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1車両に4口! 京急「コンセント電車」の全貌

東洋経済オンライン 10/12(水) 14:10配信

 京浜急行電鉄は10月11日、主力車両「新1000形ステンレス車」のマイナーチェンジ車を28両導入すると発表した。6両編成2本が11月から、8両編成2本が来年2月から運行開始する。

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 マイナーチェンジの最大のポイントは、各車両に電源コンセントが設置されることだ。最近では新幹線や特急列車にコンセントが設置されることが当たり前のようになってきた。通勤電車では西武鉄道が2017年春から、京王電鉄が2018年春からコンセント付き列車を走らせることを発表しているが、京急は一足早く実現する。誰もがスマートフォンを利用する時代になり、スマホの充電ニーズが高まっている。利用客には朗報といえそうだ。

■1両に4口のコンセント

 今回のマイナーチェンジ車両は、連結面車端部座席の片側を、従来のロングシートから4人掛けボックスシートに変更する。コンセントはボックスシートにある窓枠の下部に2口配置される。つまり、中間車両であればボックスシートが前後2つあるので、コンセントは計4口設置されることになる。

 今回、京急初のコンセント付き通勤列車を導入する理由について、京急の担当者は「輸送サービスに付加価値を付けることで沿線のお客様に満足していただきたい」と語る。だとすれば、1両につき最大4口というコンセントの数は少ないように思える。

既存の車両にも波及するか?

 コンセントの数を決めた理由は、「電源容量が足りないということではない」という。「さすがにロングシートの全席にコンセントを設置するということは考えていないが、ロングシートの場合、どこにコンセントを設置したらよいかがわからないということもあり、今回はボックスシートへの設置にとどめた」。

 ちなみに、西武と京王がコンセントを導入する車両は、ロングシートとクロスシートの両方に転換できる車両だ。西武、京王ともにクロスシートで使用する際にコンセントが利用できる仕組みとなっており、ロングシートの状態では利用できない。なお、西武は2席に1口の割合でコンセントを設置する。京王は「コンセントの設置数については未定」としている。

 京急がコンセントを設置するのは、当面は今回の28両のみ。利用者の意見を聞きながら、今後の新造車両や既存車両にもコンセントを設置するかどうか検討していきたいという。

■ボックスシートも久々に設置

 コンセントだけでなく、今回のマイナーチェンジ車にボックスシートが設置されるのも大きな変更点の一つだ。京急は通勤電車だけでなく、旅行客を運ぶという側面もある。沿線には三浦海岸などの観光地もある。実際、昼間の時間帯は20分間隔でオールクロスシート車両が走っている。

 新1000形は2002年から導入が始まった車両で、初期の車両は全体を赤と白に塗り分けたアルミ製車体で登場。これらの車両には車端部にボックスシートがあったが、2007年以降に導入された銀色のステンレス製車両は全てロングシートのみとなっている。今回のマイナーチェンジ車では、旅行気分を味わえるボックスシートを設置したほうがいいという判断となり、久し振りのボックス席復活となった。

 とはいえ、ボックスシートを設置した場合、ロングシートと比べて乗車できる利用者の数がどうしても減ってしまい、通勤ラッシュ時に支障が出る。当初は車端部の両側にボックス席を設置する案も検討されたが、結局、片側設置ということで落ち着いた。

 京急が導入するコンセント付き車両はどのような反響をもたらすだろうか。ひょっとしたら、通勤列車の歴史を変える存在になるかもしれない。

大坂 直樹

最終更新:10/12(水) 14:10

東洋経済オンライン