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納豆に「オートファジー」促す成分 骨折予防にも

NIKKEI STYLE 10/14(金) 7:47配信

 エンターテインメント、トレンド、健康・美容、消費、女性と働き方をテーマに、ヒット案内人が世相を斬るコラム「ヒットのひみつ」。今回のテーマは、「納豆のアンチエイジングパワー」。納豆の成分の中でも健康寿命を延ばす可能性があるビタミンK2とポリアミンを取り上げます。ビタミンK2の骨折予防作用も注目ですが、ポリアミンは、東京工業大学の大隅良典栄誉教授のノーベル賞受賞研究である「オートファジー(自食作用)」を促すとされ、研究者の間でも赤丸急上昇中なのです。


 高齢になって起こると寝たきりリスクが高まるばかりか、半年後の死亡率まで高まる股関節骨折(大腿骨頸部(けいぶ)骨折)率は「西高東低」という研究結果があるのをご存知だろうか。そもそも高齢女性に多いこの骨折の新規患者を1987年から2007年まで20年間分調べたところ、関西から九州にかけての地域で発生件数が多くなっていたことが判明したのだ。

 関連する因子を分析すると、カルシウムやマグネシウム、ビタミンD摂取量との相関が認められたが、特に関西と関東で差があったのがビタミンKの摂取量だった[注1]。

 食品からとれるビタミンKには主にK1とK2の2種類があるが、更年期以降の女性の血中ビタミンK2濃度と股関節骨折率が相関し、しかも血中のK2濃度は納豆の摂取量と関係することを明らかにした研究もある[注2]。つまり、納豆消費量が関東以北に比べ低い関西で、骨折率も高くなっているのだ。

 緑の濃い野菜や海藻で摂取できるのがK1。日本人の食生活を考えたときに、骨を守るK2摂取源としては納豆ほど効率的な食品はないと言っていい。


 「日本人の食事摂取基準2015年版」では成人男女で1日150μg以上のビタミンK摂取が目安量になっている。そして、国民平均で1日231μgとっていることになっているので見かけ上は足りていることになる(2014年国民健康・栄養調査)。

 しかし、「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版」では、骨粗しょう症の人で1日250~300μgのビタミンK摂取が推奨されているため、致命的な骨折から身を守るという観点からすると国民健康・栄養調査の数字では足りているとはいえない。

 そこで納豆だ。

 通常の納豆は100gに、股関節骨折リスク低減が期待されるK2を600μgも含む。K2は大豆が納豆菌で発酵する過程で作られるが、発酵総面積が広いひきわり納豆では930μgにもなる(日本食品標準成分表2015年版)。

 つまり、納豆なら、店頭で見かける約50gの1パックで骨粗しょう症改善量がとれるのだ。

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最終更新:10/14(金) 7:47

NIKKEI STYLE

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