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真田“幸村”爆誕! そしてウザかったきり(長澤まさみ)がついに正ヒロインに!? 中間管理職・片桐且元(小林隆)も光った『真田丸』第40話「幸村」レビュー!!

おたぽる 10/12(水) 20:02配信

 苦悩する信繁が大坂城入城を決意する過程を、たっぷり回想を交えながら描きつつ、情けなく頼りない片桐且元(小林隆)で笑わせ、徳川家の離間策の妙味を楽しめる……と今回も大変面白かった大河ドラマ『真田丸』(NHK)。第40話「幸村」をレビュー!

 貧しいながらも、家族ともに暮らせる九度山での生活を楽しんでいた信繁(堺雅人)のもとへ、宇喜多秀家の家臣だった明石全登(小林顕作)が訪ねてくる。全登は大坂城で徳川家康(内野聖陽)を相手に戦ってもらいたいと信繁に懇願する。信繁は断るが、そこへ片桐且元も現れ、豊臣秀頼(中川大志)と茶々(竹内結子)が苦境に立たされていることを訴える。

 悩む信繁を叱咤するきり。やがて大きな決断を下した信繁は、息子の大助(浦上晟周)を呼び、くじを引けと迫る――といったストーリーが展開された「幸村」。なお視聴率は15.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。裏の『世界の果てまでイッテQ!  秋の2時間SP」』(日本テレビ系)が面白かったからしょうがない。大車輪、すごかったし。

 最大の見どころは、やはりウザい系ヒロイン・きりの大活躍~信繁改名の流れであるのは間違いない。だが、そこに至るまでの流れも充分面白かった。特にこれまでシリアスになりがちな物語の中で、お笑い要素を挟み込んできた片桐且元が今回は大活躍。中盤はしゃべりっ放しで、徳川家と豊臣家が開戦に至るまでの流れを分かりやすく、面白く解説してくれた。

“国家安康”“君臣豊楽”で知られる方広寺の鐘銘を巡って、右往左往する様子には「片桐さんの胃がマッハ過ぎる環境w」「何か大坂の陣の原因が全て片桐且元のせいになっててワロタw」「あまりにも可哀想すぎるw」と、ネット上のファンも大喜び。

 世に名高い“七本槍”の一人でありながらパッとしないとか、豊臣家を裏切ったとか、歴史小説などではあまりいい扱いを受けてこなかった片桐且元に、これほどフォーカスしたドラマも珍しい。この40話の放送にあわせて、『真田丸』公式サイトでは小林隆インタビューが掲載されているので、あわせてチェックしてみよう。ドラマ『古畑任三郎』シリーズの向島音吉役や、大河ドラマ『新選組!』の井上源三郎役など、過去の三谷作品で重要な役どころを担ってきた実力は本物なのだと感心できるぞ。

 さて、終盤に差し掛かり、存在感を増大させていた長澤・きりがここにきて大活躍。家族のことを考えて、大坂城入城をためらっていた主人公の背中を押す――まさに正ヒロインに相応しい活躍ぶりであった。ただ、史実を知っていると、きりが信繁を死地へ向かわせているようにも見えてしまうというファンの声もネット上では見受けられた。この辺の気持ちをどう整理するのか、整理を促すような演出は今後あるのだろうか?

 きりに叱咤された信繁は、過去の出来事を思い返しながら、九度山での家族と暮らすことをとるか、大坂城入城をとるかで思い悩む。ここで『真田丸』では珍しい、長めの回想シーンが入る。豊臣秀吉(小日向文世)、石田三成(山本耕史)、大谷吉継(片岡愛之助)、そして父上・昌幸(草刈正雄)と、すでに亡くなってしまった名武将・名優たちの登場がグッとくる。特に枕元に置かれた呼び鈴をいじり、「秀頼のこと、頼む」といい続ける最晩年の秀吉の描写は厳しい。これは裏切ってはならぬと思ってしまうのも無理はないだろう。

 ラストは親子2人して作ったクジを息子・大助に引かせ、信繁は“幸村”と改名すると、親子の絆を感じさせるエピソードで締めた第40話「幸村」。昌幸も大事な場面になると、信之&幸村にクジを引かせていたという設定が効いてくる、素敵な改名エピソードであったと思う。次回からはいよいよ、最終章。怒涛の展開に期待したい。
(文・馬場ゆうすけ)

最終更新:10/12(水) 20:02

おたぽる