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痛恨のPK献上に原口は悔し涙で自責 「僕のせい。僕が止まるしかなかった…」

Football ZONE web 10/12(水) 9:00配信

3試合連続ゴールも、悪夢は後半6分に待っていた

 試合終了のホイッスルが鳴ると、日本代表FW原口元気(ヘルタ)はベンチ横で目を閉じて天を仰ぎ、そしてうつむいた。目に悔し涙を浮かべてベンチに座り込み、立ち上がれない原口にバヒド・ハリルホジッチ監督が歩み寄り、手を置いて言葉を掛けると、ようやく少し気を取り直せたようだった。

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 11日にロシア・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選の敵地オーストラリアに臨み、原口は左サイドのアタッカーとしてW杯最終予選3戦連続のスタメンを勝ち取った。そして前半5分、自身のパスカットからショートカウンターを繰り出し、FW本田圭佑(ACミラン)との鮮やかな連携から左足でゴールを奪った。自身、最終予選3戦連続ゴールは、日本の勝ち点3獲得に向けて大きな一歩になるはずだった。

 しかし、悪夢は後半6分に待っていた。オーストラリアの左サイドから入ったクロスがファーサイドに流れると、全力で戻ってきた原口は相手FWトミ・ユリッチと接触。PKの判定を受けてしまった。

「止まれなかった――」

 原口はこのプレーを無念そうにつぶやいた。

「あれはPKだと思いますし、僕が止まれなかった。危ないと思って戻ったんですけど、結果的に……。僕のせいかなと思います。僕が、何とか止まるしかなかった。今日のジャッジ的に、並行で横からぶつかってもファウルになることが多かったので、なおさら気を付けなくてはいけなかった」

「クオリティー不足」と自責の念

 ハリル監督が激怒したバーレーン人レフェリーによるPK判定だったが、原口は判定を受け入れて自分の責任だと受け止めていた。与えられた守備のタスクをこなしつつ、攻撃でも結果を出していただけに、なおさら悔恨の念が強く残った。

 そして、原口は「クオリティー不足」と自責の念に苛まれている。

「オーストラリアはブンデスでやっているよりも遅かったし、自分のプレーを出せたと思う。ミスと、2点目を取りに行くクオリティーが足りなかった。僕らがボールを持って、彼らが引くよりも効率よく攻撃ができたし、2点目を取れば決まっていた。そこが決められず、僕にもクオリティーが足りなくて悔しい。もう一度ヘルタに帰って、もっとクオリティーを上げるしかない。1点を取った後に、2試合(イラク戦とオーストラリア戦)とも仕事をできる場面があった。そこで1つしか仕事ができなかったのがもったいないというか、クオリティーが足りない」

 9月6日のタイ戦、10月6日のイラク戦、この日のオーストラリア戦と、先制ゴールを自身の手でもたらしたのは3試合連続だった。それでも、さらに2点目を奪って勝利を決定づける存在になることを自身に強く求め、飽くなき向上心を示している。

思いの力をプレーにつなげてきた

 原口は、2014年6月まで所属していた浦和レッズ時代から勝っても負けても涙を流すことが多かった。負けず嫌いで知られる男は、それだけ自身の感情を込めてゲームに臨み、その思いの力をプレーにつなげてきた。だからこそ、ドイツに渡って2年以上が経って臨んだこのゲームでも、悔し涙が溢れた。

 その涙を、今度は嬉し涙に変えるため――。今や、ハリルジャパンのエースとも言える存在にのし上がってきた25歳は、ドイツに戻り自らの力を高めることを誓っている。

フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web

最終更新:10/12(水) 9:00

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