ここから本文です

「手負いのラッキーボーイ」今宮健太がCSファイナルで波乱を起こす

webスポルティーバ 10/12(水) 14:40配信

 短期決戦を勝つチームには必ずラッキーボーイが現れる。パ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージを2連勝で突破したソフトバンクでひときわ輝きを放ったのが今宮健太だった。

【写真】日本シリーズ連覇を達成した福岡ソフトバンクホークス、三連覇に向けてCSに挑む

 10月8日の第1戦では、2対2の同点の8回裏1アウト満塁で決勝2点タイムリーをレフトに運ぶと、翌9日の第2戦でも8回に訪れた満塁機で貴重な2点タイムリーを放った。

 ツイてる選手には絶好の打球も飛んでくる。第2戦の初回だ。先発のバンデンハークがロッテ清田育宏にまさかの2試合連続先頭打者アーチを食らうと、さらに二塁打と四球でメロメロ状態。無死一、二塁となり前日に2本塁打を放っているロッテの4番・デスパイネを迎えた。

 まさに勝負の分かれ目となった場面だ。ソフトバンクとしては追加点を奪われれば、相当苦しい展開になるところだった。だが、デスパイネの打球は詰まったショートゴロ。今宮は落ち着いてグラブを出してセカンドに送球。そしてファーストへと転送され、「6-4-3」のダブルプレーが決まった。初回を1失点にしのいだことで流れはソフトバンクへ傾いた。

 工藤公康監督は「前の日も初回の先頭弾から逆転したから、今日も行けると思った」と試合後にうそぶいてみせた。また、今宮からも「ほんとラッキーボーイでした。でも、それが短期決戦の強みになりますから」と自画自賛の言葉が飛び出すほどだった。

 札幌行きのキップをつかむ立役者となった今宮だが、じつはギリギリのところでの強行出場だった。

 シーズン終盤、慢性的に痛みを抱えていた右ヒジがついに悲鳴を上げた。9月27日のロッテ戦(QVCマリン)の試合前には、チームを離れて福岡に戻るほどだった。当時の状態をチームトレーナーが説明する。

「その日、痛みが急激に強まって右ヒジがロックした状態になってしまった。伸びないし、曲がらない。いわゆる”ネズミ”というやつですが、今回の場合は炎症がひどくなってしまったのでしょう」

 こうした場合、ロックがかかってしまうと、ほとんどはそのまま痛みは引かずに手術に至るという。今宮はまさにそれだった。

「オレ、出られるんかな……」

 CS欠場も何度も頭をよぎった。何とかグラウンドに戻ってきた今宮を見たそのトレーナーは「本人の懸命な治療とケアもありますが、ある意味、奇跡的でしたよ」と安堵の表情でそう話した。

 グラウンドに立ち続ける使命感は人一倍強い。ショートを守っている。それが大きい。

「年齢は若くとも、ショートは内野のリーダー。だから僕はチームを引っ張っていく立場だと思っています」

 さらに今宮の気持ちを奮い立たせたのは、9月28日の悔しさだ。リーグ3連覇を逃した夜、ひとりでその瞬間を知った。

「これまで優勝や日本一の瞬間に立ち会うことができた喜びもあったけど、V逸のときにその場にいられなかったことの方が、自分のなかでは大きかった。本当にショックでした。シーズンの最後までグラウンドに立てなかったことも……」

1/2ページ

最終更新:10/12(水) 16:23

webスポルティーバ

記事提供社からのご案内(外部サイト)

Sportiva

集英社

Sportivaムック
11月10日発売

定価 本体1,389円+税

フィギュアスケート特集
『羽生結弦 未来を創る人』
■羽生結弦 インタビュー、エッセイ
■羽生結弦 フォトギャラリー

Yahoo!ニュースからのお知らせ

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

北朝鮮からの脱出
北朝鮮での幼少時代、『ここは地球上最高の国』と信じていたイ・ヒョンソだったが、90年代の大飢饉に接してその考えに疑問を抱き始める。14歳で脱北、その後中国で素性を隠しながらの生活が始まる。 これは、必死で毎日を生き延びてきた彼女の悲惨な日々とその先に見えた希望の物語。そして、北朝鮮から遠く離れても、なお常に危険に脅かされ続ける同朋達への力強いメッセージが込められている。