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木村太郎氏は「二重国籍」ではなく日本国籍である --- 池田 信夫

アゴラ 10/13(木) 17:06配信

木村太郎氏が「私はアメリカ生まれだから二重国籍だ」とカミングアウトしたが、これは誤りだ。彼は国籍法附則3条の経過措置で、すでに日本国籍になっている。

“この法律の施行の際現に外国の国籍を有する日本国民は、この法律の施行の時に外国及び日本の国籍を有することとなつたものとみなす。この場合において、その者は、同項に定める期限内に国籍の選択をしないときは、その期限が到来した時に同条第二項に規定する[日本国籍]選択の宣言をしたものとみなす。”

「この法律の施行の際」というのは1985年で、このとき彼は二重国籍になったが、国籍選択はしなかったようだから、2年の「期限が到来した時に」自動的に日本国籍の選択を宣言したものとみなされる。だから1987年から彼は、日本国籍だがアメリカ国籍を離脱していない違法状態だ。キッシンジャーを引き合いに出しているが、アメリカの国籍法は二重国籍を認めているので何の根拠にもならない。

蓮舫代表の場合は、日本国民ではなかったので附則第3条ではなく第5条が適用され、「法務大臣に届け出ることによつて、日本の国籍を取得することができる」ので、1985年に二重国籍になった。しかし彼女は国籍選択の宣言をしなかったと思われるので、二重国籍のままだった。

これは昨年10月1日までの小野田紀美議員(http://agora-web.jp/archives/2021874.html)と同じ状態だが、彼女は日本国籍を宣言して今年の参院選に立候補した。しかし蓮舫氏は宣言しないで、二重国籍のまま立候補した(それが戸籍謄本を見せない理由だ)。彼女は「私は台湾籍」と公言する一方、今年1月まで公式ホームページに「台湾籍から帰化」と書いていたので、公選法違反(虚偽事項公表罪)の疑いがある。

国籍法が1985年に改正されたときは、二重国籍を禁じる原則を守りながら、催告などの裁量の余地を残して「弾力的に運用」し、実質的に二重国籍を解禁した。しかしこれが蓮舫氏や木村氏のような違法行為を放置する結果になり、入管当局も困っているようだ。

国籍の選択は重い。蓮舫氏のように脳天気な人は珍しく、多くの人は22歳までに選択を迫られて悩む。外国に住む人が国籍法の求めるように日本国籍を捨てると、年をとって祖国に帰りたくなったとき困る。いったん捨てた国籍をふたたび取るのは困難だからだ。

もっと重要な問題は、これから予想される難民である。北朝鮮の政権が崩壊すると、昨年27人しか難民を受け入れなかった日本が、国連からその1000倍ぐらいの難民を割り当てられる可能性もある。そのとき北朝鮮の国籍は日本では無効なので、全員が不法滞在になる。日本国籍を与えることはできないが、強制送還する先もないので大混乱になろう。

要するに国籍という制度では、人のグローバリゼーションは管理できないのだ。二重国籍を法的に認めた上で、それを正確に申告させて蓮舫氏のような虚偽申告は(催告なしで)処罰し、迅速な審査で日本国民として認める制度をつくる必要がある。ドイツのように100万人以上の難民が押し寄せてからでは遅い。

追記:この記事に埋め込んだツイートが削除され、動画(1分30秒)も消えてしまった。

池田 信夫

最終更新:10/13(木) 17:06

アゴラ

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