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電通への強制捜査、その真意を読み解く4つのポイントとは? (社会保険労務士 榊 裕葵)

シェアーズカフェ・オンライン 10/15(土) 5:00配信

10月14日、東京労働局の特別対策班が、電通の本社に立ち入り調査に入ったというニュースが報道された。

本稿においては、今回の立ち入り調査の意義について、4つの着眼点と政府の狙いについて申し上げたい。

■「かとく」が動いた
第1は、電通に立ち入ったのが労働基準監督署の監督官ではなく、東京労働局の「かとく」(過重労働撲滅特別対策班)であったということだ。

「かとく」は、重大性や悪質性の高い労働基準法違反を取り締まる役割を担うため、2015年にベテランの労働基準監督官を集めて、東京および大阪の労働局に新設された組織である。

通常、企業に労働基準法違反の疑いがあった場合、立ち入り調査を行うのは、その企業の所在地を管轄する労働基準監督署の監督官である(電通本社の場合は三田労働基準監督署)。しかし、今回「かとく」が立ち入ったというのは、厚生労働省や東京労働局が、この事件をそれだけ重要視し、本気で取り締まりを行うという姿勢を見せていることであることは間違いない。

■立ち入りは「抜き打ち」だった
第2は、立ち入り調査が「抜き打ち」であったということだ。

労働基準監督官が調査を行う場合、定期調査の場合や、労働者からの申告に基づく調査であっても違法性や証拠隠滅の恐れが小さいと考えられる場合は、あらかじめ調査の日時を通知した上で、立ち入りが行われたり、労働基準監督署に出頭を命じられたりする。

今回は、事前の通知がなく、「抜き打ち調査」であったと報道されているので、「かとく」は、電通の労働基準法違反が重大なものであるという認識を持って、調査に当たっているのだと考えられる。

■官房長官のコメント
第3は、この立ち入り調査について、菅官房長官がコメントを発表したということである。

一企業に対する労働基準法違反の立ち入り調査について、官房長官がコメントを発表するというのは異例であるが、日本経済新聞は次のように報じている。

「菅義偉官房長官は14日の記者会見で、電通への東京労働局の立ち入り調査について「結果を踏まえ、過重労働防止に厳しく対応する」と述べた。その上で「働きすぎによって尊い命を落とすことがないよう、働く人の立場にたって長時間労働の是正、同一労働同一賃金を実現したい」と話した。
官房長官「過重労働、厳しく対応」 電通立ち入り調査受け 2016/10/14」

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最終更新:10/15(土) 5:00

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