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放送作家・小山薫堂さんが語る“手で書くこと”の魅力

@DIME 10/14(金) 7:10配信

これだけデジタルツールが定着している時代にもかかわらず、今もなお多くの人に愛され続けているアナログの筆記具、万年筆。雑誌DIMEの連載「出会えてよかった言葉たち」でおなじみの放送作家・脚本家の小山薫堂さんも愛用者のひとりだ。万年筆好きが高じて、現在、高級筆記具ブランド「パーカー」のブランドアンバサダーも務めている。そんな小山さんに“手書き”が持つ魅力について話を伺った。

――まずは万年筆を使われるようになったきっかけを教えてください

「中学校の入学祝いで親からもらったのが最初の出会いですが、日常的に使い始めたのは、放送作家としてデビューしてから数年たった頃です。デビューしたての時は、いわゆる作家ペンという安いペンを使っていたのですが、ある程度時間が経ってから徐々に愛用したくなりまして。周囲にいる先輩が万年筆を使っているのを見たりすると、かっこいいなと憧れるようになったり」

「例えば、音楽を聴くのにCDばかりに慣れていくと、アナログレコードがかっこよく見えることってあるじゃないですか?あのような感覚に似ていますね。それから使うようになり、今は数本の万年筆を書くテーマや気分などに合わせて使い分けて愛用しています」

――万年筆による手書きの良さとは何でしょうか?

「ちょっとした緊張感が生まれて、覚悟みたいなものが出る気がするんです。紙と自分の勝負じゃないですけど。これがPCの場合、何度も書き直したりできるのでもちろん便利なのですが、その反面、アイデアに瞬発力がなかったり、角が丸くなって当たり障りないようなものになることが多い。中にはどんどん磨かれていくということもあるとは思いますが、勢いがなくなる気がするんですよね。万年筆片手に原稿用紙に向き合うと、書きたい!という衝動に掻き立てられるんです。熱が生まれるというか、魂を動かされるというか、呼び覚まされるというか」

「あとメモを手書きでとる場合、全ての内容をそのままメモる人ってなかなかいませんよね。ほとんどの人が要約してメモしていると思うのですが、そのとき自分が感銘を受けたり心動かされたりするものを抽出してメモしていると思うんです。なので、その分、記憶に残りやすいですよね」

――確かにそうですね。手書きをしないと字が汚くなったり、書くスピードも遅くなりますよね。

「そうですね。たまに漢字も忘れますよね。どうにか思い出して書いてみても、この漢字、本当にこう書くんだっけ?って心配になったり(笑)。中には、文字の成り立ちみたいなものがわかって、ハッとさせられることもありますね。やっぱり、手書きって個性だと思うんです。例えば、数人で同じ文章を書いたとしても、全員、形や勢いなどが違ってくると思うんです。その時のその人の状態が字に反映されるわけですから、まさに個性ですよね。なので、手紙は自分の字で書いたほうが、自分が出る分、思いは伝わると思いますよ」

――小山さんは「パーカー」のブランドアンバサダーを務めていますが、万年筆初心者が手に入れるべきおすすめの1本を教えてください。

先日、都内で行われた「銀座・伊東屋×PARKERトークショーイベント」に登壇。パーカー創業者のひ孫であるジェフリー・サッフォード・パーカーさん、銀座・伊東屋社長・伊藤明さんとともに手書きの魅力についてトークセッションを行なった。

「やはり、8月に登場したばかりの第5世代のペンと呼ばれている「パーカー インジェニュイティ」の新モデルですね。実用性を考えると、これはすごくいいと思います。自分で実感することなんですけど、あまりお値打ちの価格帯の万年筆ですと、ちょっと油断して無くすこともあるんですよ(笑)。これは2万7000円なので、背伸びすれば手に入れられる価格帯ですし、その分、一生、大事にできます」

「第5世代のペンは、万年筆のようで万年筆じゃなく、ボールペンとはまた違う感じの書き味で、非常に扱いやすくて使いやすい。そのうえブランド力もあり、大切にずっと持っていたくなる1本になるのではないでしょうか?」

「パーカー」が滑らかな書き心地を追求するために独自に開発した全く新しい技術「パーカー 5th テクノロジー」(パーカー フィフス テクノロジー)を採用した「パーカー インジェニュイティ」の新モデル。「第5世代のペン」と呼ばれるこのモデルは、万年筆でもボールペンでもない滑らかな書き心地に加え、自分好みの書き味に育っていく。新ラインナップのラグジュアリーラインにはアルミボディを採用したことでスタイリッシュなデザインになった。価格は2万7000円(税込)。

デジタルツールのリセットできる便利さ、スピード感などとは異なる魅力が詰まっているアナログの筆記具。手書きによって本気が出やすい、熱意がこもりやすい、と考えれば、無駄な空振り、動きが省ける分、ものすごく実用的に使いこなせるのだろう。なるほど、多くの時代の寵児、時の人が虜になるのもうなずけるわけだ。


取材・文/オビツケン

@DIME編集部

最終更新:10/14(金) 7:10

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