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株式会社アクセア | ビジネスパーソン研究FILE

就職ジャーナル 10/14(金) 10:00配信

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株式会社アクセア

かわの・ゆか●マーケティング部商品企画課。神奈川大学人間科学部人間科学科卒業。2011年入社。両親が美大出身のため、デザインなどのクリエイティブな仕事に憧れを抱き、広告・印刷業界を志望。就職活動時、さまざまな印刷会社を見て回る中、幅広いジャンルの印刷・広告物を手がけている現社に興味を抱く。「印刷を通じて、多様なお客さまにアプローチできる」と感じたことが入社の決め手となった。
■ 法人営業として店舗に配属。入社2年目には本社配属の営業となり、200件以上の顧客を担当

紙の印刷物だけでなく、布やアクリル、木などのさまざまな素材への印刷・加工を手がける株式会社アクセア。製本や広告ポスターなどの印刷に加え、文具や日用雑貨などのグッズにプリントするサービスやオリジナル商品の販売など、幅広く展開している。

 

クリエイティブな仕事に憧れを抱いていた河野さんは、印刷を通じた多様なサービス展開に可能性を感じて入社を決意した。入社後の新人研修を受けたのち、法人営業職として京橋店の配属に。
「最初は先輩の営業に同行しながら提案方法を学びつつ、電話で新規開拓のためのアポ取りを行いました。印刷物はオーダーメイド製品であり、決められた通りの商品を売るわけではありません。チラシのコピーやポスター出力、製本など、その用途やお客さまが求める仕上がりに対し、どんな紙を使い、どんな仕様が適しているのかを提案していきます。印刷の仕事の奥深さを実感しましたね。また、店舗に近いエリアなら業種や規模にかかわらず、飛び込みで自由に新規開拓してOKのため、どういった業界にどんな需要があるのかを肌で学んだ時期でした」

 

最初のうちはなかなか受注には至らず、初受注は配属の1カ月後だった。
「飛び込みで営業した広告代理店の方から名刺1箱の印刷を受注でき、ホッとしました。また、この1週間後、外資系の大きな企業から受注することができたんです。1カ月間、アプローチをかけ続けた結果、『特殊な紙を使う名刺の印刷を安くできるなら定期的に発注する』と言ってくれました。京橋店ではその紙自体の取り扱いがなく、周辺の店舗で探したものの、どこにもなかった。そこで、紙の卸会社に直接コンタクトを取り、少ない数でも取引してもらえるように交渉しました。お客さまは外資系の企業だったため、海外の本社から仕上がりのチェックを受けることも必要でしたが、ようやくOKが出て受注に至った瞬間は、本当にうれしかったですね!」

 

地道な営業活動で新たなお客さまをつかみ、入社1年目の10月、大手町店に異動した時期には、担当取引先が30件になった。この時期から案件の規模も広がり、大型案件を受注することにも成功したという。
「アパレル会社のお客さまのポスターを手がけることになりました。巨大な紙にブランド・イメージの写真を印刷するというもので、100枚以上の大規模受注です。ところが、仕上がりの色のチェックが非常に厳しくて。サンプルを何度も出しては細かいチェックを受け直すことになり、印刷の奥深さを痛感しました」

 

印刷物は、紙の種類だけでなく、湿度などによっても色みが変化するデリケートなもの。店舗のDTP技術スタッフ(印刷物を作成にあたって、レイアウト・データ加工・出力を行うスタッフのこと)が細かな対応をした上で、ようやくその色が表現できるのだそう。
「写真に写っている洋服の生地サンプルをスキャンし、データ化したものを紙に印刷してもらいましたが、お客さまに『色が違う気がする』と言われてしまって。一般の方が見た場合、違うか違わないのかもわからないくらいの微妙なトーンだったのですが、それでは満足していただけません。技術スタッフに要望を伝えるだけでなく、必ず最終チェックは自分で行うようにし、かつ、お客さまときめ細かなやりとりを続けた結果、ようやくOKをもらうことができました」

 

この時期から、仕事に対する姿勢も大きく変化したという。
「お客さまの窓口となり、技術スタッフとの間をつないで満足できるサービスを提供する。それが営業の仕事です。だからこそ、安心してもらえるよう、しっかりと丁寧に緻密にコミュニケーションを取ることも重要なのだと思うようになりました」

