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英名物記者も唖然 駐英大使の関心はもっぱら「ゴルフ」

週刊文春 10/13(木) 12:01配信

 世界を代表するクオリティペーパー、英「ファイナンシャル・タイムズ」紙に掲載された鶴岡公二・駐英大使のインタビュー記事(9月22日付)が外務省関係者の間で波紋を呼んでいる。

 鶴岡氏といえば、首席交渉官としてTPP交渉を担当したことで知られるが、今年4月に駐英大使となった。ちなみに父の鶴岡千仭(せんじん)氏も国連大使を務めた外交官である。

 インタビュアーは同紙の看板記者でチーフ・コラムニスト(外交問題担当)のギデオン・ラクマン氏。記事は見開き2ページ、写真も大量に掲載した破格の扱いだった。

 各国首脳が必ず目を通しているといわれる同紙において、日本の外交政策を発信するまたとない機会だったのだが、その内容は首を傾げざるを得ないものだった。

 見出しに〈EU離脱前はロンドン勤務を楽観視〉とある通り、鶴岡氏はEU離脱について問われ、「英国の特徴は不変で、継続的でそして安定していることだ。驚くことは何もないと聞いていた」と困惑した表情を見せたという。

 ラクマン氏はTPPをはじめ日本の外交政策などに関する発言を何とか引き出そうとするが、内容のある回答はほとんど得られていない。その代わりに、熱心に語ったのは、「ゴルフ」の話題だった。

 7月に行われた全英オープンの会場となったゴルフ場でプレーして好スコアを出したと自慢したかと思えば、鶴岡氏自ら愛用のパターを構える写真まで掲載。ラクマン氏は〈大使の関心はもっぱらゴルフにあった〉と記している。

 さらに鶴岡氏は第二次世界大戦の最後の数カ月間をジュネーブで過ごした父の千仭氏が、10日間続けてゴルフをしたというエピソードを紹介。

 そしてラクマン氏に向けて、こう語ったのである。

「ゴルフのハンディを下げ、パーで回るためには10日間、続けてコースにいかないとだめなことを学んだ」

 ちょうど同時期に大勢の日本兵が戦死していたことに関する言及は当然なかった。

 これにはラクマン氏も〈第二次大戦の敗北から学んだ教訓としては異例な印象を受ける〉と唖然。

「欧米だったらすぐクビになるケースです」とは外務省関係者の弁だが、これもまた日本外交の現実なのである。


<週刊文春2016年10月20日号『THIS WEEK 国際』より>

小山 貴(ジャーナリスト)

最終更新:10/13(木) 12:06

週刊文春

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