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株式会社レナウン | WOMAN'S CAREER

就職ジャーナル 10/13(木) 10:00配信

WOMAN'S CAREER
株式会社レナウン

たかぎ・ゆうこ●戦略事業本部 メンズソリューション戦略事業部 企画部 コンテンポラリー企画チーム 「オーパス」 アシスタントマーチャンダイザー。35歳。東京都出身。慶應義塾大学経済学部経済学科卒業。2007年入社。夫、3歳の息子と0歳の娘と4人暮らし。
■ メンズ服のことはわからない。だからこそデータに基づいた企画提案力が身についた

学生時代から、自分で洋服を作るのが好きだったという髙城裕子さん。就職活動ではアパレルを希望するも、当時はいわゆる就職氷河期真っただ中。“商品企画に携われる仕事をしたい”という軸で、食品、サービス業など幅広く受け、最初のキャリアをコンビニエンスストア業界でスタートさせた。店舗に配属され、現場主導でお客さまのニーズに合わせて商品を発注し、売り場をどんどん変えていける面白さはあった一方、「やっぱりアパレルに挑戦したい」という思いが強くなっていった。
「中途採用でアパレルメーカーを受けるなら基本の知識がなければダメだ。そう考え、退職して服飾系の専門学校に入りました。アパレル業界では有名な学校で、生地・素材の基礎知識から、ファッションの歴史、メンズ・レディース服それぞれの特徴、マーチャンダイザー(MD)として店頭リサーチの方法など、かなり実践的な内容を学ぶことができました。アパレルメーカーから企業研修として入学し、授業を受けている社会人も多く、勉強熱心な彼らに『負けてはいられない』と刺激される環境でした」

 

専門学校を卒業すると、再び新卒採用枠で採用してくれるアパレルメーカーが多く、レナウンに新卒生として入社した髙城さん。婦人服ブランド「レベッカ・テイラー」のアシスタントマーチャンダイザーとして配属され、洋服に囲まれる仕事の日々が始まった。
「最初は雑貨、次にニット、カットソーなどと、ロット数(1回で生産する製品数)の多いものへと担当が変わっていきました。MDは、商品の企画立案から納品までの全工程に携わり、売り上げの行方を決める重大なポジション。まずは、昨年の売り上げデータから、どの時期に何が売れたのかを分析し、新商品のデザインを決めていきます。デザイナーと意見を交わしながら、生地選び、型づくりを進め、デザインを決めたら、工場にサンプル品製作を依頼。サンプルチェックを終えた製品は、展示会で、百貨店をはじめ販売店向けにお披露目となり、本発注が確定します。MDの業務については専門学校で学んでいたものの、『生地にキズが入って、予定のロット数に達しない』など現場ならではのトラブルも多く、その都度、課題解決力を鍛えられました」

 

入社3年目には、メンズ企画部に異動し、メンズカジュアルブランド「インターメッツォ」のMDを担当。婦人服ブランドである程度身につけた売れ筋の感覚は、メンズにおいては通用せず、正確な数値分析を求められるようになった。
「MDとして成長させてくれたのは、当時、一緒に商品設計を担当していたデザイナーさんでした。私が商品の企画案を持っていくと『どうしてこのデザインがいいと思ったの?』『この生地を選んだのはなぜ?』と次々と質問をぶつけてくるんです。根拠に自信がなく口ごもることが悔しくて、どんな質問にも明確に答えられるようにしようと、客観的なデータ分析をそれまで以上に重視するようになりました。メンズブランドのことを、感覚的に理解することはできません。わからない、という出発点に立ち、毎週月曜日にある店長会議では、店頭で何が売れているのか、どんなお客さまが買っていくのか、フィードバックを欠かさずメモし、自分なりの仮説を作っていきました」

 

数字を追う上では、コンビニエンスストアで店長として商品発注を進めた経験も役立ったという。
「“売れ行き”だけに注目すれば、単価の安いアイテムがよく動き、高単価商品はなかなか動かない。つい、よく売れるものを多く仕入れようと考えがちですが、“売り上げ金額”を見ると、少数でも高単価商品が売れるインパクトは大きいんです。会社にいかに利益をもたらすかという視点に立ち、価格帯のバランスを考えて企画立案を進めることも大切にしました」

 

メンズアイテムは、レディースよりもデザインの幅が狭く、生地の選定や襟やポケットの形など、細部へのこだわりが、商品の売れ行きを左右する。
「店頭で販売スタッフの話を聞き、吟味を重ねて考えた商品が、売り上げにつながっていくのがMDの醍醐味(だいごみ)。マーケットニーズをしっかりとらえられた、と自信を感じられるのがうれしいですね」

 

