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「ノーベル賞」「五輪メダル」「芥川賞」…この中で賞金に課税されるのはどれ?

オトナンサー 10/15(土) 10:00配信

 今年のノーベル賞で日本人は、東京工業大学の大隅良典栄誉教授が医学生理学賞を受賞しました。

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 毎年のように文学賞が期待される作家の村上春樹さんは残念ながら受賞を逃し、米歌手のボブ・ディランさんが選ばれるという、驚きの結果でした。

 ノーベル賞といえば、日本円で約1億円の賞金が有名ですが、同賞と今年リオデジャネイロ大会が行われた五輪、そして、芥川賞・直木賞のうち、賞金(五輪はメダル報奨金)に課税されるのはどれでしょうか。

世論が税制を動かした

 正解は芥川賞・直木賞です。

 ノーベル賞の1億円と、五輪のメダル報奨金(金300万円、銀200万円、銅100万円)は、所得税法9条が定める「非課税所得」に該当します。ここに芥川賞・直木賞の記述はないため当然、課税されることになります。

 ノーベル賞は湯川秀樹さんが日本人として初めて受賞した際に、「賞金に課税するのはおかしい」との国民感情が沸き起こり、後に非課税になったと言われています(結局湯川さんは課税された)。

 五輪も同様で、1992年のバルセロナ大会で当時中学生の競泳・岩崎恭子さんが金メダルに輝いた際に報奨金への課税が話題となり、こちらもその後、非課税になりました。

 つまりノーベル賞と五輪のいずれも、世論が税制を動かしたといえるのです。

ノーベル賞でも経済学賞だけは…

 ちなみに、所得税法9条は非課税所得であるノーベル賞の賞金について「ノーベル基金からノーベル賞として交付される金品」と記しています。

 つまり、ノーベル基金ではなくスウェーデン国立銀行の基金から支払われる経済学賞の賞金だけは課税対象になります。なぜ同行から支払われるかというと、経済学賞は同行の働き掛けで1968年に創設されたものだからです。

 単純に「ノーベル賞の賞金は非課税」とすればよいのに「ノーベル基金から…」としてしまったがために、日本人が経済学賞を受賞すれば、その賞金は課税対象になります。

 「日本人で経済学賞は一人もいないから別にいいだろう」ということでしょうか。世論に反応して非課税になったり、受賞者が出ないから“放置”されたり、厳密と思われがちな税制も意外に適当なのかもしれません。

株式会社あおばコンサルティング代表取締役 加藤圭祐

最終更新:10/29(土) 17:03

オトナンサー