 

入社2年目が終わるころには、取引先は100社以上にまで増加。河野さんは、社内のトップ営業部署である本社営業部に異動することになる。
「エリアを限らずにお客さまから受注を取る部署です。それまでは配属先店舗の技術スタッフに仕事をお願いしていましたが、この部署ではどこの店舗と連携してもOKで、店舗間の売り上げのバランスや各店の得意な技術を見極めた上で、それぞれの店舗に仕事を振っていきます。全社的な売り上げに貢献していく部署のため、自分の営業力次第で会社の業績に大きな影響を与えるかもしれない。大きなプレッシャーを感じつつ、『心して頑張らねば』と気を引き締めました」

 

先輩から顧客100社を引き継いだため、自分の顧客と合わせると200社以上を担当することに。受注額の規模も大きくなり、単発受注でも百万円単位の案件が増えていく。
「これまでとは比べものにならない数の案件を扱うため、優先順位をつけながら計画的に仕事を進めようと決意しました。上司からいろいろアドバイスを受けながら、細かな単発受注から大規模案件までたくさんの仕事を並行して進めていきましたね」

 

本社営業を担当してからはイレギュラーな案件が増え、車全体にプリントを貼り付けるカーラッピングの仕事なども多く受注することに。
「車体を採寸し、デザインを分割してシール状のシートにプリントし、それを貼り付ける工程まで引き受けました。社内のデザイン課や、データを数値化する技術担当者、さらに施工を行う協力会社とも連携していきました。多岐にわたる工程に責任を持つ立場となり、案件全体を見通す力を養えたと感じます。また、経験を重ねていく中で、誰にどんな仕事を振り、全体をどう進めていけばいいのかをイメージできるようになったと思います」

 

ネットショップの受注状況を確認し、社内デザイナーに指示を出す。商品ページの構成や説明文なども自ら考えている。

 

■ 入社5年目、アプリ事業を担当し、企画からすべて手がける。6年目にネットショップの企画も実現

入社5年目、河野さんは個人向けのアプリサービス営業を担当する部署に異動し、大きな転機を迎える。
「スマートフォンで撮影した画像をポスターやTシャツなどにプリントできる自社開発のアプリが完成し、それを個人向けに売っていくために立ち上げられた部署です。私がメインで動いてほしいと上司から声をかけられました。個人向けの営業経験はほぼなく、また、販路開拓の企画から手がける経験もなかったけれど、これまでの4年間で積み重ねた営業経験をまた新たなジャンルで生かせると感じ、思い切ってチャレンジすることにしたんです」

 

河野さんが配属される1年前の時点で、「写真をたくさん撮影する観光エリアとして、まずは沖縄、さらには海外の南国リゾートで売る」という方針がすでにあり、那覇支店も設立されていたという。
「異動直後から沖縄に頻繁に出張に出かけ、現地を視察しながら販路を考えていきました。アプリを使って写真を記念撮影してもらい、グッズにプリントするサービスを利用してもらうことが最終的なミッションだったので、まずは個人のお客さまがたくさん集まる場にアプリの宣伝ポイントをつくろうと。沖縄の北部にあるリゾートホテルをリストアップし、協力体制を取ってもらえるような提案を考えていきました」

 

そこで、ロビーにアプリのダウンロード先を告知するチラシや販促物を置いてもらい、それを経由してダウンロードされた場合には宣伝料を払う収益モデルを考えた。また、社内のデザイナーと連携し、各ホテルのロゴやプライベートビーチの写真を撮影フレームに入れる企画を考え、ホテルのブランディングに役立ててもらう提案につなげることもしたという。
「それまでの法人営業のように、お客さまの要望に応える提案とは違い、まったくのゼロからのスタートでした。自分なりに情報収集やマーケティングをしていく中で、収益の仕組みから企画の内容まで考え、さらに営業先のホテルにプレゼンするところまで手がけねばならず、何もかも初めてのことでしたね」

 

夢中でやっていく中、やがて3つのホテルが協力してくれることに。河野さんは、さらにホテルのプールサイドで行うPR企画も実現。
「当時、有名なキャラクターの版権を持つ取引先があったため、コラボレーションをお願いし、等身大のキャラクターのパネルを置き、記念撮影できるコーナーをつくりました。炎天下のプールサイドで、声を枯らしてアプリの宣伝をしましたね(笑)。いろいろチャレンジましたが、アプリは使ってもらえてもグッズ化にまで至るケースは難しくて。サービスそのものの見直しをする必要があると思いました」

