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対話型インタフェースはどこまで進化するのか ブレークスルーの鍵を考える

現代ビジネス 10/13(木) 10:01配信

 パソコンやスマホ、スマート家電などIT端末の操作方法に変化の兆しが見られる。

 これまでのキーボードやマウス、さらには近年のアプリなどに頼った使い方から、ユーザー(人間)がIT端末に語りかけるように使う方法へと移行しようとしている。この新しい使い方は「対話型インタフェース」と呼ばれる。

 恰好の事例は、アマゾンが提供する「エコー(Echo)」だ。この高さ20センチほどの円柱型の情報端末は、お茶の間のテーブル上などに置かれ、これに向かってユーザーが「あれしろ、これしろ」と対話形式で、テレビやエアコン、オーディオ製品など各種スマート家電を操作できる。

 一方、スマートフォン向けでは、先日韓国のサムスンに買収されたベンチャーが開発した「ヴィヴ(Viv)」と呼ばれるソフトが一例として挙げられる。これを搭載したスマホでは、かなり自由度の高い対話形式で端末を操作できる。このやり方だとユーザーが一々アプリを切り替えなくても、端末の側で必要なアプリを組み合わせて仕事をしてくれるので便利だ。

シリの限界を打破できるか

 こうした対話型インタフェースの先駆けは「シリ(Siri)」だ。もともと、シリコンバレーにある同名のベンチャー企業が開発したシリは、その後、会社ごとアップルに買収され、2011年に発売された「iPhone 4S」に搭載され、広く知られることとなった。

 ただし「言葉で自由自在に端末(iPhone)を操作できます!」というアップル側の宣伝文句とは裏腹に、実際のシリはその機能がかなり限定されていた。

 たとえば「明日の天気は? あるいは「最寄りの駅はどこ? といった、ごく初歩的な質問であれば、シリは適切な答えを人間のような言葉で返してくれる。しかし、それ以上の複雑な要求や質問に対しては、これらを検索エンジンに丸投げしてしまい、その結果が端末画面に表示されるだけだった。

 一方でシリの内部には、ライター(つまり人間)が用意した想定問答集が大量に保存されている。そしてユーザーからの時に意地悪な、あるいはふざけた質問などに対し、想定問答集の中からユーモアや皮肉、機知に富んだ答えを選び出して、鮮やかに切り返してくれる。ユーザーの中には、これを楽しみにシリを使っている人も多く、その点では評価されている。

 つまりシリに対するユーザーの総合的な評価とは、「一種のエンターテイメントとしては面白いが、本格的な端末操作機能としては不十分」というものだった。

 こうした限界を打破するために開発されたのが、冒頭で紹介したヴィヴだ。実はヴィヴを開発したのは、もともとシリを開発したチームのメンバー。アップルに会社ごと買収された彼らは、やがてアップルを離れ、新たにベンチャー企業を立ち上げて、より優れた対話型インタフェースを実現しようとした。その結果、生まれたのがヴィヴである。

 たとえばスマホに向かって「最寄のピザ店からピザを宅配して」とリクエストすると、スマホが「この場所にある店でどうですか? とか「トッピングは何にしましょうか? といった形で質問を投げ返してくる。それにまた、ユーザーが答えや新たなリクエストを返す。このように人と端末との間で言葉を交わしながら、ある程度複雑な仕事でも徐々にやり遂げていくのがヴィヴだ。

 これと同様のことをフェイスブックは別の方法でやろうとしている。それは同社がメッセージング・サービスに組み込んだ「M」と呼ばれる対話型インタフェース。

 Mの場合、ユーザーが音声で端末と会話するのではなく、文字の言葉をタイプ入力することによって会話する。これによって、たとえばスマホからEコマース・サイトにアクセスして商品を購入したり、誰かにプレゼントを送り届けたり、レストランを予約したり、旅行の手配をしたり、といったことができる。

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最終更新:10/13(木) 11:46

現代ビジネス

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