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高速炉開発の意義を原点に戻って考えよう --- GEPR

アゴラ 10/12(水) 16:55配信

早野睦彦

原子力学界シニアネットワーク(SNW)代表幹事 高速炉研究者(もんじゅ開発にかかわる)

(GEPR編集部より)GEPRはさまざまな立場の意見を集めています。もんじゅを肯定的に見る意見ですが、参考として掲載します。

(GEPR版(http://www.gepr.org/ja/contents/20161005%E2%88%9201/))

もんじゅの存在意義の問いかけ

「政府はもんじゅ廃炉も視野に検討中」「もんじゅを国費で追加負担してまで再稼働する意義があるのか」という意見が各メディアで掲載されています。

報道によれば、もんじゅを再稼働する場合5000億-6000億円の国費の追加負担が必要となる、今まででも1兆円以上の国費が投じられていながらほとんど稼働実績が得られていないため、政府は菅義偉官房長官の下で廃炉することも視野に入れてもんじゅの今後を検討している、と報じています。しかし、一方で廃炉にする場合も30年で約3000億円必要だとの試算があるとも報じています。

そしてこれらを受けて、もんじゅの再稼働の意義はどこにあるのか、プルサーマル(プルトニウムを使った既存の軽水炉での発電)を実施するならもんじゅの必要性は薄くなるのではないか、と問いかけています。

日本の国柄を考えよう

エネルギーは水や食料と並び国の安定と安全、国民生活、経済を支える基盤として、長期持続的な供給は国家の重要課題です。東電福島第一の事故を受けて、エネルギー政策は大きな方向転換を余儀なくされました。技術の至らなさが招いたものだけに、技術立国日本の屋台骨が揺らいだのは事実です。しかし、このような中にあっても何故、もんじゅの再生が必要なのでしょうか。日本のエネルギー自給率は約6%で食料自給率約39%(2013年)よりさらに低く、エネルギー資源である石油や石炭、天然ガスはほとんどを海外からの輸入に頼っています。これはOECD加盟国34カ国の中でもルクセンブルグについで2番目に低い水準です。生き残るために最低限必要なものについて手段を尽くして守ることが安全保障ということで、エネルギー安全保障は国の死活に関わる最重要政策です。

先の大戦はABCD包囲網(アメリカ合衆国(America)、イギリス(Britain)、中華民国(China)、オランダ(Dutch)の貿易封鎖)による日本へのエネルギーの途絶が開戦の原因の一つとなりました。このようにエネルギー争奪が古今の戦争の原因になる例は枚挙に暇がありません。しかし一方で原子力に頼らなくても自然エネルギーがあるではないか、この技術をもっと発展させるべきではないかとの意見があります。

自然エネルギーの効用を認めるのにやぶさかではありません。特に系統電力の届きにくいニッチの分野できめ細かく使用すれば、追随を許さない威力を発揮できるでしょう。しかし自然エネルギーが不安定電源であることから電力供給に占める割合が一定量を超えると、電源安定化に必要なコストがかさみ、環境への負荷も急激に増え始めます。海外では環境主義者の中にも、同じようなこと考えている人が大勢います。ビルゲイツ氏もその一人で新たな原子力技術開発に挑戦しています。原子力を拒否して自然エネルギーのみにするという選択は、現実的でないのです。

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最終更新:10/12(水) 16:55

アゴラ

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