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高学歴地帯「中央線」で読まれている新聞は? 

東洋経済オンライン 10/14(金) 5:00配信

 各社それぞれの論調がある新聞。どんな新聞を購読しているかということは、その人物の所属する社会階層や持っている社会意識を表す1つの指標といえる。どの地域でどんな新聞が読まれているかを見てみることで、地域の性格もある程度見えてくるといえそうだ。

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 そこで今回は、新聞折込チラシの広告代理店が公表している、どの地域にどれだけの折込チラシを入れるのかというデータをもとに、東京周辺の地域・沿線の新聞の購読傾向を調べてみた。使用したデータは、有力な広告代理店のホームページに掲載されている折込チラシ配布数をもとにしている。

■オフィス街の日経、郊外の読売

 新聞の折込チラシの部数は、その地域の販売店が扱っている新聞の部数を反映している。ただ、新聞販売店が仕入れる新聞の部数と、実際に宅配される部数が異なっていることはあらかじめ述べておきたい。雨に濡れてしまったり、汚れたり破れたりした際の「予備紙」などで、販売店に届く部数と実際に配られる部数には差があることは知られている。

 また、エリアによって販売店の営業力の差が部数差につながることも少なくない。必ずしも社会階層や社会意識を反映したものではないケースもあるので注意してほしい。ただ、地域ごとの新聞のデータは、大まかな傾向を示しているものとして参考になるだろう。

 東京都の東部を除く全53市区町村と神奈川県横浜市の18区、川崎市の7区でそれぞれ最も読まれている新聞を調べてみると、企業などが集中する都心部の東京都港区・渋谷区・新宿区・千代田区・中央区の5区は日経がトップ。朝日は東京の13市区と横浜市の8区、川崎市の1区で、その他の市区町村では読売が1位となっている。

中央線で読まれているのは?

 この中で特徴的なのは、都内で朝日新聞がトップとなっている13市区だ。23区内では文京区・中野区・世田谷区・杉並区の4区、市では武蔵野市・三鷹市・狛江市・小金井市・多摩市・稲城市・国立市・西東京市・国分寺市の9市が該当するが、実にその約6割となる8市区(中野区・杉並区・武蔵野市・三鷹市・西東京市・小金井市・国分寺市・国立市)がJR中央線の沿線なのだ。

 中央線沿線、特に新宿区から国分寺市にかけてのエリアは首都圏でも特に高学歴層が多いエリアだ。今回調査の対象とした78自治体の人口に占める大卒者の割合は平均20%だが、中央線の中野―国分寺間にあたる上記の8市区平均では約28%と、全体と比べて極めて高く、他の沿線と比べても突出した「高学歴ベルト地帯」となっている。

 朝日新聞は媒体資料で大学・大学院卒の読者が多いとしており、朝日新聞の東京本社版は、全読者に占める大卒者の割合が40.2%だという。これらの地域で一番読まれている新聞が朝日であることは、同社の説明を裏付ける結果といえよう。

■同じ路線でも場所によって違う

 同じ傾向はほかの沿線でも見られる。たとえば東急田園都市線は、都内では朝日新聞が1位の世田谷区内を通るが、多摩川を越えて神奈川県内に入った川崎市高津区、宮前区は読売が強いエリアだ。しかし、駅名でいうとたまプラーザから先、横浜市青葉区では朝日のシェアが再びトップになる。

 同区は住民に占める大卒者の割合が31%と、こちらも首都圏有数の高学歴エリアだ。中央線沿線と同様、朝日が謳う「大卒・院卒読者が多い」という特徴がここにも出ていることになる。

 では、朝日新聞は鉄道沿線の特性や地域性を意識した販売戦略を展開しているのだろうか。同社によると、特に中央線沿線などに重点を置いているということはなく「売れ行きは個々の販売店の努力によるもの」だという。だとすれば、この結果は朝日新聞自体がこれらの層に支持されていることを示しているといえるだろう。

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最終更新:10/14(金) 12:00

東洋経済オンライン