープの竹内正樹チームリーダー)というように、使いやすさを重視し、外見も「愛着が湧くような、皆さんに受け入れられるフォルムにしている」(竹内氏)。

 やや冷静なのはパナソニック。「リスナー」開発では音声認識技術を提供したが、製造・販売はベンチャーに任せており、新市場は様子見といったところ。「音声入力はオールマイティではないため、使う環境を見極めることが大事。お年寄りの暮らしや外国人観光客の言語を認識するといった場面では有効かもしれない。基本的には法人向けで展開していく」(津賀一宏社長)考えだ。

■音声認識の最先端を行くアマゾンがお手本

 日本の家電大手がこぞって音声認識家電の開発に乗り出した背景には、米アマゾンが発売した「アマゾン エコー」の爆発的なヒットがある。

 エコーは2014年11月に発売されたが、2016年3月時点で累計販売台数は400万台を突破した(米ベンチャーキャピタル・KPCB調べ)。エコーは円筒型のマイク搭載スピーカーで、iPhoneの「siri」やアンドロイド端末の音声認識機能のように、アマゾン独自のAI(人工知能)「Alexa(アレクサ)」とつながる。

 ヒットの理由は提携パートナーの多さだ。世界最大の音楽定額聴き放題サービス「Spotify(スポティファイ)」や、配車サービス「Uber(ウーバー)」、ドミノピザの宅配サービス、フィリップスのスマート照明がエコーの音声認識に対応している。このため、「オバマ大統領のプレイリストを再生して」「ウーバーを1台呼んで」といった呼びかけに対処できる。

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最終更新:10/11(火) 6:00

東洋経済オンライン

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