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「未払いの残業代請求」は、弁護士にとって簡単に稼げるおいしい仕事!?

週刊SPA! 10/13(木) 9:10配信

 司法制度改革以降、日本の弁護士数は著しく増加し、弁護士余りという状況が生じた。SPA!でもたびたびその実態についてリポートしてきたが、いまその弁護士業界は、過払い請求に続く新たな「残業代請求バブル」に沸いているというのだ。

⇒残業代申請、弁護士報酬の一例

◆400万円を回収して弁護士報酬は70万円

 サービス残業などでの未払いの残業代、どのような手順で企業への請求が行われているのだろうか。また、その際かかる費用はどのくらいが相場なのだろうか。

 まず、依頼者からの相談を受けた弁護士は委任契約をし、必要書類の開示請求・証拠保全の手続き、未払い賃金・残業代の計算・請求を行う。そして交渉、和解案の締結という順になる。和解が成立しなかった場合は、舞台は法廷に移る。裁判所では労働訴訟、労働審判、労働調停があり、これらで企業側が敗訴になったのにもかかわらず、支払いがされない場合は強制執行となるのだ。都内の弁護士・B氏(38歳)は言う。

「労働者側からの依頼は、多くは相談と内容証明発送だけで解決する。旧弁護士会の報酬基準では、相談が30分で約5000円、内容証明は弁護士名なしで5万円、弁護士名を入れて10万円。示談や訴訟の場合、300万円以下の未払い賃金であれば、着手金8%で、成功報酬16%が基準となっています」

 ただし、これらの金額はあくまで“基準”。実際は弁護士によって額は異なる。B氏は続ける。

「例えば300万円の未払い賃金の場合、示談交渉・訴訟の着手金は24万円、成功報酬48万円となりますが、実際には着手金20万円、成功報酬20万円というのが相場ですね。弁護士余りで相場が下がっていますからね」

 なおB氏によれば、依頼者のうち訴訟を前提に示談交渉に入るケースが2割、内容証明の発送か企業側への電話で解決する例が4割だという(残り4割は依頼者と連絡がとれなくなるとのこと)。

◆「着手金無料」などの謳い文句はどう見るべきか

 現在、ネット上では「着手金無料」や「成功報酬約20%」などの謳い文句で集客を行っている弁護士事務所が多く見受けられる。そのような金額設定はどう見るべきか。

「金額設定がどこも似ているのは、弁護士が電話一本かければ、大抵の企業が支払う意思を見せるから。ですが、そのような弁護士事務所では、最低10万円以上の未払い残業代がなければ依頼を引き受けない。50万円以上の残業代があり、かつ『取れる可能性』が高い企業相手でないと厳しい」(B氏)

 なお、当然ながら残業代は大~中堅企業ほど取れる可能性が高い。一方、零細企業は残業代が150万円を超えると示談が厳しくなるそうで、倒産させてしらばっくれる会社も多いので、弁護士は受けたがらないという。

 つまり、弁護士にとって残業代請求は、簡単作業で効率よく稼げる余地があり、かつ請求できる残業代が多ければ恩の字ということになる。一方、実入りが期待できない依頼は断るか、相談・企業側への電話交渉のみの簡易な方法で済ませるのが一般的だ。では、実際は儲かっているのか、弁護士に聞いてみた。

「今までの最高額は約400万円の残業代の回収で、示談交渉で解決しました。着手金30万円と成功報酬40万円で受けたんですが、運良く相手は全額払った。業種は某地方のゼネコンです」(関西の弁護士・C氏・30代)

 一方でこんな事例もある。

「500万円以上の未払い残業代があるという依頼者の案件で、10万円で内容証明を送ったら、相手も弁護士を立ててきた。示談交渉になり、相手は分割での支払いに応じたので依頼者から計70万円の報酬を受け取った。ですが、その後、相手から依頼者へお金が振り込まれていない。こっちは損はしてないけどなんとも心苦しいです」(都内の弁護士・D氏・40代)

 C氏によれば、「10万円の未払い分を、企業から120回の分割で支払いたいと頼まれた」というケースも存在したという。

― [残業代請求バブル]が始まった!! ―

日刊SPA!

最終更新:10/13(木) 9:10

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