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遠藤保仁が大一番でPK失敗の呉屋を擁護 その背景にある11年前の“苦い記憶”

Football ZONE web 10/16(日) 6:30配信

さながらフリーマンのように顔を出すプレーで、浦和の守備陣を苦しめたが…

 ルヴァン杯決勝でPK戦の末に浦和レッズに敗れたガンバ大阪のMF遠藤保仁は、「どっちが勝ってもおかしくなかった。浦和を称えたい」と敗戦を受け入れた。そして、PK戦で4人目のキッカーとして失敗したFW呉屋大翔には、自身の経験を踏まえて「バネにしてほしい」と言葉を送っている。

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 この日は、試合前の選手紹介の時点で浦和サポーターから大きなブーイングを受けている。それは1日のリーグ戦で浦和と対戦した際、相手MF阿部勇樹との接触時に右足で阿部の脇腹を蹴る形になったのが原因だった。試合後、阿部の肋骨にヒビが入った事実が判明し、そのプレーが直接的な原因だと推測されていたからだ。

 それでも試合が始まれば、チームの勝利を目指して遠藤はプレーし、阿部も含めて浦和の選手たちがラフにやり返すような場面もなく試合は進んでいった。システム上はトップ下としながらも、さながらフリーマンのようにあちらこちらと顔を出すプレーは浦和の守備陣を苦しめた。「できる限り相手の嫌なところにポジションを取ろうと」と、大きな脅威になっていた。

 G大阪は首尾よく前半17分にFWアデミウソンのゴールで先制するも、後半31分に浦和FW李忠成のゴールで追いつかれた。遠藤は「セットプレーなので防げたかなとは思いますけど」と、失点シーンを残念がった。

「大舞台でPK外す経験は僕もしている」

 その後に突入したPK戦では、4人目の呉屋が浦和GK西川周作にストップされてPK4-5の敗戦となった。遠藤は、関西学院大から今季加入の若手アタッカーを庇うように話した。

「本来であれば良い経験というか。PKを外す経験はしない方が良いんだけど、自信を持って蹴って外したら仕方ないとPK戦の前にみんなにも伝えていたので。PKは時の運と言うけど、サイドに思い切り蹴れば大体のGKは取れないですから。彼自身もこれをバネに成長してほしいと思いますし、こういう大舞台でPK外す経験は僕もしているので。チームに迷惑をかけたという思いもあると思うけど、その前に決着をつけられなかった僕らも悪いんだから」

 今大会で11年ぶりのPK決着となったが、遠藤が振り返った“大舞台でのPK失敗”こそ、前回時の苦い記憶だった。2005年大会の決勝で、ジェフ千葉と対戦したG大阪の遠藤は、1人目のキッカーとして登場するも失敗。チームもそのPK戦で敗れていた。奇しくもその時、相手の1人目のキッカーとして成功させていたのが当時ジェフに所属していた阿部だった。

 遠藤は「どっちが勝ってもおかしくないようなゲームだったと思う。PKも実力のうちだと思うので。タイトルを取れなかったのは残念だけど、浦和も必死に戦っていましたし、優勝を称えたい」と決勝戦を総括した。試合前から因縁が生まれてしまった決勝だったが、戦いを終えた遠藤の表情はどこかスッキリしていたようにも感じられた。

轡田哲朗●文 text by Tetsuro Kutsuwada

最終更新:10/16(日) 6:30

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