ここから本文です

【藤田俊哉の目】本来なら起用すべきではなかった本田&香川。それでも大一番で先発した意味とは

SOCCER DIGEST Web 10/12(水) 19:59配信

ハリルホジッチが見せた強烈なリアリストの一面。

 ロシア・ワールドカップのアジア最終予選、第4戦のオーストラリア戦は1対1のドローに終わった。いろんな批判があるけれど、アウェーの地でしかもグループ最強のライバルと目されていたオーストラリアと戦って、勝点1を取れたのだから、最低限のノルマはクリアしたと見ていいんじゃないかな。
 
 もちろん理想を言えば、日本にはつねにアジア王者らしい戦いを見せてほしいという考えもある。オーストラリア相手とはいえ、もっと攻撃的に戦ってほしかったし、ボール支配率33パーセントという数字も決して満足できるものではない。
 
 ただ、現実的に考えれば、ハリルホジッチ監督が選択した守備的な戦い方には納得がいく。首位のオーストラリアに対して、怪我人が多くコンディション的に問題を抱えていたチーム事情を踏まえれば、真っ向勝負を挑むのはなかなかのリスクが伴う選択だったはずだ。
 
 そのオーストラリア戦で、日本はじつにアウェーらしい慎重な試合運びを見せていた。チャンスらしいチャンスも少なかったけれど、ピンチらしいピンチもなかったのは、裏返せば、慎重な試合運びを見せていた証拠である。守備的な布陣を敷いたうえ、最後の交代カードも、オーストラリアの強みであるセットプレーの得点力を封じ込むために、高さのあるセンターバックの丸山をピッチに送り込む徹底ぶりだった。ハリルホジッチ監督の強烈なリアリストの一面を垣間見た気がする。
 

【豪州 1-1 日本|PHOTOギャラリー】原口の3戦連発弾で先制するもPKで悔しい引き分け…

監督のファーストチョイスの中に原口も入りつつある。

 その一方で、“本田1トップ”というぶっつけ本番の戦術をチョイスする大胆さにも驚かされた。ただ、これも冷静に考えれば、岡崎の代役はほかに誰が見当たるのか。守備的に戦うのであれば、屈強なオーストラリアのディフェンス陣と対峙できるフィジカルを持ち合わせ、前線でタメが作れる選手が必要だったのも理解できる。
 
 違った戦い方を求めるならば話は別だが、岡崎が離脱したなかで、そうしたプレーヤーが本田以外に見当たらないというのが現実だったと思う。浅野や小林悠は、中央で身体を張ってボールキープするポストタイプではない。
 
 結果的に、本田のスルーパスから原口の先制ゴールが生まれたわけだから、その采配は的中したと言える。誤算だったのは、本田のコンディションが予想以上に悪かったこと、そして香川が守備的な戦いのなかで存在感を発揮できなかったこと。守備を固めてチャンスを見出そうとしていた日本にとって、前線で縦のラインを形成していた本田と香川がいつも通りの活躍ができていれば、ポゼッション率を含め、結果も違っていたものになっていたはずだ。
 
 コンディションを重視した采配をするならば、本来、本田や香川は起用すべきではない。しかし、それでも大一番で、本田や香川はスタメンで出場している。それはなにを意味するのか。はっきり言えることは、本田や香川以上に、ハリルホジッチの信頼を勝ち得る選手が出てきていないことだ。
 
 攻撃陣で言えば、ハリルホジッチのファーストチョイスのグループのなかに、本田、香川、岡崎に続いて、原口が名乗りを挙げたのはポジティブな要素だろう。オーストラリア戦で失点に絡んだものの、彼に求められるべきは攻撃面での貢献度であって、守備面でのそれではない。失点に関与しただけで、3試合連続ゴールを奪ったという彼の貢献度が落ちるわけではない。原口はファーストグループに入りつつある存在だろう。

1/2ページ

最終更新:10/12(水) 19:59

SOCCER DIGEST Web

なぜ今? 首相主導の働き方改革