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原油、価格と生産量の安定崩壊リスク高まる…サウジ、危機的状況突入で世界的混乱も

Business Journal 10/13(木) 6:05配信

 9月28日、アルジェリアの首都アルジェで開かれた臨時総会にて、石油輸出国機構(OPEC)は石油生産の削減目標を加盟国間で共有し、一日当たりの生産量を現在の3324万バレルから、3250万~3300万バレルに制限する目標を決めた。これは大方の予想に反する決定だった。当初、OPEC加盟国ではないが原油市場に大きな影響力を持つロシアが会合に参加する予定だった。しかし、OPEC内の意見対立の溝が深いことを理由に、ロシアは直前になって参加を見送った。会合前、サウジアラビアのファリハ・エネルギー産業鉱物資源相は厳しい対立が解消しつつあるとの見方を示していたが、減産合意形成への期待は低かった。

 予想外の減産目標を受けて、各メディアは「8年ぶりの減産合意」と報じた。OPECの決定を好感し、28日の原油先物価格は一時6%程度急伸、米国を中心にエネルギー関連企業の株価も上昇した。そして、9月末のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)原油価格は1バレルあたり48.24ドルをつけ、週間で8.5%上昇した。

 OPECの決定に関して、一部ではサウジがOPECの利害をまとめ、世界の原油供給の調整が進むとの見方もある。ただ、プレスリリースの中に「合意」との記載はない。OPECはロシアなどの非加盟国とも減産協議を行い、11月の総会で国別に生産量等が決められる予定だ。

 つまり、合意は11月の総会に持ち越されたといえ、28日の臨時総会が取りまとめたものは努力目標である。OPEC加盟国の利害は一致しておらず、今後も減産への反発が出る可能性もある。今後の原油価格、そして、産油国の経済動向は注意深く見守るべきだ。

●原油価格下落を受けた産油国経済の低迷

 まず、産油国が置かれた状況を把握するために、原油価格がどう推移してきたかを確認しておこう。2014年年央、1バレルあたり100ドルを超えて推移していた原油価格は、中国の需要低下などに圧されて下落し、16年2月には26ドル台まで下落した。

 原油価格は産油国の経済成長を大きく左右する。原油価格が下落すれば、エネルギー関連企業の収入が落ち込み、経済成長率は低下する。そして、産油国の財政状況も悪化する。原油価格の急落を受けてサウジやノルウェーは、財政悪化への対応策として政府傘下のソブリンウェルスファンドが保有する株式を売却し、資金を捻出しなければならない状況に直面した。これが15年秋口以降の世界的な株価下落の一因になった。

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最終更新:10/13(木) 6:05

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