入社6年目に第1子出産、9年目に第2子を出産し、現在はメンズキングサイズブランド「オーパス」のMDを担当している髙城さん。企画しているのは、スーツ、パンツ、ドレスシャツだ。カジュアルブランドを長く担当してきた髙城さんにとって、スーツは未知の領域。「何年たっても、新しく覚えるべきことは減らない」と笑う。
「入社以来、MD一筋ですが、扱うブランドやアイテム、毎年のマーケットニーズが変化する中、同じ仕事は一つとしてありません。いい意味で慣れることなくチャレンジを続けながら、働き方改革も考えていきたいですね。今は時短勤務を取っていますが、会社として在宅勤務導入への取り組みも進みつつあるリモートワークで対応できる日を週に1~2日設定するなど、いかに働きやすい環境を作るか。ワーキングマザーが増えている中、いい事例を示すことができればと考えています」

 

縫製メーカーから上がってきたスーツとジャケットのサンプルをチェックする。

 

生地サンプル、色見本を見ながら、来年の秋冬もののメンズ服デザインについて打ち合わせ。

 

■ 髙城さんのキャリアステップ

STEP1  大学卒業後、コンビニエンスストア業界を経験したのち、服飾系の専門学校でアパレルの基礎を学ぶ

コンビニエンスストアに2年勤務し、店長を経験。発注した商品の売れ筋がすぐに数字でわかり、PDCA(Plan Do Check Action)の効果検証サイクルをスピーディーに回せる環境はとても面白かったという。しかし、アパレルへの思いを断ち切れず退職。専門学校に1年間通い、洋服づくりのイロハを学んだ。

STEP2 入社1年目、ヤングキャリア事業部婦人服ブランドのMDとなる

入社後、3週間の研修を経て現場配属。女性ファッション誌で大人気だった婦人服ブランド「レベッカ・テイラー」のMDとなる。1年目は雑貨を担当し、ベテランのデザイナーさんから、助言や叱咤(しった)激励をもらいながら、仕事の進め方を学んだ。「予算管理もMDの大切な仕事。コストを抑えるために、生地を変えたり、生産工場の場所を変えたり。何を妥協し、何を譲らずに進めるべきか、常に判断力が試される現場です」。

STEP3 入社3年目、メンズ企画部 インターメッツォのMDとなる

メンズカジュアルブランド「インターメッツォ」のMDとなり、右も左もわからないメンズアイテムを前に戸惑うことが多かった。「忘れられない仕事は、百貨店での店頭販売開始日1週間前に、海外の縫製工場での生産が間に合っていないと判明した時。お客さまへご案内も送っているので、納品日を遅らせるわけにはいきません。国内の工場に頼み込んで土日も稼働してもらい、生地メーカーに早急に(工場へ)素材を送ってもらい、何とか間に合わせることができました。洋服づくりにおいて、MDができることは、デザイナーや、型を作る縫製メーカー、生地メーカー、工場で実際に作業を進める人など、周りの専門家たちに動いてもらうよう、お願いするだけ。自分一人では何もできないことを痛感し、あらためて進行管理の重大さに気づかされました」。

STEP4 2度の産休・育休を経て、入社10年目に現部署に配属される

長男出産のため2012年12月から1年半の産休・育休を取得し、カジュアルブランド「シンプルライフ」のメンズ服MDとして復帰。1年後、長女出産のため、2015年9月から6カ月間の産休・育休を取得した。現在担当するキングサイズブランド「オーパス」は、チーム3人で回しているため、急な欠勤に備えた業務内容の共有は必須。いつまでに何をすべきかの進捗を誰が見てもわかるよう、仕事の進め方を工夫するようになった。

■ ある一日のスケジュール

5:30 起床。朝食準備、身支度など。
6:45 子どもたちが起床し、朝食。
8:00 子どもたちを保育園に送る。
9:30 出社。メールチェック。
10:00 メンズスーツの生地選び。
11:00 百貨店でのプレゼンテーション資料を作成。
12:30 昼食。
13:30 生地メーカーと社内で打ち合わせ。
15:00 縫製メーカーと社内で打ち合わせ。
16:30 退社。
17:30 子どもたちを保育園に迎えに行く。
18:00 実家へ帰宅。
19:00 三世代で夕食。
21:00 自宅に帰って入浴。
22:00 子どもたちと一緒に就寝。
■ 髙城さんのプライベート

2016年8月、乗り物好きの息子と、消防車を見に行った。本物を前に大興奮!

 

長女の育休中に作ったガーゼ素材のスタイ(よだれかけ)。デザインを考えるのも、手を動かすのも楽しい。

 

2016年8月、高校時代のバレーボール部の仲間と集まり、近況報告。

 

取材・文/田中瑠子 撮影/鈴木慶子

最終更新:10/13(木) 10:00

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