ここから本文です

青島健太:DeNAがCSを制したのは「やるべきことをやったから」

nikkei BPnet 10/12(水) 9:18配信

 巨人対横浜DeNA。セ・リーグのクライマック・スシリーズ(CS)ファーストステージ第3戦は、小さなプレーが勝負の明暗を分ける野球の面白さと難しさが詰まった好ゲームだった。

●村田が勝負を決めると思った

 初回にホームランで2点を取り合ってからは、息の詰まる熱戦が続いた。2回、横浜が関根の犠牲フライで3対2と巨人を突き放すと、6回に村田のソロホームランが飛び出し巨人が3対3の同点に追いつく。

 村田は4回、横浜先発の石田から死球を受けていた。石田の左腕から投じられたインコースのボールが村田の膝を直撃した。もんどりうって倒れる村田。一人で立つこともできない。担架が用意されて、村田はベンチ裏に運ばれていく。膝には、太ももや臀部のように筋肉がほとんどない。関節にまともに当たったら、骨折も考えられる。もう村田は、ゲームに戻ってこられないだろうと私は思った。ところが、その村田がしばらくするとベンチからダッシュで飛び出してきた。東京ドームは、村田が元気に出てきたことで激励の歓声と興奮の拍手に包まれた。

 その瞬間、重苦しい空気が一変した。
 そして、その村田が6回に同点ホームランを放つ。
 彼は、この日のラッキーボーイだった。
 きっと村田が最後にゲームを決める。
 そんな予感が私の脳裏に浮かんだ。

村田を下げ代走・鈴木の起用で期待が萎む

 巨人がこのシリーズに決着を付けるチャンスを迎えたのは、同点で迎えた9回の裏だった。

 先頭打者の村田が、ショートへの内安打で出塁する。
 ここで巨人・高橋監督は、勝負手を打つ。  村田に代わって走塁のスペシャリスト鈴木尚広。今シーズンの鈴木は、代走で10回の盗塁をすべて成功させている。成功率100パーセントのランナーだ。村田が出塁することで、満を持して登場してきた。しかし、前述のように私は、この日の主役は村田だと思っていたので、彼がベンチに下がることで巨人に対する期待が一気に萎むような感覚を覚えた。

 ただ、村田は膝にデッドボールをもらっている。ここは鈴木で勝負するのがセオリーだったのかもしれない。いや、この場面ではセオリーなど関係ない。鈴木の盗塁が決まれば、巨人が一気に流れをつかむ。高橋監督は、ここで勝負を決めにいったのだ。

 横浜サイドも考えたことだろう。
 次の打者は、4番阿部。
 送りバントはない。また、バントでランナーを進めるなら村田をここで代えなくてもいい。代走鈴木が意味することは、巨人が「送りバント」ではなく「盗塁」を仕掛けてくるということだった。

 そうであれば、今度は何球目に鈴木が走ってくるかということだ。
 横浜のバッテリーもベンチも、その時を察知しようとしていた。

1/2ページ

最終更新:10/12(水) 9:18

nikkei BPnet

記事提供社からのご案内(外部サイト)

nikkei BPnet

日経BP社

日経BP社が運営するプロフェッショナルのためのビジネスキュレーションサイト。仕事に役立つ先端情報に最速でアクセス。

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

北朝鮮からの脱出
北朝鮮での幼少時代、『ここは地球上最高の国』と信じていたイ・ヒョンソだったが、90年代の大飢饉に接してその考えに疑問を抱き始める。14歳で脱北、その後中国で素性を隠しながらの生活が始まる。 これは、必死で毎日を生き延びてきた彼女の悲惨な日々とその先に見えた希望の物語。そして、北朝鮮から遠く離れても、なお常に危険に脅かされ続ける同朋達への力強いメッセージが込められている。