ここから本文です

田原総一朗:皇室典範改正を見据え生前退位の環境整備を急げ

nikkei BPnet 10/13(木) 10:06配信

ようやく開かれる有識者会議の初会合

 政府は10月17日、天皇陛下の生前退位を検討する「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」の初会合を開く。

 8月8日、天皇陛下がビデオメッセージで、国民に向けて生前退位の意向を表明されてから2カ月余りが過ぎた(過去記事「天皇陛下『生前退位』ビデオメッセージの真意」参照)。ようやく来週から議論が始まるわけだが、どうも政府は皇室典範の改正を行わず、特別措置法(特措法)での実現を目指しているようだ。

 政府が特措法として進めようとしていることには、理由がある。もし、皇室典範を正式に改正しようとすると、非常に時間がかかる。二年以上かかる可能性もある。下手をすれば、今上天皇がご存命のうちに成立が間に合わなくなるかもしれない。だから、早急に特措法で決めようというのだ。

 政府が特措法で進めたいもう一つの理由として、時間的な問題以上に、別の力学が働いている。それは皇室典範を俎上に乗せてしまうと、女性天皇、女系天皇、女性宮家の問題にまで議論が及ぶことになるからだ。安倍政権としては、こうした議論を避けたいという思惑があるのだろう。

頓挫した女性天皇・女系天皇・女性宮家の議論

 例えば、2000年代半ばの小泉純一郎内閣の当時、天皇陛下の孫の世代に皇位を継承する男子がいないことに危機感を持った政府は、女性天皇を容認しようとしていた。

 05年11月、小泉内閣のもとに設置された「皇室典範に関する有識者会議」は女性天皇や、母方が天皇の血筋を引く女系天皇を認める最終報告書を提出した。

 だが、男系を主張する保守派の強い反対があったことと、06年に秋篠宮文仁親王と同妃紀子さまの間に悠仁親王が誕生したことで、議論は中断されてしまった。

 民主党の野田佳彦内閣では、女性皇族が結婚後も皇族の身分を保つ「女性宮家」の創設を検討した。僕も有識者の一人として審議に参加し、女性宮家に賛成の立場をとった。しかし、これも2012年に自民党の安倍晋三内閣へ政権が移ることで中断されてしまう(過去記事「『女性天皇』『女系天皇』についても侃々諤々と議論せよ」参照)。

1/3ページ

最終更新:10/13(木) 10:06

nikkei BPnet

記事提供社からのご案内(外部サイト)

nikkei BPnet

日経BP社

日経BP社が運営するプロフェッショナルのためのビジネスキュレーションサイト。仕事に役立つ先端情報に最速でアクセス。

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

北朝鮮からの脱出
北朝鮮での幼少時代、『ここは地球上最高の国』と信じていたイ・ヒョンソだったが、90年代の大飢饉に接してその考えに疑問を抱き始める。14歳で脱北、その後中国で素性を隠しながらの生活が始まる。 これは、必死で毎日を生き延びてきた彼女の悲惨な日々とその先に見えた希望の物語。そして、北朝鮮から遠く離れても、なお常に危険に脅かされ続ける同朋達への力強いメッセージが込められている。