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WEC富士6時間直前! 中嶋一貴&小林可夢偉両選手に聞くWECの魅力とは?

clicccar 10/14(金) 20:32配信

いよいよ今週末に迫った、WEC(世界耐久選手権)日本ラウンド。静岡県小山町の富士スピードウェイを舞台に開催される世界最高峰のスポーツカーレースを前に、このレースのトップカテゴリーであるLMP1クラスにTOYOTA GAZOO Racingから参戦する二人の日本人ドライバー、中嶋一貴選手と小林可夢偉選手に話を聞いた。WECの魅力、ハイブリッドの進化、そして富士の見所は?

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–今シーズン、6戦を終えましたが振り返っていかがですか?

中嶋選手(以下、中嶋):「僕ら5号車にとっては、アクシデントやトラブルでなかなか完走できない厳しいシーズンになっています。ただパフォーマンスとしては所々いいところを見せられていると思うし、そのハイライトはやはりル・マン。ル・マンでは5号車、6号車ともに下馬評を覆すようなレースができて、僕らが思っていた以上のパフォーマンスで、乗っていても気持ちよくレースできた。あと一歩のところまで行って、結果としては残念でしたけれど、チームとして、ル・マンを勝つ実力があることを証明できたと思っています。豊田章男社長からのコメントも、チームだけでなくトヨタ全体が『次は勝つ』という気持ちになる、いいきっかけになりました」
小林選手(以下、小林):「今年、初めてLMP1プロジェクトに入って、そこそこポイントも獲ってランキングも3位で、想像していたよりもいい戦いができているなと思っています。レベルの高い争いをポルシェやアウディとしていて、技術的にもドライバー自身にとってもハイレベルな戦いができていて、やりがいを感じていますね。レースでいうと、シーズンを戦っていてル・マンというのが僕らのクルマに最適なサーキットで、そこがこのクルマの最大のパフォーマンスが見えるところで、そこでしっかりパフォーマンスを見せられたと思ってます」



–それぞれ共に戦っているチームメイトについて、教えてください。

中嶋:「アンソニー(デヴィッドソン選手)は、経験もあるドライバーですし、冷静なところと熱いところの二面性を持っています。技術的なフィードバックは正確ですし、それを言葉に表すのが上手ですね。セバスチャン(ブエミ選手)は、かなりアグレッシブで熱さが前面に出るタイプなんですが、コース上でそれがネガティブな方向に行くことは少なくて。アグレッシブで熱くなるんで『大丈夫かな』と思う時もあるんですが、これが意外にぶつからず(笑)ちゃんと帰ってくるという。だからスタートとかも安心して見ていられるし、頼りになります」

小林:「僕が一番経験が浅いんで複雑な立場ではあるんですけど、ステファン(サラザン選手)は経験がすごくあるので、色々聞きながらやります。ただ彼はラリーもやっているので、乗り方がちょっと特殊な部分があるので(笑) それを考慮してます。今までに出会ったことのないドライバーのタイプですね。マイク(コンウェイ選手)は、お互いそんなに経験がないというのを分かった上でクルマをつくっていくので、お互い強引さというのがなくて『みんなで一番乗りやすいクルマをつくろう』みたいな雰囲気でやっていくパートナーとして、すごくやりやすいです。チームが同じことを考えて同じことをやっていきたいという気持ちになれていて、いいチームかなと思ってます」


–いよいよ今週末、富士6時間ですが、LMP1の予選のラップタイムがスーパーフォーミュラを超えるのではないかという期待もあります。

中嶋:「今年、どうかな…。上回れるかはわかりませんけれど、ほぼほぼ一緒ですよね、去年のタイムは」

※参考コースレコード
LMP1レコード 1分22秒639(2015)
SFレコード 1分22秒572(2014)

–スーパーフォーミュラとの速さの質の違いというのはありますか?

