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ソフトバンク、「10兆円ファンド」設立の驚愕

東洋経済オンライン 10/15(土) 6:00配信

 3兆円の巨額買収の次は10兆円のファンド設立、今年のソフトバンクグループ(以下ソフトバンク)の案件は、とにかくケタ違いだ。

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 10月14日。ソフトバンクはサウジアラビア王国の政府系ファンド「パブリック・インベストメント・ファンド」(PIF)と組み、「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」(SVF)を設立すると発表した。ソフトバンクとPIFは首都リヤドで10月12日付で覚書を交わした。ファンドはテクノロジー企業を中心に投資していく方針だ。

 ソフトバンクは今後5年間で、最低でも250億ドル(約2.6兆円)をSVFにつぎ込む。一方のPIFは同じく今後5年間で最大450億ドル(約4.7兆円)を投じる。さらにほかの複数の海外投資家とも協議中であり、ソフトバンクは「SVFは1000億ドル(約10兆円)となる可能性がある」としている。

■サウジの成長戦略に乗る形に

 PIFは45年前、1971年に設立された歴史のあるファンド。設立以来、サウジ財務省が管轄してきたが、2015年3月からは、サウジ副皇太子でPIFチェアマンのムハンマド・ビン・サルマンが率いる経済・開発問題協議会(CEDA)へ移管されている。

 PIFの投資戦略は、サウジの超長期戦略「ビジョン2030」と連動しているという。同ビジョンは「石油」と「ガス」という2本柱のアラブ経済に新たな柱を創るために投資を加速、現在世界19位の経済規模を2030年までに世界15位にするとしている。

 PIFは世界最大の石油埋蔵量と同生産量を誇る国営石油会社「サウジ・アラムコ」の株を保有。同社は上場を視野に入れており、その場合の時価総額は世界首位の米アップルを軽くしのぎ、2兆ドルはくだらないのではないかと見られている。売り出される株はわずか5%と見られているが、それでも1000億ドル。今回のファンドに資金をつぎこんでもおつりが出る。

アローラ氏は「唯一無二の人材」ではなかった?

 孫正義社長は「SVF設立により、世界中のテクノロジー企業への出資をさらに推し進めることができる。SVFは今後10年で、テクノロジー分野で最大級のプレイヤーになる。出資先となるテクノロジー企業の発展に寄与することで、情報革命をさらに加速させていく」と語る。(孫社長は創業以来、「情報革命で人々を幸せにする」という経営理念を掲げている)。

 ソフトバンクとサウジのファンドや企業が組むのはこれが初めて(中東全体ではイスラエル企業への出資があり、これが初めてではない)。サウジ副皇太子でPIFチェアマンのムハンマド・ビン・サルマンは「長い歴史とテクノロジー業界での人脈を持ち、高い投資実績のある孫社長のソフトバンクと覚書を交わしたことをうれしく思う」と孫社長を持ち上げている。

■アローラ氏は唯一無二の人材? 

 興味深いのは、本件を主導したのが、2014年から海外におけるソフトバンクの財務戦略を率いてきたインド人のラジーブ・ミスラ氏であることだろう。

 ミスラ氏は、ドイツ銀行や投資会社での勤務経験を持ち、今年6月に電撃退任したニケシュ・アローラ副社長の片腕として、海外投資を牽引してきた。

 孫社長は以前、後継者候補の筆頭としてきたアローラ氏について「これほどの人物はいない」とベタ褒めしていたが、ミスラ氏はアローラ氏よりも、はるかに大きな案件を手掛けることになる。

 アローラ氏には2年弱で245億円という超高額年俸が支払われたほか、68億円の退職金まで支払われることになっている。一方で、ソフトバンクの有価証券報告書を見る限り、1億円以上の高額報酬リストにミスラ氏の名前はない。

 これほどの大型案件をまとめたのだから、今後、ミスラ氏にはかつてのアローラ氏に匹敵する超高額の報酬が与えられても不思議ではない。そうでなければ、アローラ氏への報酬が異常に高かったことを、ソフトバンクは自ら認めることになりかねない。

山田 雄一郎

最終更新:10/15(土) 10:55

東洋経済オンライン

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