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実は大赤字? 自治体「東京アンテナショップ」

東洋経済オンライン 10/15(土) 6:00配信

かつて、この連載で「なぜ道の駅は儲からなくても店を出せるのか」というコラムを書き、大反響を頂戴したことがありましたが、今回は「その都市版」とも言える「アンテナショップ」について取り上げます。

■採算性は二の次、「地元のPR」という「錦の御旗」で運営

東京都内にあるアンテナショップは現在55店、そのうち42店舗は都道府県、13店舗は市町村が整備しています(地域活性化センターの「平成27年度 自治体アンテナショップ実態調査結果」)。売上高だけをみても7億円以上は北海道、広島、沖縄の3自治体だけで、1億円以上7億円未満が26自治体となっています。 それでは、このような経営規模でアンテナショップは魅力的な店舗経営を行い、採算性も確保され、バリバリ営業成果が生まれているのでしょうか。

 冒頭から結論を言うのもなんですが、そもそもアンテナショップは「自治体のPR」や「特産品のPR」という話が開設目的の上位2位を占めています。

「税金を使ってPRができればOK、別に商売のためだけに経営しているわけではないよー」、ということなのです。例えば広島県アンテナショップの開設時の監査報告書によると、「費用対効果について事前の検証は行わなかった」ということが記されています。 しかしながら、昨今は「行政評価」などもなされるため、どこのアンテナショップの資料をみても、来客数と売上高が全面に出て「◯万人きています」「年商◯億円売れています」とアピールするわけですが、売上高がどれだけあっても、経費がそれ以上にかかれば赤字になります。

赤字垂れ流し、形だけの行政への評価

 本気で事業性と向き合う気があるのであれば、今後は売上高だけの表記ではなく、しっかりと「利益」金額を表記して競って欲しいものです。

■売上高1億円を挙げても実態は赤字、それが永遠に続く

 また、地方自治体は「『地元PR』をするためには有名な立地に出店しなくてはならない」と、地方の人でも誰でも知っている「銀座」「有楽町」「日本橋」などの立地をこぞって選択します。言うまでもなく、日本で一番家賃が高い場所、といっても過言ではない立地です。

不動産調査会社のCBREによれば、銀座における、1F部分の平均的な月当たりの賃料(月坪、1坪=約3.3㎡)は、メインストリートでは最低でも15万円以上。ひと回り外でも6万円~、さらに外れでも3万円に達します。 ということは、平均的な30坪の店を出すと、最良の立地だと450万/月~、年間でいえば、5400万円に達します。さらに2F、3Fは路面よりは安くなるとはいえ、イベントスペースや事務所なども確保して、1-2Fを借り切ったアンテナショップなどを経営しようと思えば、年間家賃だけでもとてつもない金額に達することが分かります。しかも、ここに、さらに初期の内装設備投資、毎月の水道光熱費や人件費などがかかってきます。

 一方で、売っている商品の多くは、数百円から高くても数千円の食品や調味料などが基本です。さらに小売販売なので、売り上げからとれる粗利益率(人件費などを加味しない「素」の利益率)は20%~30%程度です。

 とすると、1億円売り上げたところで、多くても3000万円程度の粗利であり、ここから初期投資の回収をしながら家賃や人件費や水道光熱費などの支払いを賄うことになるわけで、到底足りません。結果として、各自治体のアンテナショップには、年間数千万~数億円の予算が組まれており、つまりそれだけの赤字を税金で補填しなくては店が存続できないというわけです。

 実際に、民間のフジテレビ系列がやっていた地方の物産を集めた「銀座めざマルシェ」は銀座にオープンしたものの、2年持たずにあえなく撤退しています。行政によるアンテナショップは、民間には不可能な採算度外視店舗なのです。

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最終更新:10/16(日) 23:15

東洋経済オンライン

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