 

入社6年目、マーケティング部に異動した河野さんは、新規事業を自ら手がけることになる。
「アプリの販路開拓に苦戦する中、個人受注の案件では、自分たちの写真を使ったポスターの依頼が多いと気づきました。その用途はブライダルのウェルカムボードがかなり多かった。そこで、アプリにこだわらず、ブライダルを切り口に新たな企画を考えてみようと思ったんです」

 

この時期、社内では通販サイトの楽天にネットショップを出したいという話が出ていたため、ブライダルやベビー、ペットの記念品を手軽に作れるサービスを企画。
「ウェルカムボードやアクリルのフォトフレームなど、おしゃれなデザインのものを作り、好きなものを選んでプリントできる商品を企画しました。写真と文字のデータを送るだけでオリジナルグッズが作れる。アプリと同じ仕組みですが、切り口を変える方法を上司に提案したら『やってみたら』と言ってもらえたんです。社内のデザイナーと連携してテンプレートデザインを作る準備を進めながら、ネットショップを出すためにシステムや契約内容まで一から学んでいきました」

 

2カ月間の準備期間を経て、2016年6月にネットショップをオープン。反響は上々で、毎日のように受注が入るという。
「自分でニーズを発見し、求める層に販売できる道筋をつくれたと感じます。アプリの販路開拓ではなかなか売り上げにつなげられず落ち込みましたが、その経験も生かして企画を考えたことで結果を出せて感無量です! 現在、自分の手でゼロから仕組みを考える面白さを感じています。入社前から、いろんなことにチャレンジできる可能性がある会社だと感じていましたが、まさかここまで自由にやらせてもらえるとは思ってもみませんでした」

 

今後の目標は、こうしたオリジナルグッズを専門に扱う実店舗も出店することだと河野さんは笑顔で話す。
「技術面のオペレーションも習得していきたいと思いますし、スタッフの教育指導も手がけたいと考えています。営業の経験を新たな店舗運営に生かしていきたいですね」

 

お客さま企業の訪問へ。完成したポスター制作物を持参し、色みのチェックなどの要望を聞く。

 

■ 河野さんのキャリアステップ

STEP1 2011年4月 新人研修時代(入社1年目)

入社後、1週間の基礎研修でビジネスマナーと商品知識を学ぶ。製本、ポスター、垂れ幕、アクリル素材のキーホルダー、木の升など、多様な素材への印刷を商品としていることから、印刷物に使用する紙の種類まで勉強した。この後、京橋店の店頭で1週間の現場研修を受け、実際に印刷に関連する機械の操作や接客などを実地で学んでいった。現在の新人研修は、トレーニングセンターで1カ月間みっちり学ぶものが用意されているが、河野さんの入社当時はOJTで学ぶスタイル。現場研修では、店頭で印刷や機器の知識を学んだ。「勉強することがたくさんあり、商品知識を詰め込む毎日でしたね。いわゆるコピー機から大判サイズの印刷物を出力する機械、アクリル素材などに印刷する機械、それを切って加工する機械などがあり、先輩に教えてもらいながらそれぞれの機能や操作方法を覚えていきました。営業担当さんが取ってくる案件の印刷作業だけでなく、名刺印刷などで店舗を訪問するお客さまの対応もしましたが、一つひとつの機器についても把握できていなかったので、とにかく必死でしたね。また、店舗によって置いている機器や取り扱うサービス内容が違うため、ほかの店舗も見学させてもらいました」。

STEP2 2011年4月 法人営業として新規開拓を手がける(入社1年目)

京橋店に法人営業として配属。配属後の1カ月は、見積もり依頼は取れても受注には至らず、同期の仲間が次々に受注していく中で焦るばかりだったという。「結局、同期の中では一番最後に受注することになってしまいました(笑)。経験を重ねていく中、名刺からチラシまで、小さな仕事や急ぎの仕事にも丁寧に対応し、信頼を積み重ねていくよう心がけた結果、お客さまが増えていったと感じます。また、単発で発注するお客さまには、『こんな案件も受けられるので、ほかにもお仕事があったらぜひください』とニーズのありそうな提案をしたことで、リピートにつなげることができました」。2011年10月、大手町店に異動したのち、靴のチェーン店からの大規模案件も受注。全店共通クリスマス・セールで使う垂れ幕を作ることになり、屋外に吊るすための付属品のバーも付けて納品。専門業者と連携する形で完成させる新たな経験ができた。

