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自動車から「エンジン」が消える!? ドイツで2030年以降の搭載禁止決議が採択

nikkei BPnet 10/13(木) 15:26配信

 ドイツの有力週刊誌「デア・シュピーゲル(DerSpiege)」が報じたところによると、ドイツ連邦参議院(Bundesrat)が、2030年以降にガソリンやディーゼル機関など内燃機関を使用した自動車を禁止する決議を採択した(参考:DerSpiegelのドイツ語記事、ドイツ連邦参議院のツイート、※以下、リンクに関しては、本記事下【関連記事】先頭にある同名記事を参照)。

 同じくこのニュースについて報道した米フォーブス誌によれば、決議採択はただちに法的効果を有するわけではないが、ドイツの規定がEU全体の規定になる場合が多いため、今回の採択が今後、欧州の環境対策の大きなターニングポイントになる可能性が高いという(参考:Germany's Bundesrat Resolves End Of Internal Combustion Engine、Forbes)。

 2015年に採択され、今年11月にも発効する見込みとなっている地球温暖化対策のための新しい枠組み「パリ協定」では、EUは2030年までに二酸化炭素排出量を1990年比で少なくとも40%減少させるという目標を提出している(参考:COP21の成果と今後、環境庁、PDFファイル)。

 連邦参議院議員のオリバー・クリッシャー氏(緑の党)は、デア・シュピーゲルに、「パリ協定を重大に受け止めれば、2030年には路上から内燃機関を搭載した自動車はなくなるだろう」とコメントしている。

交通大臣は「非現実的」とコメント

 ドイツ連邦参議院は、ドイツ連邦共和国を構成する16の州の各州政府の意思を連邦政府に反映させるための組織。議員は選挙ではなく、各州政府から派遣される点が独特だ。

 立法機関としての地位は、直接選挙で選ばれる連邦議会(Bundestag)が主導権を持つ(参考:連邦議会)。現在の与党は、CDU/CSU(キリスト教民主同盟・キリスト教社会同盟)とSPD(社会民主党)の連立政権である。

 今回の採択は、連邦議会で連立与党を構成するSPDが提唱した。連邦参議院ではこのSPDと環境政党「同盟90/緑の党(Bundnis 90/Die Grunen)」の影響が強いとみられる。

 緑の党は、連邦議会では630議席中63議席の少数野党ではあるが、連邦参議院では16州61議席中、10州で議決権を持ち、1/3近い勢力を持つと考えられる(下図)。連邦参議院では、議員の投票行動は州の方針に拘束される。今回の議決は、与野党の“ねじれ”から生じたサプライズだといえる。

 ドイツ連邦の交通大臣アレクサンダー・ドブリント氏(CSU:キリスト教社会同盟=バイエルン州の地方政党)は、今回の採択を「まったく非現実的」と切り捨てている(参考:German Transport Minister: ICE Ban By 2030 "Utter Nonsense"、Forbes)。

 しかし、エネルギー・経済副大臣のライナー・バーケ氏(SPD)は6月、「2030年までにこの国で購入できるクルマは全てゼロ・エミッション・ビークルにしなければならない」、と同国の日刊紙「ターゲス・シュピーゲル」主催の環境フォーラムで発言したと伝えられていた(参考:ドイツ政府、2030年までに全ての新車を無排気車にすることも検討中、AutoblogJapan)。

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最終更新:10/13(木) 15:26

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