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米大統領選で思い出すワシントンの桜の木 --- 中村 仁

アゴラ 10/13(木) 16:30配信

両陣営が見苦しいウソのつきあい

米国の大統領選を前にしたテレビ討論で、クリントン(民主)とトランプ(共和)両氏が見苦しいいがみ合いを続けています。「これまでで最も不快なテレビ討論」という評価のようですね。米国は最も進んだ先進国、民主主義国であり、大統領候補がそれにふさわしい人格と品性を備えているはずなのに、違うのですね。

思い出すのは初代大統領のワシントンが子供のころ、父親が愛する桜の木を切ってしまった逸話です。そのことを正直に告白したら、「お前がしたことは確かに悪い。ただし、正直に詫びてくれた。父さんの腕の中に走っておいで。愛しい息子よ」と逆に褒められたという話です。あまりにも有名な美談です。

このエピソードが日本人のアメリカ観の一つの根底を形成しました。「米国は素晴らしい国なのだ」と、尊敬したものです。米国といえばワシントン、ワシントンといえば桜の木という時代がありました。

ウソの行商人とは下品な表現

クリントン候補はトランプ氏のことを「ウソの行商人」とけなしました。「わめきちらして個人攻撃を繰り返し、真っ赤なウソをいう」と。では、クリントン氏側にウソがないといえば、ウソになるでしょう。国務長官当時、私用メールアドレスで公務のメールを送り、機密情報の取り扱い規則違反をしていました。発覚しなければ、隠し通すつもりでしたね。

女性問題も両陣営が騒ぎたてました。トランプ氏の女性蔑視の発言が隠しマイクに録音されており、攻撃材料に使われました。つまらないことまで隠し録音をしておいて、機が満ちたら探し出してきて、相手を困らせる。それに対抗してトランプ氏は、クリントン元大統領の女性スキャンダルを持ち出し、被害者を4,5人、揃えて記者会見まで開き、蒸し返しました。これが最大の民主主義国のレベルなのですかねえ。

恐らく多くの視聴者は「大統領やその候補といえども、なんだ、自分たちと同じような行為をしている。米国ではよくあることで、騒ぎ立てることでもあるまい」と、あきれたのではないですか。両候補のテレビ討論といっても、まるで程度の低いバライエティ番組です。第一回の討論では、経済、安全保障、人種・銃規制などが論じられたものの、第二回にきてレベルが一気に落ちました。

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最終更新:10/13(木) 16:30

アゴラ

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