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ボブ・ディランが1988年にカヴァーした『ハレルヤ』を聴く

ローリングストーン日本版 10/16(日) 10:30配信

『ハレルヤ』ブームのはるか以前に、ディランは1988年にモントリオールで行われたネヴァー・エンディング・ツアーでこの曲をカヴァーしていた。

【動画あり】ボブ・ディランが1988年にカヴァーした『ハレルヤ』を聴く

デヴィッド・レムニックがニューヨーカー誌に寄せた、レナード・コーエンの輝かしい評伝にも、ボブ・ディランがコーエンに『ハレルヤ』を書くのにどれくらいかかるか尋ねたという、当時のよく知られた逸話が紹介されている。「2年だ」とコーエンは答え、「俺は『アイ・アンド・アイ』がとても好きなんだ。あれを書くのにはどのくらいかかった?」とディランに尋ねた。ディランはたったの15分だと答えた。レムニックが指摘しているように、コーエンが『ハレルヤ』を書くのにかけた時間は実際のところ5年で、ようやく書き上げたときには彼のレーベルは、その曲を収録したアルバムのリリースには乗り気ではなかった。売れそうになかったからだ。

『ハレルヤ』が世に出てから4年後、ディランのネヴァー・エンディング・ツアーがモントリオールのモントリオール・フォーラムにやって来た。モントリオールはコーエンの故郷であり、ディランは『ハレルヤ』を歌って彼を称えた(下で紹介している当時の音源を聞いてみてほしい)。ディランは翌月、ロサンゼルスのグリーク・シアターでもこの曲を歌ったが、以来これを歌ったことはない。この曲はその時も全く話題にはならなかったが、3年後、ジョン・ケイルがピアノ用にアレンジし、『ハレルヤ』ブームを引き起こすことになる。

「YouTubeに出回っているよ。自分の11才の娘がこれを歌っている動画を送ってくる人も出てくるだろう」とコーエンは2012年、ローリングストーン誌に語っている。「今もチャーミングな曲だ。k.d.ラングの素晴らしいヴァージョンもある。ボンジョビのもすごいし、ジョン・ケイルのは飛び抜けてる」。

ニューヨーカー誌の評伝は、コーエンが健康上の問題に苦しんでおり、再びツアーを行う見込みはないことを明らかにしている。「友人や音楽仲間たちは、例えば1曲だけのパフォーマンスや、一箇所の開催地での短期滞在にするなど、限定的やり方を除いて、彼が舞台に立つとは思えないと語る」とレムニックは書いている。「コーエンにディナーの誘いのメールを送ると、彼はたいてい、"兵舎’にこもっているよ"と言ってきた」。最後にせめてもう1度、彼が舞台に上がるだけの気力を持ってくれることを祈ろう。もう一度『ハレルヤ』を聴くのなら、それを歌ってくれることを願う人物はただ一人、レナード・コーエンだ。

Translation by Kise imai

ANDY GREENE

最終更新:10/16(日) 10:30

ローリングストーン日本版

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