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なぜ豊洲で基準超のベンゼンが 小池都知事の“見事な”勝負勘

デイリー新潮 10/12(水) 7:00配信

 まさに予想的中。結果の良し悪しは別として、小池百合子都知事の頬は、さぞや緩んだに違いない。なにしろ、築地市場の豊洲移転に「待った!」を掛けて1カ月、今度は基準値を超す有害物質が検出されたのだから……。だが、そもそも基準値オーバーは、それほど危険なものなのか。慌てふためくのも、ちょっと待った! 

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 市場棟の地下に溜まる水から、有害物質が検出されたと騒がれたのは、つい先日のこと。もっとも、いずれも基準値内(1リットルあたり、0・01ミリグラム)の数値で、安全性に問題ないとされていた。が、9月29日の東京都の発表によれば、地下6~10メートルほど掘り下げた201本ある地下水モニタリング井戸のうち3カ所から、基準値をわずかに超す「ベンゼン」(最大0・014ミリグラム)と「ヒ素」(0・019ミリグラム)が検出されたというのだ。小池都知事はそのことを受けて、

〈急いで移転することに待ったを掛けたのは、こういうことが起こるのではないかという不安があったから〉

 と鼻高々だ。過去7回の検査では未検出にもかかわらず、移転延期の大勝負に打って出た挙句に引き当てるとは、見事な勝負勘。「それ見たことか」とでも言わんばかりなのである。

 日本共産党都議団の曽根はじめ副団長も、

「タイミングがいいと言えば、確かにその通りです。選挙の際にも、一旦、立ち止まって考えるというのを公約にしていたので、事前に豊洲にはなにかあると読んでいたのかもしれません。ただ、盛り土問題に関する責任の所在について、結局、判らなかったという結論を出したことは残念ですし、時期を急いで幕引きを図ったのは、適切でなかったと思います。ですが、知事本人もまだ追及が必要と言っていますし、これからも豊洲の問題を徹底的に調査してくれると期待しています」

 と思いを寄せる。都議会で、小池旋風にさらなる追い風が吹きそうな勢いだが、

「今回、検出された濃度では、まず問題はないと言えます」

 と解説するのは、京都大大学院(工学研究科都市環境工学専攻)の米田稔教授である。

「地下水の環境基準は、1日当たり2リットルずつ70年間摂取し続けた場合を前提に、健康リスクの被害を考慮して定められたものです。仮に今回のレベルで豊洲市場の運営が始まったとしても、地下水を飲用したり、魚や果物を洗ったりするわけではありませんから、健康に影響が出ることはないでしょう」

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最終更新:10/12(水) 7:00

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