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浦和に9季ぶりの歓喜を呼んだ李の“信じる力” ファーストタッチで同点弾も「驚かなかった」

Football ZONE web 10/15(土) 21:35配信

13年ぶり2度目のルヴァン杯制覇 李がMVPに輝く

 浦和レッズのFW李忠成は、15日のルヴァン杯決勝のガンバ大阪戦で、後半31分の途中交代からワンプレー目のCKからゴール。0-1のビハインドを跳ね返しPK戦の末に勝利して優勝を勝ち取ると、MVPに輝いた。李は、自分がゴールを決められるという信念には、日本サッカーの歴史に残るゴールが大きく影響していると明かした。

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「ここで代えてくれって審判に言ったんです。何か取れる感じがしたから」

 浦和が0-1のビハインドのなかで得た後半31分のCKの際に、タッチライン際でスタンバイしていた李は交代ボードを上げてくれるように促したという。交代の対象となったFW高木俊幸はチームのなかでセットプレーのキッカーを務めることもある選手だったが、「自分が決めてヒーローになる」という思いとゴールへの予感がそれに勝った。交代が認められると、一目散にゴール前へ走っていった。

 そして、MF柏木陽介が左足で蹴り込んだ右CKは、混戦のなかでマークを外した李の頭に吸い込まれるように飛んでいった。綺麗に叩きつけるように合わせたボールは、G大阪ゴールに吸い込まれた。これが、浦和の劣勢を跳ね返す一撃になった。

「自分のところに来ると思っていたから。『来い、来い』よりも『来る、来る』っていう感じだったから、点を取ってもそんなに驚かなかったし、イメージ通り、予想通りだなって。そんなに叫ぶような感じでもなかった。もちろん、嬉しかったけど」

2011年アジアカップで得た「信じる力」

 同じような言葉を、今年5月にAFCチャンピオンズリーグ16強で対戦したFCソウル戦の時にも聞いていた。敵地で延長にもつれ込んだゲームで、延長前半に先手を取られた。しかし、李は延長後半に2点を取って、一時逆転の立役者になっていた。最終的にチームはPK戦で敗れたが、その時も試合後に自身のゴールをこう振り返っていた。

「自分が試合を決める選手だと信じ込んでいたので、ボールが来て当たり前だと思った。何も驚かなかったし、当然だなと」

 なぜ、これほどまでに自分のゴールを信じてプレーを続けられるのか。そこには、日本サッカーの歴史のなかでも輝かしいゴールの一つとして記憶されているものがあった。

「積み重ねてきた結果だと思うし、アジアカップを経験できたことで確信にもなった。信じることの大切さとか、信じることの力の強さをあの時思った。それを、今日も思った」

 2011年のアジアカップ決勝のオーストラリア戦で、李は延長後半にDF長友佑都のクロスから鮮やかな左足ボレーで叩き込んで決勝ゴールを挙げた。あの時の記憶が、今も心に残り続け、自分が試合を決める存在になると信じられる要因なのだという。

嗅覚を研ぎ澄ませた生粋のストライカー

 ベンチスタートにも「せめて0-1で自分の出番が来いって。自分が決めてやるから」と出番を待ち続け、その思いを乗せるようにチームのピンチを救い、PK戦でも4人目に登場して冷静に決めて浦和を9シーズンぶりのタイトルに導いた。

 ゴールへの嗅覚を研ぎ澄ませ続けた生粋のストライカーは、大一番で点を取る秘訣を「信念だから」と言い残してスタジアムを後にした。

轡田哲朗●文 text by Tetsuro Kutsuwada

最終更新:10/15(土) 21:38

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