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反「ザ・コーヴ」映画が米国へ シーシェパードにインタビューも

デイリー新潮 10/13(木) 5:58配信

 イルカや鯨を殺し、喰う日本人は野蛮、とのイメージを世界中に植え付けた、反捕鯨映画「ザ・コーヴ」。その反証映画として製作され、今年日本各地で公開されたのが「ビハインド・ザ・コーヴ」だ。この作品が太平洋を渡り、米国の劇場上映が決定。だが、監督の狙いはその先にあった――。

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 プロデュース、監督、カメラ、編集、宣伝、配給とひとりでこなした八木景子氏(49)を、水産ジャーナリストの梅崎義人氏が語る。

「鯨漁の聖地である和歌山県太地町に4カ月間住み込み、捕鯨やイルカ漁に携わる人々の本音を聞きだしたドキュメンタリー映画が『ビハインド・ザ・コーヴ~捕鯨問題の謎に迫る~』。もっとも当初、“また、『ザ・コーヴ』のような映画を撮られるのか”と受け入れて貰えなかったとか」

 米国映画「ザ・コーヴ」は、太地の人々を盗撮し、ヤラセ(海がイルカの血で染まる)やウソ(作品内でイルカ漁を擁護した水産庁職員が解雇されたと主張)等を盛り込んだ反捕鯨プロパガンダ映画。だが、2010年のアカデミー賞長編ドキュメンタリー映画賞を受賞した。

「環境テロリスト“シーシェパード”はこの映画をPR活動に利用し、世論を作りあげた。国内では上映の反対運動が行われましたが、なぜ映画には映画で対抗しないのだろう、と思ったのが八木さんです。シーシェパードへのインタビューも行い、扇情的でなく客観的に反証されています」(同)

■捕鯨を知らぬアメリカ人

 10月1日、「ビハインド・ザ・コーヴ」がロサンゼルスで開催されているグレンデール国際映画祭で正式上映された。10月14日にはチェコ共和国の国際環境映画祭でも正式上映される。

 これについて八木監督は、

「資金不足から現地入りできませんでしたが、出品が決まった途端にシーシェパード幹部から、『映画を観た人々から質問攻めに遭うだろうから作品を見せてくれ。作品を買いたい』と連絡が来ました。もちろん断りましたが、彼らの潤沢な資金には恐れ入りますね」

 さらに11月25日からはニューヨーク、12月2日からはロサンゼルスの劇場での上映が決定。そのため、劇場への保証金や広告宣伝費、渡航費用などをクラウドファンディングのプラットフォーム「モーションギャラリー」で募集中である。

「500万円が目標ですがまだまだ。ニューヨーク、ロサンゼルスの劇場も小さいけれど、そこで7日以上上映し、さらにニューヨークタイムズとロサンゼルスタイムズに批評記事が載れば、アカデミー賞長編ドキュメンタリー映画賞へのノミネートの資格が整います」

「ザ・コーヴ」と同じ土俵に上がろうというのだ。シーシェパードの本拠地アメリカに切り込むのは容易ではないが、だからこそ意味があるとは前出の梅崎氏だ。

「ニューヨークやワシントンのジャパン・インフォメーションセンターは捕鯨問題に声を上げれば外交的立場が不利になると、活動してこなかった。ですから多くのアメリカ人は自分たちが鯨を殺してきた歴史も、正しい知識も得る機会がなかったのです。この作品で捕鯨文化を知って欲しい」

 英語版のサブタイトルは“The Quiet Japanese Speak out!”。黙っていた日本人が主張する! 大和撫子の反撃である。

「ワイド特集 男の顔は履歴書 女の顔は請求書」より

「週刊新潮」2016年10月13日神無月増大号 掲載

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最終更新:10/13(木) 5:58

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