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小池知事“子どもファースト”の社会的擁護明言

Japan In-depth 10/16(日) 10:33配信

去る9月22日に、社会的擁護下にある「すべての子どもたちに温かい家庭を」をテーマに地方議員を中心に、当事者、里親さん、事業者等で運営し、

上田が代表を務める「こども@ホーム」にてレインボーフォスターケア代表・藤めぐみさんを講師に招き、「社会的養護とLGBT」勉強会を開催した。

LGBTカップルに対象を広げることによって、里親の人的資源を確保するのみならず多様な価値観を有する家族は、社会的養護の子ども達が置かれた過酷な状況を理解しやすいということ。何より里親に、若くしてなれるというメリットなど新たな里親の選択肢を共有した。里親推進をさらにLGBTまでに広げようという社会的意識が高まっているといるが、東京都の歩みは遅い。

都では、確かに「家庭“的”養護を推進」としているが、要注意なのが、この中に小規模施設(グループホーム)も含めていることだ。(上田ブログ参照)愛着障がい回避のため重要な赤ちゃん時代、生後一ヶ月未満の乳幼児の里親委託はゼロとなっている。

世界では要保護児童は「施設から家庭へ」が主流となってきていることから、このような市民活動はもとより都議会議員として、議会活動でも質してきた。なぜ施設での養育に東京都が拘るのか…果たしてそれが正しいのか?経費の観点から見てよう。

【施設種別 児童一人あたりの予算額】(注1)(2015年第二回定例会文書質問より)

◆民間(=社福)児童養護施設◆

(社会的養護の必要な児童を養育する施設)

予算額※  111億313万円

予算規模  2,803人

児童一人当たりの予算額 396万1千円

(※民間グループホームの一部経費を含む。予算規模には、民間グループホームを含む。)



◆民間(=社福)グループホーム◆

(地域の中で家庭的な雰囲気の下、6人程度の児童を養育する小規模施設)

予算額※  22億4千338万3千円

予算規模   852人

児童一人当たりの予算額 263万3千円

(※民間児童養護施設に含まれるものは除く。)



◆乳児院◆

(社会的養護の必要な乳幼児を養育する施設)

予算額  34億5千609万7千円

予算規模  507人

児童一人当たりの予算額 681万7千円



◆ファミリーホーム◆

(養育者の自宅で5~6人の児童を養育する事業)

予算額  3億5千53万1千円

予算規模  123人

児童一人当たりの予算額 285万円



◆養育家庭等◆

(所謂里親・児童を養育する家庭)

予算額  7億6千3百万9千円

予算規模  419人

児童一人当たりの予算額 182万1千円

以下、さらにわかりやすく切り出してみた。

「施設養護」

児童養護施設  約400万円

グループホーム  約260万円

乳児院  約680万円



「家庭養護」

ファミリーホーム 約280万円

養育家庭等  約180万円

ちなみに、

「特別養子縁組」=0円である。

コスト面から考えても、里親や特別養子縁組を推進すべきであることが明確だ。なかなか、東京都から「脱施設・里親推進」について明快な方向性が得られぬままこう着状態が続いていたが、突如として転機が訪れた。平成28年7月31日「都民ファースト」を高らかに掲げ、政党や組織の後ろ盾もなく圧倒的勝利を果たした都政史上初の女性首長、小池百合子知事が誕生したのである。

おりしも、知事の初議会となった第三回定例会は、私が一般質問担当であった。要保護児童、養護施設にいる子どもについて、子どもの権利条約二十条では、「特に、里親委託」と定義され、都の東京都児童福祉審議会は、乳児は里親に委託すべきと答申をしていること。一方、日本の里親委託は主要国最下位の12%、都も12%で全国平均16.5%以下であり、「国の社会的養護の課題と将来像」の里親委託率のグラフ(22P)、「東京都はグループホームと里親・ファミリーホームの合計を60.0%(2,248人)定めているため全国計から除く。」とされていることなどを踏まえ、都における脱施設、里親推進に向けて、早速小池知事の姿勢を問うた。

知事の答弁を全文ご紹介する。

「社会的養護についてのご質問がございました。子どもは皆それぞれ異なる個性や能力を持ち、未来への無限の可能性を秘めております。

全ての子どもたちが生まれ育った環境に左右されずに、個性や創造力を十分に伸ばし、社会の一員として自立できる環境を整備していくことは、むしろこれは社会全体の責務といえましょう。

東京には、さまざまな事情で親元では暮らせない約4000人のお子様がいらっしゃいます。こうした子どもたちの健やかな育ちを支えることが社会的養護の役割でございます。

私は、社会的養護のもとにある子どもたちもできるだけ家庭と同様の環境において養育されることは、まさに望ましいと思います。

子どもにとって家庭は安らぎの場であります。そして、人間形成の行われる最初の場でもございます。こうした考えのもとで、社会的養護の施策展開に当たりましても、養育家庭を初めとした里親制度の活用を中心に進めていきたいと考えております。」



「社会的養護の施策展開に当たりましても、養育家庭を初めとした里親制度の活用を中心に進めていきたい」この一言がどれほど、家庭を求める子ども達と、子ども達を待っている里親さん、そして特別養子縁組を望んでいるカップルに福音となったかわからない。

神は細部に宿るというが、国際派でもある小池知事の言葉の隅々に、子どもの権利条約の理念が行き渡っていることを議場で胸を熱くしながら聞いていた。これまで区議・都議として男性首長と渡り合ってきたが、このような人類愛を感じさせる答弁を聞いたことがなかったからだ。今後も「子どもファースト」な児童・教育政策となるよう、私も二元代表制の議会側の人間として取組んでいく所存だ。

(注1)施設等の種別ごとの児童一人当たりの年間予算については、グループホームの経費や養育家庭を支援する職員を配置する経費を児童養護施設の予算に計上しているため、算出することは困難。仮に、児童福祉法による児童入所施設措置費等の平成27年度予算額を単純に予算規模で除算した額を児童一人当たりの予算額とした。(東京都福祉保健局)

上田令子(東京都議会議員・地域政党「自由を守る会」代表)

最終更新:10/16(日) 21:48

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