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現職校閲者を震え上がらせた『地味にスゴイ!校閲ガール』2話レビュー

KAI-YOU.net 10/13(木) 17:44配信

2016年10月5日、日本テレビ系にてスタートした連続ドラマ『地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子』。

【石原さとみ『地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子』の関連画像】

話題作への出演が続く女優・石原さとみが、ドラマの題材としてはなじみの薄い「校閲者」を演じることでも話題の本作。12日に放送された第2話で描かれた主人公・悦子の「ミス」は、全国の校閲者を震え上がらせたことだろう。

実際に新米校閲者として働く筆者が、実際の業務内容の紹介や現場の実情、業界に対する愚痴を交えつつ、ドラマの見どころをレビューする。

大きな文字は地味にヤバイ

ファッション大好き校閲者・河野悦子(石原さとみ)。担当した「主婦の節約ブログ本」で提案したアイデアが著者に気に入られ、見事採用されることに。越権スレスレの破天荒ぶりを発揮しつつ調子に乗る悦子だったが、その裏で校閲者として致命的なミスを犯してしまい──。

以上が、12日に放送された第2話のストーリー。フィクションとはいえ身の毛がよだつ思いがしました。悦子と同じく新米校閲者である筆者にとって他人事とは思えません。

「こんなわかりやすいところでミスをするなんて現実味に欠ける」と思われる方も多いかもしれません。が、「大きい文字(の誤植)ほど気がつかない」というのは、実は校閲者の間では半ば定説でもあります。

脳が油断してしまうのか、「大きな文字」や「平仮名の連続」「重要なシーン」ほどミスしやすいので気をつけろ、という校閲者の常識、鉄則が存在します。

その「常識」を痛感させられるのが、世界で最も有名な誤植本。通称『姦淫聖書』と呼ばれる一冊も、その間違いは非常に大胆です。なんでも聖書でありながら、「なんじ姦淫するなかれ」という一文が「汝姦淫すべし」と誤ったまま出版されてしまった(英文で「Thou shalt not commit adultery」の「not」が抜けていた)という、まったくの正反対かついろいろヤバイ本。

これに比べたら悦子のミスもかわいいものです。というふうに、校閲者がミスしたときは「社内や業界で伝説となったさらにひどいミス」を探してきて慰める風潮があります。

刷り直していては発売日に間に合わないため、社員総出で、刷り上がったばかりの書籍に「訂正シール」を貼っていく校閲部メンバー。悦子の夢見る華やかなファッション誌編集部が遠のいていく瞬間です。

筆者の事務所では入社以来、幸いにして回収作業や訂正シール貼りを行なったことがないのですが、今後もないよう願いたいものです。

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最終更新:10/13(木) 17:44

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