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ドレスコーズ志磨遼平が語る芸術論:「芸術はすべて恋愛に似ている」(後編)

ローリングストーン日本版 10/15(土) 16:10配信

映画『GANTZ:O』の主題歌『人間ビデオ』をリリースしたドレスコーズ、志磨遼平のインタヴュー。その話は、人間の普遍的な哲学的命題を描いた『GANTZ』の魅力から芸術論にまで及んだ。

【前編】ドレスコーズ志磨遼平が語る『GANTZ』論、そして"表現"とは何か

前編では、この楽曲がどう作られたのか、そして志磨が『GANTZ』をどう解釈しているのかを語ってもらった。その話は、次第に志磨遼平が"何を目指して音楽を奏でているのか"という問いへと発展していき、さらには"まぜ芸術は存在しているのか"という命題への解答にまで行き着いた。

前編はこちら

―先日、ドレスコーズのライヴを拝見させてもらっていて、志磨さんの言う"あのいい感じ"(前編参照)っていうのはすごく感じたんですよ。逆に誰かと繋がってない瞬間、わかり合えていない時とかって、志磨さんはどうしているんだろう?って思ったんですが。

そっちのほうが、デフォルトの状態じゃないですか? デフォルトがそういう寂しい状態、孤独な状態だと思うんです。もともと僕は一人っ子だからかわかりませんけど、小さい頃からずっと他人に期待をしてもいいんやろか、っていうすごい可愛い素朴なクエスチョンがあったんですよ。別に誰に裏切られたってことじゃないんですよ。裏切られるっていうのは、既に期待しているからであって、そもそも期待もしてなかったから。

―裏切られるっていう概念もなかったっていうことですよね。

そもそも、自分が何を考えているかは絶対に伝わらないだろうし、他人が何を考えているかもわかるはずもないし。そうやって分かり合えてない状態がデフォルトだけど、普通に僕らは生活している。それが、成長するにつれて、自分たちはもしかしたら同じことを考えているのかもしれないというのをうっすら期待するようになっていく。すごく話の合う友達ができるとか、バンドを始めるとかね。で、自分のなかで言葉も育ってくるし。ちっちゃい時にドッチボールやってるだけやとわからないんですけど、さっき言った"あのいい感じ"っていうのは、小さかろうがずっとあったはずなんですよね。それを人に伝えたくなるっていうのも。ただ、"今、いい感じじゃない?"って言うのは、ちょっと恥ずかしいですよね。だから口に出したことはなかったけれども、人と共有することを10代の終わり頃からなんとなく期待するようになっていく。異性に告白することもそうですよね。小学校やったらイジメ案件ですよ(笑)。だけどそれを友達に相談したりするようになっていくでしょ。で、もしかしたら向こうも自分の好きかもしれない、同じ感情を僕らは抱いているかもしれない、そんな奇跡みたいなことがこの世には起こり得るっていうことがありえる、と。それを期待してからですよね、音楽とかがやっとわかってくるのは。そうなると全部聴こえ方が変わってくる。だから、芸術っていうのは、全部すごく恋愛に似ているんですよ。

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最終更新:10/15(土) 16:10

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