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糖尿病患者をもっと自由にする「人工膵臓」──米FDA認可

WIRED.jp 10/12(水) 11:10配信

米メドトロニックは、人工膵臓「MiniMed 670G」に対する米食品医薬品局(FDA:Food and Drug Administration)の認可を獲得した。これは、血液中のグルコースを自動で測定して1型糖尿病の患者に適切な量のインスリンを供給する最初の機器だ。認可は14歳以上の患者向けと指定されているが、時期そのものについては予想されていたよりも早く下りた(2017年春以降に販売・利用可能となるはずだった)。

「このデヴァイスは1型糖尿病患者に対し、より多くの自由を与えます。常に手動でグルコースの基本レヴェルを測定してインスリンを投与するなどということなく、人生を送れるのです」。FDA医療機器部門ディレクター、ジェフリー・シューレンはそうコメントした。

Mini Med 670gは「閉ループ・ハイブリッドシステム」だ。5分ごとに自動でグルコースのレヴェルを測定してくれるので、患者に残されているのは食事の間のインスリンの管理のみだ。デヴァイスそのものは、皮膚下で血糖値を測定する針を備えたミニセンサーと、腹部においてホルモン(インスリン)を放出するカテーテルとつながるインスリンポンプで構成されている。

「糖尿病の治療を改善するべく、FDAはその開発の初期段階からメドトロニックとコミュニケーションをとってきました。1型糖尿病にかかった人々が可能なかぎり早くこのテクノロジーを利用できるようにするためです」と、FDA医療機器・放射線保健センターの体外診断・放射線保健オフィスディレクターのアルベルト・グティエレスは説明する。

「わたしたちは、企業が当局と緊密に連絡を取って仕事を進めるよう奨励しています。FDAの評価と、その後、新しい装置に承認を下す過程を加速させるためです。このことは多くの患者たちとって大きな違いを生むことでしょう」

FDAは、MiniMed 670gの臨床研究のデータを詳細に評価して、決定を下した。このデータには123人の糖尿病の被験者が含まれていた。

最初の2週間はこのシステムは用いられず、続けて3カ月の間、被験者は可能なかぎり頻繁にこのシステムを利用するようにした。結果は、この装置が14歳以上の人々において安全で効果的であることを示し、重い副作用がないことも明らかにした。デヴァイス使用に関するリスクとしては、低血糖症や浸透パッチ周辺の皮膚の過敏症、炎症が想定されている。

いま、FDAは、このデヴァイスが実際に安全であることを解明すべく「発売後研究」を要請している。また、このデヴァイスは現在、14歳以上で1型糖尿病の人々に対して認可されているが、メドトロニックは7~13歳の糖尿病の子どもの安全性とその効果を評価すべく、臨床研究をすでに行っている。

MARTA MUSSO

最終更新:10/12(水) 12:33

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