STEP3 2012年12月 本社営業部にて幅広い提案を行う(入社2年目)

本社営業部に異動。エリアをまたいで幅広い企業に提案でき、受注した案件はその分野における技術を得意とする店舗に振ることができるようになる。14年9月までは大手町店、2015年3月までは小川町店に籍を置くイレギュラーな異動となった。「入社1年目のころから取引のあるお客さまも大切にしつつ、規模の大きな案件も受けるようになっていきました。カーラッピングのように、店舗内の印刷技術だけでは完結しない案件も増えたので、協力会社や関係部署とのやりとりも多くなり、案件全体を俯瞰(ふかん)で見ることができるようになったと感じます」。

STEP4 2015年 オリジナルグッズの販売企画とネットショップ運営を担当(入社6年目)

2015年4月、本社営業部海外リゾート営業課に異動。アプリを通じたオリジナルグッズ販売事業の立ち上げに携わり、そこから新たな発想を得てネットショップ販売を企画。2016年、マーケティング部商品企画課に異動となるが、アプリの事業も引き続き担当し、秋葉原のメイド喫茶などと取引を続けている。「楽天のネットショップでは、集客力のあるサイトづくりに注力し、社内のデザイナーと見せ方を考えていきました。自分がパッケージ商品化したフォトフレームや、キャンバス、ウェルカムボードが売れていくことを日々実感し、ゼロから需要を掘り起こせた喜びを味わっています。チャレンジさせてくれる環境に感謝つつ、売り上げをアップしていくことの責任感もしっかりと受け止め、さらなる結果につなげていこうと思います」。

■ ある日のスケジュール

10:00 出社。本日のスケジュール確認とメールチェック。
10:30 ネットショップへの注文を確認。商品に応じてデザイン課に指示を出す。メールの問い合わせ対応も行う。
11:30 新たな商品企画を考案。ネットショップで取り扱う商品の説明文なども作成。
13:00 ランチタイム。デザイン課のメンバーと外食。
14:00 アプリの営業をかけている取引先と打ち合わせ。新たなフレームの提案なども行う。
16:00 デザイン課、ウェブ課と打ち合せ。ネットショップの商品ページの作成について話し合う。
17:00 オリジナルグッズ商品のサンプルを協力会社に発注。
18:00 お客さま企業に納品に出かける。印刷物の仕上がりを一緒にチェック。
19:00 退社。
■ プライベート

毎年、社員旅行で海外に出かけることを楽しみにしている。写真は、16年7月台湾旅行に出かけた時のもの。「社員旅行では、これまでグアム、ハワイ、バリなどに行きました。各地に配属されている同期やかつての店舗の仲間が一堂に会する機会なので、毎年楽しみにしています。また、個人的にも旅行好きなので、箱根や伊豆などの温泉によく出かけますね」。

 

16年5月から皇居の周囲をランニングしている。「大手町店に籍を置いていた時代、スタッフみんなで皇居ラン部を結成していました。忙しくなってからあまり参加できなくなってしまったので、今は単独で週に1~2回、会社帰りに走るようにしています。リフレッシュになりますね」。

 

ライブ好きで、高校時代からメタル好き。毎年、メタルの夏フェスに出かけることを楽しみにしている。写真は15年11月に会場で撮影したもの。「バンド全般が好きなので、フェスやいろんなライブにも出かけています」。

 

取材・文/上野真理子 撮影/刑部友康

最終更新:10/14(金) 10:00

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北朝鮮からの脱出
北朝鮮での幼少時代、『ここは地球上最高の国』と信じていたイ・ヒョンソだったが、90年代の大飢饉に接してその考えに疑問を抱き始める。14歳で脱北、その後中国で素性を隠しながらの生活が始まる。 これは、必死で毎日を生き延びてきた彼女の悲惨な日々とその先に見えた希望の物語。そして、北朝鮮から遠く離れても、なお常に危険に脅かされ続ける同朋達への力強いメッセージが込められている。