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北朝鮮国民は心の中で金政権を激しく憎んでいた

JBpress 10/12(水) 6:00配信

 北朝鮮国内で行われた世論調査の結果が、米国の民間研究機関から初めて公表された。

 小規模な調査ではあるが、実力行動までは至らずとも北朝鮮の国民が金正恩政権に激しい敵意を抱いていること、政権が国民の経済活動を弾圧することに最も強い反感を持っていることなどが明らかになった。

■ 北朝鮮の一般国民の意見を初めて聴取

 米国・ワシントンの複数の民間研究機関が結成した北朝鮮研究組織「境界線を越えて(BP)」は、同組織が北朝鮮国内で秘密裡に実施したという世論調査の結果を10月上旬に発表した。

 「境界線を越えて」はワシントンの戦略国際問題研究所(CSIS)や国際経済研究のピーターソン研究所、ブルッキングス研究所、アメリカン・エンタープライズ研究所などが集まって今年7月に結成した北朝鮮研究専門の合同調査班である。CSISの朝鮮部長のビクター・チャ氏やピーターソン研究所の朝鮮研究部長のマーカス・ノーランド氏が中心的役割を果たしている。

 今回の世論調査は、BPが独自のルートを使って北朝鮮内部で実施した。対象となったのは男20人、女16人の合計36人である。年齢は20歳から80歳までで、職業は工場労働者、主婦、料理人、医師など多岐にわたる。調査の場所も北朝鮮領内の南北合計9の地方自治体に及んだ。これまで北朝鮮の国民からの意見聴取は脱北者対象が圧倒的に多かった。ごく稀に国境地帯の自治体住民への聴取があったが、一般国民の意見が集められたことはほとんどない。

 BPは調査の手法は秘密としながらも、原則的に口頭で相手に直接質問して答えてもらう方法だったとしている。質問の主な内容は、政府への認識、生活の実態、苦情や不満などである。総人口2400万のうちたった36人しか対象にしていない調査なので、もちろん北朝鮮国民の民意を正しく反映しているとは言えない。だがBPは、この種の直接的な世論調査が初めて行われた点に意義がある、としている。

■ 国民は「社会主義パラダイス」に住んでいないと自覚

 BPの発表によると、今回の調査によって主に以下の事が明らかになったという。

 ・北朝鮮国民の大多数は自分たちが「社会主義パラダイス」に住んではいないことを熟知している。

 ・国民の大多数は自国の政権に激しい怒りや敵意を抱いている。だが、実力行使による政権打倒を現実的に考えるまでには至っていない。

 ・国民の大多数は、生きる手段として政府の食糧配給制度にはもはや依存していない。

 ・国民の大多数は、闇市場など非合法な経済活動を政府が弾圧、懲罰することに対して、最も強い反感を抱いている。

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最終更新:10/13(木) 8:15

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