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石原さとみ『地味スゴ』快演で勃発した校閲論争の着地点は

NEWS ポストセブン 10/15(土) 16:00配信

 話題作に次々出演している石原さとみにとっても「ハマり役」となる予感を感じさせるドラマがスタートした。作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏が指摘する。

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 石原さとみ主演の新ドラマ『地味にスゴイ! 校閲ガール・河野悦子』(日本テレビ系水曜午後10時)は、あっという間に1時間が過ぎてしまう面白さ。上質なエンタテインメントに仕上がっています。

 何よりもまず、石原さとみがピカっと輝き、オーラを放っていて目が吸い寄せられる。スピード感に溢れた演技、「このタコ!」と小気味よくキレのいい滑舌。華やかなファッションは千変万化し、目を楽しませてくれる。

 物語は……ファッション誌の編集者を目指して出版社に入社した河野悦子(石原さとみ)。しかし配属先は希望に反して校閲部に。校閲とは、作者が執筆した原稿に誤字や事実誤認が無いかどうか、矛盾点がないかをチェックするという専門性の高い「言葉の番人・職人」。おしゃれ派手好きスーパーポジティブの河野悦子が、そんな校閲部でいかに格闘するかが見所のドラマ。

 配役も絶妙です。青木崇高、菅田将暉、本田翼、岸谷五朗といったタイプの違う役者を、上手に組み合わせている。演出はメリハリが効いている。合間に赤字ゲラを配したり雑誌風の誌面や活字を挿入したりと、遊び心も満載。ドラマ作りは文句付けどころがない巧さ。

 ところが。

 ドラマがスタートした数日後、こんなネット記事が。「放送事故レベルの現実乖離に批判殺到 『校閲をナメるな』」(「Business Journal」 10月8日)。この記事には、現役の校閲者からの批判的な意見がズラリと並んでいた。

 簡単にいえば、極めて専門性の高い仕事である校閲において、編集経験のない若手が即大活躍なんてありえない、この仕事をナメるな、いうことでした。

 ドラマの中ではたしかに現実離れした誇張もある。校閲の仕事の領域を超えて暴れまくる河野悦子。入社したばかりで超有名売れっ子大作家の作品を校閲し、作家の表現について意見する、といったいくつものシーン。現役校閲者にしてみれば、「とんでもない」ナンセンスな話に映るでしょう。

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最終更新:10/15(土) 16:00

NEWS ポストセブン