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WEC富士6時間直前! ル・マンの雪辱を富士で果たすトヨタの意気込みは?

clicccar 10/13(木) 20:30配信

世界最高峰のスポーツカーレースと言えば、ル・マン24時間耐久レース。そしてル・マンをシリーズの1戦とするWEC(世界耐久選手権)でしょう。世界中を転戦し、全9戦で争われるこのシリーズの第7戦・富士6時間耐久レースが今週末、静岡県小山町の富士スピードウェイ開催されます。

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今年のル・マン24時間耐久レース、ラスト3分で劇的な敗戦を喫したトヨタとTOYOTA GAZOO Racingにとっては、ルマンの雪辱を果たすべく戦うホームサーキットでの母国レース。必勝への意気込みも強い。あの日のル・マンでのこと、そして富士戦にかける思いを、トヨタ自動車のモータースポーツマーケティング部・TGR推進室長である北澤重久さんにうかがいました。



–ル・マンでの『あの瞬間』はどうされていましたか?

北澤重久さん(以下、北澤):「その時はピットの上で、レース後に備えた準備を慌ただしくしていました。ついに悲願達成かと、その時を待っていました。チームラジオも聞こえておらず、ふとモニターに目を向けたら、歓喜のポルシェ・ピットと沈黙したトヨタのピットが映し出されていて、何が起きたのかわかりませんでした」



–そのままレースは終わり、チームはその後、どんな様子だったのでしょう?

北澤:「混乱の中で、『残念』『悔しい』の渦に飲み込まれたようでした。ユニットリーダーである村田(久武モータースポーツユニット開発部長、レーシングハイブリッド総責任者)は、責任を感じて落ち込んでいました。これは後で聞いた話ですが、ポルシェの人たちがトヨタのピットに駆けつけてくれ、村田に声をかけてハグをしてくれたそうです。また3位に入賞したアウディのドライバーたちは、『自分たちが表彰台を辞退したらトヨタは表彰台に登れるのか』と主催者に聞いてくれたとも聞いています

その後ポルシェ・チームの祝勝会があり、TMG社長の佐藤(俊男さん)と村田とともに招かれ出席しました。チームの作業などもあり少し遅れて到着した私たちが会場に入ると、ポルシェ・チームの人たちやポルシェのゲストの方々から、スタンディングオベーションで迎えられたそうです。『本当に強かったのは君たちだ』との言葉をいただき、『これはレースだしスポーツです。勝利は勝利、あなたたちのものです。おめでとうございます』と返答したそうです。ヨーロッパの伝統のレースで、負けて悔しいし残念ですが、ポルシェからもアウディからも、ライバルであり仲間だと認められたように感じたレース後でした。SNSなどでも、あんなカタチで健闘をたたえあえたことはとても嬉しいですね」



–チームは、いかにこの敗戦を受け入れ前を向いたのでしょうか。

北澤:「ゴールの数時間後に、チームの打ち上げをしたのですが、その時にはもう前を向こうとしていました。会長の内山田(竹志代表取締役会長)や役員の嵯峨(宏英専務役員)が、『シリーズ戦で戦っているんだから、ここで落ち込んでいても仕方ない。気持ちを切り替えて前を向いていこう。シリーズの残り、特に富士は勝ちに行こう』『来年またル・マンに戻ってきて、今度こそ本当に勝とう』と言ってメンバーをもう一度鼓舞しました」

–すぐあとに豊田章男社長もコメントを出されました。WEC撤退も囁かれた中で、勇気付けられたのではないですか?

北澤:「あのコメント(注:TOYOTA GAZOO Racingは「負け嫌い」)が正式に発表される前、ゴールから数時間後に、社長の発表原稿が村田にメールで送られてきたそうです。『この内容で行くからな』と。それを読んで、村田は『救われた』と思ったそうです。他のメンバーも同じです」



–そして今週末、富士戦です。この1戦にかける意気込みは大きいのではないでしょうか。

北澤:「もちろん、特別な気持ちがあります。我々の活動を支えてくださっている、多くの関係者の方たちが実際に眼の前でクルマを見られる唯一のレースです。パーツのサプライヤーさんにとっては、クルマとして完成した姿をレースで見られる、唯一のレースでもあります。これも村田がよく言うのですが、ドライバーが乗って戦っているレースは最後の最後なんだと。そのクルマを作っている人たちはたくさんいて、みんなが速くしようとしている。ドライバーたちはそのタスキを握って走っている最終ランナーなんだと。

そしてもちろん、富士は応援してくださっているファンの皆さんの前で走るホームレースです。ル・マンを見ながら、悔しさを分かち合った皆さんの目の前で、今度は勝つ姿を見せたいと思っています。皆さんの前で、なおさら負けられません」

–センターポールに掲げられる日の丸を期待しています。ありがとうございました。



この敗戦があったからか、これまで関心のなかったであろう人たちからも応援を寄せられているといいます。それはトヨタ社内も同じで、「応援に行く」「見に行く」という声が多いそうです。多くの人たちが、戦うトヨタを日本で応援しているということなのでしょう。

トヨタ自動車では今週末のWEC富士6時間耐久レースで、車中を映したオンボード映像をTOYOTA GAZOO Racingのサイトでライブ配信する他、MEGA WEBと全国4か所のディーラーではパブリックビューイングを開催します。現地観戦できないファンも、世界最高峰のスポーツカーレースを観戦し、トヨタの活躍を見守ってみてはいかがでしょうか。

(Koyo Ono)

最終更新:10/13(木) 20:30

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