中嶋:「一番大きな違いは加速ですね、LMP1に関して言うと。やっぱりハイブリッド含めたパワートレインの加速力というのはものすごいと思いますし、実際にエンジンとモーターを合わせた出力が1000馬力以上というのは本当にそれだけの数字が出ているので、そこからの加速力というのが、ラップタイムに関して言えば一番の強さかなと思います。それに対してSFはやっぱり重量が軽いです。ラップタイムはクルマの重さとタイヤのグリップによるところも多々あるので、やはりSFはその軽さを生かしたコーナリングの速さがラップタイムの特徴だと思います」

小林:「キャラクターが全然違うので一概には言えないですけど、SFは、直線は決して速くないですけど、コーナーで結構タイムが稼げているなというイメージです。逆にLMP1に関しては、やっぱり四駆で加速がすごく良くて、コーナリングの立ち上がりでだいぶ稼いでいるのかなと」

小林:「まぁでも、あの車重であのタイムで走るというのは、けっこう速いと個人的には思います。あと、WECでは燃料(流量など)がだいぶ規制されていて、それでもあのタイムで走れているっていうことが、なかなか現実とは思えないレベルですね。そういうところを見ていくと、可能性として、もっと速いクルマは作ろうと思えば簡単なんで、逆にそんな状態を見てみたいっていうか(笑)」
–まだまだポテンシャルはありそうですね。

中嶋:「ガソリン好きなだけ使ったら、どうなるかわからないね(笑)」

小林:「ガソリンを好きなだけ使って、バッテリーも1周思いっきり使って規制なしでやったら、たぶんF1なんか余裕で越えると思いますよ。直線でたぶん400km/hいくよね」

中嶋「ははは。1周8MJ使えたらすごいね(笑)」

小林:「すごいよね、恐ろしいと思う」

中嶋:「ちょっと乗ってるほうも怖いと思う」

小林:「それくらい(ポテンシャルは)あるんですけど、まあもちろんルールで規制があるからそうはできなくて、という状態での、あのタイムなんで」

中嶋:「いまのWECのレースって、限られたガソリンをいかに効率良く使うかっているレースなってるので、その考え方って結局市販車のエンジンと同じなんですよね。だからハイブリッドシステムもエンジンも効率を高めるっていうことが、そのまま市販車の技術にもつながっています。近年のこのレースは、効率をさらに高めるという開発の上で、市販車にとってもすごく重要な役割をしていると思います」

–そういったLMP1の特性にも注目して観戦すると面白そうですね。

中嶋:「それこそヘアピンとか加速性能が分かるようなところ、あとは1コーナーとか最終コーナーの立ち上がりでもいいんですけれど、そういうところで近くから見ると、LMP1の加速の速さというのがわかるんじゃないかなと思います。あとは音がクルマによって違いますね。僕らのクルマと、ポルシェ、アウディとそれぞれ音が全然違うので、なんかそんなところも見てもらえると面白いと思います」



–それから気が早いですが、来シーズンへの期待もすでに高まっていると思いますが。

中嶋:「今年のル・マンは残念だったけれど、あの結果があって、ポジティブな点もたくさんあったと思います。チームも実力を証明できて、今後に向かっています。『来年は絶対に勝つ』という気持ちで。来年以降に向けて、また頑張っていきたいですね」

小林:「今シーズン、ル・マンに最適なクルマだったということは、逆に言えばそれ以外のコースでは苦戦しているということなんですけれど、苦戦の理由も僕たちは分かった上でクルマの開発をしているので、来年のクルマはそこも補えるんじゃないかと個人的に思っています。シーズン通して本当に強い、栄光のトヨタのハイブリッドとTMGが作っているシャシーで、TOYOTA GAZOO Racingとしてトヨタの技術力の高さを見せられる時が来るのかなと思っています」

–ありがとうございました。

トヨタ自動車では今週末、WEC富士6時間耐久レース中のオンボード映像をTOYOTA GAZOO Racingのサイトでライブ配信する他、MEGA WEBと全国4か所のディーラーではパブリックビューイングを開催するそうです。現地観戦できないファンも、世界最高のスポーツカーレースを観戦しよう!

(Koyo Ono)

最終更新:10/14(金) 20:32

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